CNET Japan Blog – 江島健太郎 : グーグルが無敵ではないことはエンジニアだけが知っている
チャットはただのチャットだとみんなが思っているけれど、ぼくはチャットが検索と同じぐらいウェブのコア・ライフスタイルのひとつになるということを本気で信じている。
これ読んで、僕がインターネットを始めた時代の最大の疑問を思い出した。
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僕はもともとパソコン通信にどっぷり使っていた人間で、NIFTY SERVEにもう夜な夜なのめり込んでいた。当時ダービースタリオンの大ファンだった僕は、その辺のゲーム雑誌よりも遥かに高いレベルで物事が進んでいるNIFTY SERVEに最新の情報を掲示板などに求めていたんだけれど、最終的に居つくようになったのは、いくつかの常連達と繰り広げる「チャット」の世界だった。ここでのチャットは本当に面白かった。最初は勿論ダビスタの情報を求めてチャットしていたりとか、ダビスタ界の大物達と直で意見を交わせることに興奮を感じていたりなんてことが面白かった訳なんだけど、最終的には常連達の間に出来上がった奇妙な連帯感というか、ネット上での濃密なコミュニケーションというか、そういうリアルの世界では感じることの出来ない新しい感覚が楽しくてチャットを続けていた。ダビスタ以外のフォーラムに出入りすることは少なかったが、どこのフォーラムに入ってもみんなチャットを楽しんでいたものだ。当時は高校二年生とかだった僕なんだけど、チャットにはまるあまり月の電話代がウン万とかになってしまい、親に激しく怒られた記憶も今となっては懐かしい(後にテレホーダイという11時以降格安になるサービスに加入しましたが)。
で僕がチャットに嵌っていたのが日本のネット元年と言われる1995年だった。当然当然チャット内でもインターネットが話題になることが多かったのだが、まだその頃は「絵が見えるパソコン通信だろ」くらいにしかみんな思っていなかったし、eメールだって使えたし(当時は電子メールと読んでいましたが)、初期導入コストが結構高かったのであまりインターネットには飛びつかなかったような気がする。少なくともチャットルームの常連達に素早い動きはなかったという記憶がある。
そしていよいよ僕もインターネットに居を移すときがやってきた。もともと大学に入学し、NIFTY SERVEはやらなくなっていたのだが、やはりインターネットに最初に触れたときはNIFTY SERVEを比較対象にしながらいじっていたように思う。そして最初に思った疑問はこれだった。
「あれ?インターネットでチャットするときはどこにいけばいいのだろう?」
まだYahoo!すらも知らないときの僕の素直な感想である。当然インターネットに繋いだらチャットをやるものだと思っていた。ホストコンピュータにみんなが繋げるパソコン通信とは違い、相互接続になるだけだと思っていた。写真や絵が出るだけだと思っていた。その僕が考えた非常に単純な疑問が上記だったのである。
インターネットへの人の関心の中で、チャットというのはおそらくメジャーなものではないだろう。少なくとも僕の関心はチャットに向けられることはなかった。インターネットにはパソコン通信には無かった面白いことがたくさんある訳だし、そちらに興味が行ってしまっただけという見方も出来るけど、あれだけはまったチャットをあっさりやらなくなってしまった理由がどうも分からないのだが、その理由を江島さんのエントリを読んで一度しっかり考えてみようという気になった。そして試しにLingerでもやってみようかと思う。チャットがネットの中でどのような位置でどのような役割を果たしていくのか、もしも江島さんの千里眼が正しければ要注目である。