
- 作者: 光原百合
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/06
- メディア: 文庫
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先日ドラマ化されたものを拝見し、ちょっと興味が湧いたので購入。四作品が納められた短編集。若い女性が好むような話な恋愛モノが中心かと想像していたが、なんと四作とも男性が主人公。年齢や設定もばらばらだが人物の描写も良く、予想を裏切られた面白さだった。
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一作目の「十八の夏」がドラマ化された作品。多くは触れないがテーマは「激情」というところか。四作品の中でももっとも激しい作品となっている。二作目の「ささやかな奇跡」は心温まるハートフルな物語。過去の描写など哀しい部分もあるが、読後感は必ず温かいはず。三作目の「兄貴の純情」は四作の中ではお笑い担当。著者も後書きで「書いていてもっとも楽しい人物だった」と語る「兄貴」のキャラクターが実に言い。そしてその兄貴を冷静に観察する弟。人物描写が必見です。そして最期の「イノセント・デイズ」はちょっとミステリーの匂いもする物語。四作の中では一番ボリュームを感じる作品に仕上がっている。
たまにこのての本を読むのも楽しい。特に最近は技術書三昧だったので、良い息抜きになった。