
- 作者: 安倍晋三
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/07/21
- メディア: 新書
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こんな時期に本を出すと、「安倍晋三、総裁選を前にマニフェストを発表か」なんてマスコミに書かれちゃいそうですね。
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安倍晋三という人間はどのような環境の中でどのように生きてきて、そしていま何をどのように考えているのあか。そんなことを纏めた氏の初の単著となる本である。簡単な感想としては「安倍さん、意外と読ませるじゃん」というところ。まあ岸信介元首相の孫、安倍晋太郎元外務大臣の次男として生まれた人間が昔話のひとつもすれば「面白くない」ということはないだろうが、それでも氏は中々筆力がある人間だと感じた。
総裁選の話を持ち出さなくても、今氏が置かれている立場は非常に着目すべきものがある。北朝鮮、日米安保、集団的自衛権、その辺りのどのようなテーマを持ち出しても、氏が関わっていない分野はない。特に日米安保に関連した日本の防衛問題については、祖父岸信介からの時代の流れを考えると、氏が今総理になろうとしていることに運命を感じずにはいられない。そういう面白い人なのである。だから本が面白くないわけない。買いの一冊です。
なんかおカタイ話が書かれていると思う方もいるかもしれませんが、特にそういうことはありません。氏が最近見た映画の話なんかも端々に入れながら、氏の思想について平易にかつ分かり易く書かれています。理由はよく分からなかったけど、東京オリンピックの話にすこしじーんとくるものがあった。東京オリンピックってさ、ホントすごいことだったんだよね、としみじみと感じたからかなぁ。
「これは政策提言を目的とした本ではない」と氏は後書きで述べていますし、それは本当だと思います。ただ人間の行動指針、これは仕事の進め方とかも当然含まれるだろうけど、はその人がどういう風に育ってきたのか、そういうことで決まると思うんです。であれば、ここに書いている内容は、安倍さんの行動指針の礎となっているものだろうし、いくつか書かれている「提言っぽい」内容は、やっぱりあなたが首相になった後、実現されていくものだろうなあ、って思います。教育改革には特に期待しています。