
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/11/01
- メディア: 新書
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新書を読み出してから書評が追いつかない…まあ一時間とかで読めてしまうからね。頑張って書いてこ。
また数学系の新書を読んでみた。本書は確率という側面から世の中の色々なことを考えてみた、という内容。本書は例えば、
- 保険ってギャンブルの一種ということに気付いていない人
- 数だけで納得してしまい、割合を考えない人
- データを平均だけで考えてしまい、分散を気にしていない人
などなど、確率を知らないことによる「数字の罠」にかかってしまいがちな人々にとっては為になる本である。また人間の感覚と、現実世界の確率の「差」などについても、イメージし易い例を使って解説されている(例えば車より飛行機は安全なのに、なぜ飛行機が怖いのか)。世の中の色々な現象を、確率という側面から「より効果的に」見ていこうと企む本である。
テレビを見ていると、世の中本当に確率的思考を必要としている人は多いと思うので、是非たくさんの人に読んでもらいたい。例えば「社長の出身大学で、一番数が多いのは日本大学です」と聞いて「一番割合の多い大学はどこですか?」と突っ込む、「なんと、このグループの平均年齢は14.5才!」と聞いて、「標準偏差は?」と突っ込む、「○○商事の年商は500億円です」と聞いて、「利益率はおいくらなんですか?」と突っ込む(ちょっと違うか、この例は)。そんな人々が増えるといいなぁ。
しかし、人間の感覚と実際の確率に大きな相違が生まれるのであれば、そこには同時に金儲けのチャンスが生まれるということになる。あまりそういう方法でお金を儲けるのは好きではないが、そういうのが好きな人は学んでみても良いんじゃないかな。