月別アーカイブ: 2006年5月

Ayers Rock, Australia

エアーズロックはとにかくすごかったけど、さらにそれの上をいっていたのが青空と星空の素晴らしさ。あんな空は今まで見たことなかった。それにホテルの周辺というか、あの辺り一体に騒音がまったくなく、静寂というものをもしかしたら初めて感じたかもしれない。それだけでも行く価値があった。というわけで、敢えてありがちなUluruの全体像の写真ではなく、空の素晴らしさが分かる写真を上げてみた。

泊まったホテルは部屋も良し、くっついてるレストランも良しで言うことなし。とくに飯は上手かった。5,000円も払えば美味しくバイキングで食べられますよ。アメリカのサンタフェに行ったときも良かったし、最近内陸のリゾートにははまっているなぁ。今度はアリゾナかな。

あえて悪い点を挙げるとすれば、気温が上がってくるとどこからともなくやってくるハエにはいささか閉口した。

話は変わるが、中部訛りと思われる英語が聞き取りづらく苦戦。あっちではeightを「アイト」のように発音するみたい。イギリス英語でeitherを「アイザー」と発音するのと似てるというか一緒だろう。

コマネチ大学数学課

なんかすげー面白そうな番組が始まったんですね。テレビは来週から見始めるとして、Danさんのエントリに問題が載ってたので解いてみよう。ついでに最近Javaと共に勉強しているPythonの修行にも丁度良さそうなので、プログラムはPythonで書いてみる。

自分で解いてみたい方は以下はネタバレになりますのでご注意を。

問題

15段の階段があります。階段を一段づつ上ってもOK、一段飛ばしで上ってもOKとして、この階段の上り方が何通りあるか答えなさい。

要するに、一回に1段か2段進めるという訳ですね。そして上るまでの歩数に注目すると、「最多で15歩、最小で8歩」ということになる。

15歩のときの昇るときの様子は以下のように表せる。
1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 + 1 = 15

8歩で昇るときの様子の一例は以下のように表せる。
2 + 2 + 2 + 2 + 2 + 2 + 2 + 1 = 15

この8歩の方に注目してみれば、「8歩で昇るパターン」には8通りあることはすぐ分かると思います。つまり1段昇るのを1歩目〜8歩目のどこにもってきても良いからです。15のパターンは上に上げた1つのパターンしかありません。

さて8歩や15歩と同じように、9歩〜14歩でもこのように「1と2の組み合わせ」で15になるパターンがいくつあるのかを考えれば、この問題の答えが見つかりそうです。

とりあえず、プログラムを使って超強引に解いてみます。超強引とは15歩〜8歩、つまり1と2の数が15個〜8個の足し算に対して答えが15になるパターンを数えていきます。

def ListSum(L):
t = 0
for i in L:
t += i
return t
def PlusOne(L):
L[0] = L[0] + 1
for i in range(len(L)):
if L[i] == 3:
L[i] = 1
L[i + 1] = L[i + 1] + 1
def Kaidan(Dan):
hit = 0
for j in range(Dan,int(Dan - 0.5) / 2,-1):
L = [1] * j
flg = 1
while flg:
sum = ListSum(L)
if sum == Dan:
hit += 1
if sum == j * 2:
flg = 0
if flg == 1:
PlusOne(L)
print hit
if __name__ == '__main__':
Kaidan(15)

解法、プログラム共に全然エレガントじゃない(笑)。しかも実行してみると分かると思うけど、20段くらいで使い物にならない速度です。

速度が遅い原因は「ありえないパターン」についても調べまくっているからであると思う。ありえないパターンとは、例えば8歩で昇るパターンの場合、1が2つ入ることはありえない。1が1つじゃないと15まで届きませんからね。

この辺を考慮して、次回改善策を披露します。

他の人は数学的に解いてるなあ…

番組のホームページは以下。「99.9%は仮説」の著者、竹内薫氏も出演している模様。
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/komanechi/index.html

大竹文雄「経済学的思考のセンス」

経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)

経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)

またまたDanさんのエントリ見て本を買ってしまった(その影響で新書にはまってるし)。あまり人の書評読みすぎるのも良くないかな、と思いつつも今回も有意義な読書が出来た。

本書は「経済学的に考えるとはどういうことか」について述べた本である。身近な例を用いてその考え方を解説しているので、手軽にその考え方を飲み込めるだろう。ただ筆者は「非経済学的思考とはどういうことか」について述べていない(と思う)。筆者がもしも経済学的思考を世の人に普及したいと思うのであれば、非経済的思考がもたらす(または既にもたらした)状況などを解説すべきだったのではなかろうか。例えば「選挙時などに、安易に増税に反対していいのか?」、「貧しい国への募金はどこに消えるのか?(これなんか本書のメインテーマにも合致)」というようなテーマを取り挙げることで、経済学的思考を学ぶ「インセンティブ」をより提示できるのではなかろうか。

以前エントリでも書いたが「(経済学的には)正しいが、感情として受け入れがたい」、逆に「(経済学的には)正しくないが、感情として受け入れたい」というような事柄は山ほどある。この「論理と感情の壁」を乗り越えるための考え方を手に入れる為にも、本書のような本が世に浸透することを願いたい。

とにもかくにも、買いの一冊だと思う。そういえば本書を読んでて下記の本を思い出した。また読みたいと思ったけど、もう手元にないみたい。あれ、ブックオフったっけか?

エコノミスト 南の貧困と闘う

エコノミスト 南の貧困と闘う

  • 作者: ウィリアムイースタリー,William Easterly,小浜裕久,冨田陽子,織井啓介
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2003/07/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 3人 クリック: 84回
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竹内薫「99.9%は仮説」

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

人はすぐ科学的根拠を求めがちである。それゆえに、意味も分からない専門用語を並べられたり、医者や教授などという肩書きの付いた人間の発言だったりすると、「科学的根拠がある」と信じ込み、ある商品や方法論を盲信してしまったりする。もしかすると科学を分かっていない人ほど、科学的根拠うんぬんの説明に弱いのかもしれない。

本書は世の中の色々な事象を例にとり(例えば飛行機が飛ぶ原理)、あえて「科学的根拠のなさ」を挙げながら「科学的に考えるとはどういうことか」について紹介した本である。タイトルにもあるように「仮説」というのが最重要キーワードであり、「如何に世の中が仮説で成り立っているのか」ということが読後には分かるようになっている。「科学」と聞くと拒否反応を示す方もいるかもしれないが、本書は非常に平易な内容である(著者もそこは気を遣ったことだろう)。あくまで「思考法」がテーマである。

著者は「科学史」を学ぶことの重要性についても言及していた。確かに現在学校教育にはそのように呼べる内容を何一つ教えていない(もとい僕は教えられなかった)。ある仮説が生み出された歴史的背景、それまでまかり通っていた仮説、それを信じていた人達が考えていた世界、それらを学ぶことにより、「いま自分達が学んでいることも、いずれ崩れ去るものかもしれない」というダイナミズムを感じることが出来るだろう、というような主張か。またそれを「自分にもそれを崩すことが出来る」という精神の芽生えも期待できるかも。「力学はニュートン。世界はこうなっている。はいじゃあ次は原子物理」的な授業ではやはり「疑う力」は育ちませんよねぇ。

最後に一つ。本書の最後に「マイナスイオンうんぬん」の科学的根拠の無さが、科学関係者の中で笑い話になっているというような話があったが、では科学関係者は「ブラシボー効果」についてはどのようにお考えか。ちょっと聞いてみたいと思った。

林義正「世界最高のレーシングカーをつくる」

世界最高のレーシングカーをつくる (光文社新書)

世界最高のレーシングカーをつくる (光文社新書)

まず「惜しい」と思った。著者が持っている経歴や実績は、おそらく他の本の著者に比べて圧倒的に面白いものだと思うが、著者の筆力がそれに着いていっていないという印象を受けた(特に最初の方)。生意気言って申し訳ないが、素直な読後感はそれである。僕が車やエンジンに関する知識を少しも持ち合わせていないことを差し引いても、少し読みづらかったように思う。

しかしながら、既に述べたとおり著者の今までの実績をただ読んで知るだけでも相当の価値があると個人的には思う。特に自動車という日本が得意とする工業分野で、どれだけのブレークスルーが起きているのか、を素人が知る一つの良い機会になるだろう。著者が試したい先端技術を反対した上司に対する批判も気持ちがよく、この辺から著者の人間性が窺い知れるのも面白い。大胆かつさっぱりと批判や反論の出来る人物であろう。

しかしどこかに、流体力学とデザインの関係について解説した本はありませんかね。レーシングカーって何であんなにカッコよいのだろう。

芳沢光雄「数学的思考法」

数学的思考法―説明力を鍛えるヒント  講談社現代新書

数学的思考法―説明力を鍛えるヒント 講談社現代新書

連休と言えば読書、旅行と言えば読書。連休中に旅先でする読書は格別だと思う。知らない街のお洒落なカフェや、すがすがしいビーチでする読書は何にも代え難い。

さて連休中に読んだ本書だが、これもdanさんのentryを読んで購入したもの。どうもこういう数学の本が好きみたいで、タイトル見た瞬間から「買い」と思ってしまった。

本書はビジネス書にありがちな「数学的に論理を組み立てるには…」というようなハウツー本ではなく、現在の数学教育の持つ問題点を指摘しながら「このように数学を学んでいれば数学的な思考法が身につき、理系文系問わず、日々の生活の中で(仕事も含めて)数学的な思考法が役に立つ」というようなことを解説している本である。著者がもっともこだわっている(と個人的に感じた)「証明問題」に関しても、「粘り強く試行錯誤を繰り返すこと」の重要性を考えるうえで一つの良いトピックだと思う。社会人になって最も大事だと思った「粘り強く考えること」の重要性がこの本でも指摘されてて嬉しく思った。すぐ答えを求めがちな新社会人には、是非一読して欲しい部分である。

本書の読後感想として「学生の頃こういう本に出会っていれば…」的な意見はおそらく多数派だろう。僕自身もそのように感じなかったと言えば嘘になる。特に僕は高校時代に一度数学に挫折しており、その挫折感を引っ張ったまま大学に入学した為、理系だと名乗るのが恥ずかしいほど数学が苦手である(よくも受験に成功したものだが)。ただ僕は「学生の頃に…」的な意見を述べるにはまだ若すぎる年齢だ。今からだって十分数学はやり直せるのである。僕は数学的な思考法が出来る人間になりたいが、本音を言えば「数学が出来る人間になりたい」と思っている。数学に対する畏れと憧れは人一倍持っている僕だからこそ、本書の内容はとても身に染みた。もう一度数学を学びたい、そう思った。

二十代の皆さん、まだ何を始めるにしても早過ぎるくらいですよ。

Cairns, Australia

キュランダ鉄道

I’m in Carins. This place looks like Hawaii, but it doesn’t have nice weather.

My wife and I are moving to Ayers Rock tommorrow.

Pictures will be uploaded after I get back.

See you!

追記:

はじめて海外からブログを更新してみた。これは日本からの追記分。

ケアンズでは天気に恵まれなかったことも災いしてか、あまり印象に残る街ではなかった。ショッピングに勤しむアジア人がたくさんいて、綺麗な海があることから「ハワイっぽい」という予想をしていたが、やはり気候が違う。ハワイのあの馬鹿みたいな気候の良さはケアンズには無い。そしてなによりケアンズには良いビーチが無い。グレートバリアリーフは船に一時間ほど揺られないと辿り着けないらしいので「それを見ながら何時間も過ごす」というような場所ではない。ケアンズの波打ち際は灰色の海で、なんだか寂しげである。「海の一番の贅沢な使い方はビーチで読書」な自分にとってはこれは辛いものがあった。

ただキュランダにRainforestを見に行ってきたけど、それはまずまず楽しい旅になった。19世紀当時最高の土木工学を駆使して造られた鉄道に乗りながら、うとうとと眠りにつくのは何とも言えない快感だった。

しかしこの鉄道、「世界の車窓から」のタイトルに使われたほど有名なんですってね。知らなかった。

佐々木俊尚「グーグル Google」

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501)

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)

いわゆる梅田本「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)」を上司に読ませるために何冊も購入したとかいう話をどこかで読んだが、むしろこっちの本の方がその役割に適しているだろう。取り扱われている内容が身近というのもあり、Amazonで本を買ったことのないお父さん、お母さんでもグーグルというかネットが社会に及ぼしている影響をしっかりと理解してくれるに違いない。上司には「ロングテールなんて言葉は覚えなくいいから、羽田空港の駐車場の話を読んでくれっ」てお願いしたい人もいるんではなかろうか。
しかしこの本、ネットの話題なのに佐々木氏の脚で稼いだような泥臭い文章が良い。これは梅田本にはないところ。逆に梅田本における、今ネットの世界で起きている現象を理論的に整理し尽くしてしまったようなスケールの大きさはない。
佐々木氏の文章は単純に「もっと読みたい」と思ったので、氏のブログを早速アンテナに追加させてもらった。

新聞とCDを止めてみよう

こんなことは普通にやっている人がいることは百も承知だが、ネットの世界にまた一歩ぐっと踏み込むため、4月いっぱいで新聞の購読を止めました。併せてGoogle Newsのアカウント取得とページのカスタマイズを行いました。英語の記事もページに織り交ぜられるし、自分で指定したキーワードに関するニュースを表示してくれるのは非常にありがたい。
さらなるプロジェクトとして、持っているCDをiTunesに取り込んでしまおうと決心した。学生時代に溜め込んだCDもなんだかんだで大分減ったが、それで300枚くらいはありそうだ。結構時間の掛かる作業になるだろう。
こうしてグイグイとリアルの世界ものごとがPCやネットの世界に取り込まれていく。世界規模で起こっているこの現象は、一体どこに辿り着くのだろう。そして自分はそのとき、どうしているのだろうか。とりあえずは新聞とCDを移行しながら考えようと思う。