
- 作者: 榊原清則
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/10/06
- メディア: 新書
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著者はロンドン大学ビジネススクールの準教授であったようだが、その著者が何人かのヨーロッパビジネスマンとのインタビューを通して、日本とヨーロッパのキャリア戦略の違いについて考えるという内容。インタビューは年齢層により分類されていて、
- キャリア初期(二十歳代〜三十歳代前半)
- キャリア中期(三十歳代半ば〜四十歳代全体)
- キャリア後期(五十歳以降)
となっている。著者は特にキャリア中期以降の人間に重きを置いて解説している。
本書を読んだ僕の「ヨーロッパビジネスマン」の感想は、著者と同じで「ヨーロッパ人はしぶとい」である。著者の仕事の関係上、インタビューの対象者が向学心の強い優秀な人間に偏ってしまったのは事実であると思うが、それでも日本のキャリア中期以降の人間に、この「知的レベルの向上」への飢え、感心、理解を持っている人がどれほどいるかと考えると、やはり欧(もしかしたら米も)よりもやはり少ないのではないかと考えてしまいます。
例えば日本には、欧米のように比較的簡単に「学校に戻る」といったことが出来る仕組みもまだまだ足りないし、それに対する社会の理解も少ない。こういった現状を変えることが、日本経済にとって有益なのかは僕には分からないけれど、やはりいくつになっても向学心を捨てずに学んでいる人間を「キラキラしているなぁ」と感じてしまうのは正直なことだし、日本にももっとそういう人が増えて欲しいと思う。ついでに「ギラギラしているなぁ」という人ももっと増えて欲しい今日この頃。
ちょっと転職本っぽいタイトルだけど、長期的視野を持って自分のキャリアを考えたいという人が読むと良いと思う。
しかしこの著者、有名人なのかWikipediaに項目が作られていた。