My Life Between Silicon Valley and Japan : 「文藝春秋」8月号
7月10日発売の「文藝春秋」誌に、僕のロングインタビューが掲載されています。
題して「グーグルを倒すのは’75世代だ」です。
早速読んだ感想、というかツッコミを。
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pp.296
ソフトバンク・インベストメントCEOの北尾吉孝さんは、全社員必読と推薦してくれているそうです。
「へぇ」と思わず口にしてしまった。主な事業内容を知らないのですが、その名の通り投資業をされているのであれば、今後の投資対象企業を見定める上で、ということなのだろうか。
pp.298
グーグルは自らのミッションを「世界中の情報を組織化し、それをあまねく誰からでもアクセスできるようにすること」と定義して、”世界政府”が開発しなければならないはずのシステムは全部自分達で作ることを目指しています。
グーグルが「情報を組織化している」とか「情報を整理し尽すことを目指している」とかいう話はあくまで「技術的に、グーグルのサーバーの中に」という話であって、一般のユーザーに意味ある情報の整理というのは、はてなブックマークをはじめとするソーシャルブックマーク的なサービスだと思う。なのでグーグルのミッションを、あまり詳しくない人に説明するときは何らかの翻訳がいるのではないですかね。
pp.298
世界で何が起きているのかを知りたければ新聞を読み、『文藝春秋』をチェックすればよかった。
よく知らないんであれなんですけど、これって気を遣って名前を挙げているんですよね?それとも文藝春秋って情報ソースとしてデファクトだった時代があったんでしょうか?まじめに分かりません。
pp.300
教養として、ネットで何が起きているか、時々見ておく。その程度でいいのだと思います。
「ネットで何が起きているかを時々見ておける」というのは、ネットリテラシーとしてはかなり高いレベルだと思いますよ。無理してネットしない団塊の世代なら、想像するにYahoo!ニュース止まりの方が多いのではないかと…。そういう意味で、こちらで提唱されている「はてなの二階建て化」のような動きが出てくれば、上の世代の人もすんなりネットに入れるかな。「はてなもみじマーク」(あるいは初心者マークでもいいか)みたいな機能を作成して、それをつけているとUIがべらぼうに簡単になったりすると良いかも。携帯電話にも類似機能はありますね。
pp.300
ジャーナリズムのような客観性がなく、共感で結ばれているようなブログを通したネットワークは、政治に利用される可能性がないでしょうか。
これはインタビュアーからの質問。「客観性」という言葉をどのように解釈するかによるだろうが、既存のジャーナリズムこそ客観性を持たず、ブログは客観性を持っているというのが僕の意見。ブログのひとつひとつに客観性があるというのではないが、全体として見れば一番客観的なメディアだろう。売上や第三者との利害関係にも影響されていない文章な訳だし。梅田さんもこの件に関してはかるく反論している。
pp.303
最近、若い人には「大学を卒業してすぐに旧来型の大企業に入るな」と言っているんです。起業してもいいし、勢いのある創業期の小さな会社に入るのもいい。
僕が思うに、卒業してすぐの就職先に従来型大企業ではなく、ベンチャーを選ぼうというならば、「大学卒業までに何かしらについてある程度の専門性を持っていること」を条件とした方が良いと思う。将来「起業」というのであれば話は変わってきますが、ベンチャーはとにかく何も整っておらず、なおかつ何でも自分でやらなければならない為、「専門性を身に付けよう」と思っているなら向かない部分がある。今現在何も専門性を持ってないのであれば、従来型の大企業からそれ盗んだ後にベンチャーに参画するという方が正しい気はしています。勿論初っ端からキャピタルゲイン取得を目指すという方もいらっしゃるとは思いますが…。
あと最後になんですけど、このタイトル「グーグルを倒すのは’75世代だ」があまり適切でないような気がしました。最後にちょこっと出てきた話題のように思えたので。