月別アーカイブ: 2006年5月

Nikeのハイテクスニーカー

The New York Times「Shoes Are Made for Talking: Telling Your iPod About You」

Nike said yesterday that it was making running shoes that will be able to send data about the wearer’s performance to an Apple Computer iPod using a new wireless system called Nike+iPod.

iPodに無線通信でデータを送るスニーカーだってさ。これが本当のハイテクスニーカー(懐かしいね。死語だろうきっと)。NikeとiPodなんて異色の組み合わせのようだが、アメリカ人らしい大人のおもちゃになりそう。そう言えば、靴の裏にローラー付いてるスニーカー、最近見ないけどどうなったんだろう。アメリカじゃ結構大人が履いていたけど、その靴履いてたような人がこの靴も履くんだろうな。

Using a Nike+iPod Sports Kit, expected to retail for about $29, consumers will get information on time, distance, pace and calories burned through the earphones of an iPod Nano via a sensor in the insole of special shoes that communicate with the digital music player.

ジョギングをする身としては、距離とか分かるのは嬉しいな。特に日本なんて家の周りの路地走る人が多いから、距離なんか本当に分からないんだよ、これが。

Michael Lewis「Moneyball」

Moneyball: The Art of Winning an Unfair Game

Moneyball: The Art of Winning an Unfair Game

やはり原著で読むと時間がかかるな。まあその分読後感は爽快なんだが。

本書は副題の「The Art of Winning an Unfair Game」が表すとおり、実在する米野球チームthe Oakland Athleticsが、如何にして少ない予算の中で数多くの勝利を掴みとっていったのか、について書かれているドキュメンタリーである。著者のMichael Lewisは大好きな本であるニュー・ニュー・シングの著者でもあるだが、プロ野球チームの予算と勝利数の関係に着目して「なぜオークランドは予算も少ないのに、こんなに試合に勝てるのだろう」という疑問を抱き、この取材に身を投じたようだ。

オークランドのゼネラルマネージャーであるビリー・ビーンがこの物語の主人公である。彼は類稀な運動神経を持つプロ野球選手であったが、自身の現役時代の経験とあるレポートとの出会いから、独特のチーム運営方法、ドラフトする選手の選別方法を育んでいく。彼の側近にいるのはベテランスカウトマンではなく、ラップトップを常に持ち歩く経済学を学んだビジネスマン。「打率」よりも「出塁率」に注目する。そこらへんにこの物語の鍵がある。

話は逸れるけど、米国人は本当に数字が好きな人間が多い。日本にもプロ野球やサッカーが好きな人間は山ほどいるけど、一度として彼らが数量的な分析をしているのを見たことはないな。自分自身スポーツ観戦があまり好きではないので気持ちは分からないが、そんな分析してたらシラけてしまうのかも。

日本語版(マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男)も出版されているので、野球好きな方はどうぞご一読を。

以下はこの本に関連する梅田さんのエントリ。

「メジャーリーグを楽しむための経済感覚と歴史感覚」
http://www.mochioumeda.com/archive/president/040315.html
「ソフトウェア開発の組織論を野球に学ぶ」
http://blog.japan.cnet.com/umeda/archives/000718.html

大和信夫「ロボットと暮らす」

ロボットと暮らす 家庭用ロボット最前線 [ソフトバンク新書]

ロボットと暮らす 家庭用ロボット最前線 [ソフトバンク新書]

「ソフトバンク新書を一冊買ってみよう」と思って買ってみた本である。理系本かと思っていたら、中身は全然違った。会社の帰りの時間だけで読んでしまった。

本書はロボットベンチャーの代表取締役である著者(ロボットサッカーの大会で、二年連続優勝した経緯もあるようだからエンジニアなのかも)による、現在時点での家庭用ロボットにまつわる状況をまとめたものである。だから話の中心はアシモやAIBOである。人々がロボットに対して抱くイメージや、期待する労働、そしてその期待にどの程度今の技術が答えられるのか、そのあたりを素人にも分かるように解説されている。産業用ロボットについては触れる程度。ロボットが経済にどのくらい影響を与えているかと、今後与えるかについても軽く解説されている。
「家庭用ロボットの可能性についてサラッと知りたい」という人がいれば、この本は良いんじゃないかと思う。

しかし本書でも触れられているが、SONYのAIBO生産中止は何かショックでしたよね。遊び心を無くしてしまった子供を見るようで…

小島寛之「使える!確率的思考」

使える!確率的思考 (ちくま新書)

使える!確率的思考 (ちくま新書)

新書を読み出してから書評が追いつかない…まあ一時間とかで読めてしまうからね。頑張って書いてこ。

また数学系の新書を読んでみた。本書は確率という側面から世の中の色々なことを考えてみた、という内容。本書は例えば、

  • 保険ってギャンブルの一種ということに気付いていない人
  • 数だけで納得してしまい、割合を考えない人
  • データを平均だけで考えてしまい、分散を気にしていない人

などなど、確率を知らないことによる「数字の罠」にかかってしまいがちな人々にとっては為になる本である。また人間の感覚と、現実世界の確率の「差」などについても、イメージし易い例を使って解説されている(例えば車より飛行機は安全なのに、なぜ飛行機が怖いのか)。世の中の色々な現象を、確率という側面から「より効果的に」見ていこうと企む本である。

テレビを見ていると、世の中本当に確率的思考を必要としている人は多いと思うので、是非たくさんの人に読んでもらいたい。例えば「社長の出身大学で、一番数が多いのは日本大学です」と聞いて「一番割合の多い大学はどこですか?」と突っ込む、「なんと、このグループの平均年齢は14.5才!」と聞いて、「標準偏差は?」と突っ込む、「○○商事の年商は500億円です」と聞いて、「利益率はおいくらなんですか?」と突っ込む(ちょっと違うか、この例は)。そんな人々が増えるといいなぁ。

しかし、人間の感覚と実際の確率に大きな相違が生まれるのであれば、そこには同時に金儲けのチャンスが生まれるということになる。あまりそういう方法でお金を儲けるのは好きではないが、そういうのが好きな人は学んでみても良いんじゃないかな。

Apple今度はMacBook

http://www.apple.com/jp/macbook/macbook.html

138,000円からだって。う〜んこれも欲しい。なんたってこう物欲刺激するもんばっかり発売するんだAppleは。こっちは既婚者だってのに…Appleレコードとの闘いにも勝って、ますます勢いに乗ってるね。

iChat、iSyncが使ってみたいね、まず。

結婚とは何か

先日大切な友人の二人が結婚をした。親友と呼べる数少ない人間の内の二人である。一方は彼らしく、楽しく和やかな結婚披露宴が催された。もう一方も彼らしく、静かに二人で籍を入れただけだった。

さて自分も既婚者であるが、結婚とは一体何であろうかと考えることはないだろうか?

誤解を恐れずに言えば、それは「婚姻届を指定の役所に提出すること」である。ただそれだけ。少なくとも我が日本国ではそのはずだ。結婚の「定義」はそれ以上でもそれ以下でもない。よく使われる表現だが「紙切れ一枚」というやつである。こう言い切ってしまうと寂しいし、世の女性達からブーイングが聞こえてきそうである。だが「定義」としての結婚は、やはりそういうことになるだろう。
ただ僕も含めて、人は「結婚」に何かしらの「意味」を見出そうとする。「定義」と「意味」は違うものであると思う。そして大抵の場合、その「意味」は「新しい命を生み、育てること」となっていく。ただ今回、子供の話は外して考えたい。「出産」や「育児」は「結婚」よりも相当に大きな「意味」を持ってしまいそうだから。

僕個人としては「配偶者(家族)への貢献の為に、社会への貢献の可能性を捨てること」が結婚の本質なんじゃないかな、と考えている。もちろん捨てるといっても0%になるまで捨てるわけではないが、少なくとも「自分が世に対して出来ること」を100とすれば、その内60とか70とかを家族の為にする、つまり30から40しか他者の為に貢献しない、ということだ。そしてこの配分は非合理的に行われなければならない。非合理的に行うとはどういうことかと言うと、簡単に言えば「100人の他者の命より、1人の家族の命」ということ。Mr.Childrenの歌に「HERO」という歌がある。本当は違うのかもしれないけど、初めて聞いたときから「あ、これって結婚の歌じゃないかな」と思っている。以下の歌詞が、僕の結婚観と一致したからである。

例えば誰か一人の命と
引き換えに世界を救えるとして
僕は誰かが名乗り出るのを待っているだけの男だ

愛すべきたくさんの人たちが
僕を臆病者に変えてしまったんだ

孤独であれば、その身を世界の為に投げ出せるかもしれない。世界中のHEROになれるかもしれない。ただ結婚をした以上、家族の為だけのHEROにならなければならない。そしてそれは、世界のHEROになる可能性を捨てることを意味する。「つまることそれが結婚だろう」と僕は思っているわけだ。

「何もそんな事言わんでも」と思われる方もいると思うが、上記はあくまで極端な例です。小さなレベルでは、こういう判断を日々しながら皆さん生きているはずだ。ただあまりにも小さなことの連続であるので、それについて考えない内に目の前を通り過ぎてしまっているのかもしれない。だけどいつか大きな判断を迫られるときが来るかもしれない、だからこういうことについて考えておくのはきっと有益だと思っている。そしてそういうときは極端な例を使うと答えが分かり易いものだ。

勿論これは僕個人の結婚観であり、人の結婚観は様々だと思う。あなたにはあなたの結婚があって当然だと思う。結婚とは何か、その問いに答える為に結婚する、というのもまたありだろう。してみなけりゃ分からないことが世の中にはたくさんあるからね。Let’s give a shot!

最後に余談になるが、僕は「結婚披露宴」というものが好きである。葬式を別とすれば、あそこまで誰かの人生が集約される場はないであろう(有名人だったら「波乱万丈」とかでまとめてくれるかもしれないけど)。それを見ているだけで滅茶苦茶面白い。僕はだから、披露宴では新郎新婦よりも、ご家族や他の友人、会社の同僚なんかを見ていることが多かったりする。そうするとそいつの人生の縮小図が見えてくるようである。だから誰の披露宴に行っても必ず楽しい。でもあんまり呼ばれ過ぎてもご祝儀払えなくなるけど…

以上、長くなってしまったが、とくにかく二人の友人にはおめでとうと言いたい。いつか子供でも連れて、二世帯カラオケに挑戦したいものである。

John Goerzen「Foundations of Python Network Programming」

Foundations of Python Network Programming

Foundations of Python Network Programming

これは良書だと思う。特に英語表現が非常に平易なのが素晴らしい。PythonとNetworkの世界を少しだけ知っている人であれば、多少英語が苦手でもスイスイと読みこなせてしまうだろう。そういう意味では知識的には既に知っていても、「英語の技術書」入門として読んでみても良いかと。

取り上げられている内容としては、簡単に挙げてみると

  • Sockets(Client, Server)
  • HTML、XMLのParse
  • Email
  • FTP, SSL
  • CGI, mod_python, SimpleXMLRPCServer
  • Forking, Threading

のような感じ。それぞれが浅く広く解説されているので「とりあえずPythonでネットワークプログラムしたいなぁ」という人がまず手に取ってみるような本だと思う。

まだ日本語版は出ていない模様。翻訳しようかしら。

榊原清則「キャリア転機の戦略論」

キャリア転機の戦略論 (ちくま新書)

キャリア転機の戦略論 (ちくま新書)

著者はロンドン大学ビジネススクールの準教授であったようだが、その著者が何人かのヨーロッパビジネスマンとのインタビューを通して、日本とヨーロッパのキャリア戦略の違いについて考えるという内容。インタビューは年齢層により分類されていて、

  • キャリア初期(二十歳代〜三十歳代前半)
  • キャリア中期(三十歳代半ば〜四十歳代全体)
  • キャリア後期(五十歳以降)

となっている。著者は特にキャリア中期以降の人間に重きを置いて解説している。

本書を読んだ僕の「ヨーロッパビジネスマン」の感想は、著者と同じで「ヨーロッパ人はしぶとい」である。著者の仕事の関係上、インタビューの対象者が向学心の強い優秀な人間に偏ってしまったのは事実であると思うが、それでも日本のキャリア中期以降の人間に、この「知的レベルの向上」への飢え、感心、理解を持っている人がどれほどいるかと考えると、やはり欧(もしかしたら米も)よりもやはり少ないのではないかと考えてしまいます。
例えば日本には、欧米のように比較的簡単に「学校に戻る」といったことが出来る仕組みもまだまだ足りないし、それに対する社会の理解も少ない。こういった現状を変えることが、日本経済にとって有益なのかは僕には分からないけれど、やはりいくつになっても向学心を捨てずに学んでいる人間を「キラキラしているなぁ」と感じてしまうのは正直なことだし、日本にももっとそういう人が増えて欲しいと思う。ついでに「ギラギラしているなぁ」という人ももっと増えて欲しい今日この頃。

ちょっと転職本っぽいタイトルだけど、長期的視野を持って自分のキャリアを考えたいという人が読むと良いと思う。

しかしこの著者、有名人なのかWikipediaに項目が作られていた。

コマネチ大学数学課(改善策)

という訳で、前回のエントリの解法を見直す。

各歩数のパターンにて、1段飛ばしで昇る回数は以下のように決まっている。

15歩のパターンのとき → 1段飛ばしで昇ることはない
14歩のパターンのとき → 1回だけ1段飛ばしで昇る
13歩のパターンのとき → 2回だけ1段飛ばしで昇る


というような具合である。つまり

1段飛ばしする回数 = 段数 – 歩数

となる。

ここで8歩のパターンの一つをもう一度足し算で表してみる。

2 + 2 + 2 + 2 + 2 + 2 + 2 + 1 = 15

とすると、これは「8個の中から7つを選ぶパターンがいくつあるか」という問題と同義であることに気付く。つまり「8歩中、7つの1段飛ばしをどこに入れれば良いのか」というのを数えていけば良い。

これはいわゆる以下の式で求められる。x歩パターンのとき、n個の1段飛ばしがあるとすると、

\frac{x!}{(x-n)!n!}

となります。懐かしいですね。これを15歩から8歩の各パターンで計算してあげ足し合わせれば、15段を昇るパターンがいくつあるのかを計算できそうです。この方針でプログラムを書いてみました。

def factorial(x):
if x == 1:
return 1
else:
ans = x * factorial(x - 1)
return ans
def Kaidan(Dan):
hit = 0
a = 0
for j in range(Dan,int(Dan - 0.5) / 2,-1):
a = Dan - j
if a == 0 or a == j:
ptn = 1
else:
ptn = factorial(j) / (factorial(j - a) * factorial(a))
hit += ptn
print hit
if __name__ == '__main__':
Kaidan(15)

これだと現実的な速度です(笑)。

しかしこの問題の答えが再帰構造になっているのって、実際に計算値を並べていけば気付くけど、なぜそうなっているのかが全然理解出来ない。誰か教えて下さい。

Sydney, Australia

rintaromasuda2006-05-15

シドニーの印象はニューヨークっぽい、そう感じた。特に街を歩いている人達にそれを感じたな。なんというか都会的、おしゃれってんじゃなく、街の人というかコンクリートジャングルの住人って匂いがする。つまるところ東京にも近いものを感じた。

シドニーにいるときも本当に天気に恵まれたので、オペラハウスもハーバーブリッジもよく見えて良かった。写真はシドニーダウンタウン内を小さく回っているモノレールから撮った一枚。このモノレールは4ドル50セントだかで乗れるので、シドニーに行ったら一回乗っておくべし。

シドニーには妙にASAHIビール系らしいwagamamaというアジア料理の店がたくさんあった。人気なのだろうか、入ったら結構混んでいた。

ディナークルーズで晩御飯を食べたけど、思ったより夜景は良くない、というかあまり見えなかった。もしかすると、港にたくさんあったレストランで飯食ったほうが良かったかも。