安保理が議長声明を採択したことによって、世界が随分とわかり易い方向に動いてしまった。この採択によって、イランが譲歩する可能性が高くなるとは思うし、平和的にこの問題が解決する可能性は高まった。だがこの問題は結局イラン、さらには中東全域で燻る火種へと変化していく。米国はリスクをどんどん積み増していることに気付くべきだろう。あの同時多発テロを忘れたのであろうか。
・NIKKEI NET「麻生外相、電話協議でイランにウラン濃縮停止求める」
麻生太郎外相は31日、イランのモッタキ外相と電話で協議した。イランの核問題を巡る国連安全保障理事会の議長声明について「重く受け止めてほしい」と述べ、ウラン濃縮活動の即時停止を求めた。モッタキ外相は「平和利用が目的だ」と従来の主張を変えなかった。 (07:01)
日本は当然安保理の採択に乗っかった。まあ至極当然の話だろう。
この問題で一人冷静な意見を口にしているのは、IAEAのエルバラダイ事務局である。
・中国新聞「「差し迫った脅威でない」 イラン核でIAEA局長」
【カイロ31日共同】国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は30日、カタールの首都ドーハの会議に出席し、イランの核問題について「差し迫った脅威ではない」と述べ、制裁措置は時期尚早との考えを示した。
しかし安保理には、米国とインドの関係への批判の同時に発表してもらいたかった。これじゃ何のために安保理があるのか分からん。