村上春樹「やがて哀しき外国語」

やがて哀しき外国語

やがて哀しき外国語

村上さんのエッセイは大分読んでいるのせいか、どこかで聞いたことがある話が多かったように思う。でもそういう意味では村上さんらしさ溢れる一作であるとも言えるのではないか。

最近自分の中の「日本人的感覚」とでも呼ぶべきものを強く意識するようになった。外国に住むという経験(半年だけだが)の中で、日本人的感覚に気付き、ある意味嫌悪し、諦め、そして誇りを持つという段階を経てきた。村上さんのようにもっと長きに渡って日本人的感覚が通用しない世界に属していると、どのように日本人的感覚への想いが変遷していくのか。本著を読みながらそのような疑問を持った。

マラソン大会のアンケートの話は爆笑でした。