
- 作者: 竹内薫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/09/07
- メディア: 新書
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「物の理を学ぶ」が「物理学」だから、現代物理学は言うなれば「事理学」ということなのだろうか。
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僕の力不足であるが、本書の冒頭で薫先生が「文系の読者も対象に」という宣言をしているものの、今回は用語の「記憶」だけに留まった。「用語の理解だけに留まった」でもなく「記憶」だけ。
本書を読んでぼんやりと分かったことは、
- 現代物理学では、どうやら今まで我々が信じ込んでいた概念が崩れつつあるらしい
- 「モノ」ではなく「コト」に着目することが大事らしい
- 観測点が動いていることを考慮に入れると、我々が一般的に持つ感覚とは矛盾してくるらしい
- 「実在論」と「実証論」という争いが物理学にはあったらしい
くらいだろうか。いずれ似たような分野の読書をした際、再度本書に目を通すことになるかもしれない。
さて本書の「おわりに」にて人間の脳の話が出てくるが、結局物理学というのも最終的には人間の脳を知ることに繋がるのだろうか、と考えた。我々が学ぶニュートン力学も、相対性理論も何もかも、我々の脳が世界をどのように認識しているのかを解析していることに過ぎないからだ。マウスが素数を認識できないように、我々の脳にも認識の限界がある。世の森羅万象に関しての我々の脳の限界を知ることが、すなわち物理学なのかもしれない。