大竹文雄「経済学的思考のセンス」

経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)

経済学的思考のセンス―お金がない人を助けるには (中公新書)

またまたDanさんのエントリ見て本を買ってしまった(その影響で新書にはまってるし)。あまり人の書評読みすぎるのも良くないかな、と思いつつも今回も有意義な読書が出来た。

本書は「経済学的に考えるとはどういうことか」について述べた本である。身近な例を用いてその考え方を解説しているので、手軽にその考え方を飲み込めるだろう。ただ筆者は「非経済学的思考とはどういうことか」について述べていない(と思う)。筆者がもしも経済学的思考を世の人に普及したいと思うのであれば、非経済的思考がもたらす(または既にもたらした)状況などを解説すべきだったのではなかろうか。例えば「選挙時などに、安易に増税に反対していいのか?」、「貧しい国への募金はどこに消えるのか?(これなんか本書のメインテーマにも合致)」というようなテーマを取り挙げることで、経済学的思考を学ぶ「インセンティブ」をより提示できるのではなかろうか。

以前エントリでも書いたが「(経済学的には)正しいが、感情として受け入れがたい」、逆に「(経済学的には)正しくないが、感情として受け入れたい」というような事柄は山ほどある。この「論理と感情の壁」を乗り越えるための考え方を手に入れる為にも、本書のような本が世に浸透することを願いたい。

とにもかくにも、買いの一冊だと思う。そういえば本書を読んでて下記の本を思い出した。また読みたいと思ったけど、もう手元にないみたい。あれ、ブックオフったっけか?

エコノミスト 南の貧困と闘う

エコノミスト 南の貧困と闘う

  • 作者: ウィリアムイースタリー,William Easterly,小浜裕久,冨田陽子,織井啓介
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2003/07/01
  • メディア: 単行本
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