上の文章は少し大袈裟だとは思いますが、インキュベーション事業(起業支援事業)を行っている当社としても、二十代や三十代の「使い方」は非常に大切であると考えています。
「二十代」でググッたら引っかかった文章。どうやら大前研一氏の即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)に対する書評らしい。以下の文章が印象的だったのでちょっと引用。
「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」の差は何かというと、人生計画を「足し算」で考えているか、「逆算」で考えているか、という違いが大きいと思います。
「スペシャリスト」は、人生を逆算して考えています。35歳までに独立すると決め、そのためには今は何をすべきかを常に考えています。そして実行に移しています。
「ゼネラリスト」は、人生を足し算で考えていますので、このまま行けば35歳で年収800万円かな? というような空想しか描けません。行動力もありません。
例えば三十台前半で「何がしかのスペシャリスト」になる為に、まず二十代は様々なことに真剣に取り組んでみる。二十代を「まずはやってみる」時期と規定しよう、というのが一応当ブログのテーマ。物理現象で例えてみると、二十代は「振幅」のすごく大きなグラフだけど、だんだんその振幅が小さくなってきて、三十台半ばくらいから一つの軸に収束していくという感じかな。この「振幅を最初は大きくしておこう」っていうのは結構ポイントだと思っている。引用した逆算理論は非常に正しいと思っているのだが、中にははじめから逆算しすぎていきなり振幅の小さなグラフになろうとする若者がいるのも事実。まずは色々と本気出して取り組んでみた方が、より自分がどこに収束すべきか見えてくるだろう、と僕は考えます。
ちなみに日本では「スペシャリスト」と言っても「社内のある業務のスペシャリスト」に向かってしまう人が多く、それはそれで重宝がられる人間なんだけど、ちょっと若人が描いているイメージとは違いますよね。これも振幅が大きな段階では経験しておいても悪くないだろうけど。
しかし話は逸れるが、大前氏は良くも悪くも変わらない人である。彼の著作を何冊か読めば気付くことだが、世間というか日本のビジネスパーソンに対してひたすら同じ事を言い続けている。氏のメッセージはビジネスパーソンであればすべからく吸収しておくべきだと思うが、内容もあまり変わらないし、僕は何冊か読んだ時点で一度氏の書籍からは距離を置いている。そろそろまた一冊読んでみようかな、と思ったりもするのだが、即戦力の磨き方 (PHPビジネス新書)はそれに適した内容だろうか。