村上春樹「もしも僕らのことばがウィスキーであったなら」

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

読書記録が続いているが、今度は村上春樹氏のエッセイ。読後、美味しんぼのウィスキーの話読んだとき依頼、ウィスキーが飲みたくなった(本当は飲めないが)。

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村上春樹氏と奥様が、アイルランドとスコットランドを巡り、地元のパブやバーで飲んだウィスキーのこと、ウィスキーを製造している人々や出会った人々のこと等を綴ったエッセイ。短いだけあって値段も500円以下とお得。
そんな簡単に考えちゃいけないんだろうけど、旅をして、それを文章に纏めることが仕事になってしまうというのは単純に羨ましい。勿論せっかくの旅を文章にまとめなあかんなんて、そんな無粋なことしてたまるかっ、と考える方もいらっしゃるだろうが、個人的には何か自分の見たもの感じたものを文章に纏めるというのは好きだし、尊い行為であると思う。
村上氏がそういった行為を仕事として「こなして」いるのか、あるいは僕のように尊い行為であると思っているのか、それは分からないけれど、このエッセイも彼の文章らしく読ませるものがある。
ただひとつ感じたこととしては、奥様が撮られた写真と文章の「明るさ」にギャップがあったと言いますか、文章から感じられた明るさっていうのは、時刻で言えば夕方くらいなんですけど、写真はそれよりずっと明るかったなぁ。まあ、旨い酒の前ではそんなことなんでもないことなのだが。