韓国の英語教育について現地で話を聞けた

韓国の英語教育熱が凄いという話は、新聞やテレビなどで何度も目にしたことがある。ググってみても色々な記事が見つかり、隣国の英語教育についての我が国の関心の高さが伺える。
韓国の英語教育について、現地のガイドさんから貴重な話が聞けた。

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まず韓国の優秀層の学生は大学に5年間通うことが当たり前になってきているようで、これは大学4年間+留学1年間ということのようだ。途中で大学を休学する形でアメリカなどに飛び、そこで英語を見に付けてしまうという訳である。実際に僕がアメリカで英語を学んでいたときも、僕を始めとして日本人は大学を卒業してから来ている人が多かったが、韓国人はほとんど大学生だったような記憶がある。
また最近では小学校低学年のとき、2、3年英語留学させるという方法も流行っているらしい。発音や会話の吸収が比較的早い年齢、かつ親の言うことを素直に受け入れて勉強してくれる年齢のうちに大事な英語をマスターさせてしまおうという腹積もりのようだ。これは日本ではまったく見ないケースだし、個人的にも抵抗感のある方法のように感じる。この手法はまだ最近始まったばかりで、効果の程は後々分かるだろうが、韓国という国の大胆さが窺える思い切った手法だ。
なぜ韓国人がここまで英語を勉強するのか。これは答えは簡単で、企業がそれを求めているからであるようだ。韓国の就職人気ランキングの上位に来るようなサムスン、現代自動車、LG電子などはTOEICやTOEFL等のペーパーテストは勿論のこと、英会話の能力も入社時点で求めるというのである。これには驚いた。日本にて大学生が企業に新卒で入社しようとするとき、もともと英語力を見に付けていることを求められるケースは稀だろう。英語力が必要な場合でも社内教育で何とかしようという企業が多いと思うし、学生側もそれを期待して学生時代に英語を見に付けようという意識は低い。この差は非常に大きい。
日本の英語教育のと韓国のそれはよく比較の槍玉に挙げられる。個人的な感想としては、今の10代の若者が経済の中心となる時代には、かなり大きな英語力の差が両国に出るのではないかということ。実際韓国語のよく出来ない僕と奥さんに対して、コーヒーチェーン店やレストラン等で流暢な英語で接客してくれた若者に何人かあった。勿論全員が全員英語が出来るということはなかったが、中国同様、貪欲に英語を吸収していく韓国人のパワーを垣間見た気がする。