
- 作者: 久石譲
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/08/01
- メディア: 新書
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宮崎アニメや北野映画、最近ではサントリーの伊右衛門のCM音楽などでおなじみの作曲家である久石譲氏による新書。ちょっと立ち読みで興味が湧いたので購入してみた。
タイトルは「感動をつくれますか?」と、いかにもエンターテイメント産業を志す人向けの本のようなものだが、内容自体は「どのように仕事を進めるか?」という至極まともな内容というか、この久石さんという方は非常に論理的な思考をする方であると推測できるのだが、作曲家という自分の仕事についてかなり分析的に考えているようだ。例えば作曲家とか芸術系の仕事だと、曖昧に「センスがある」とか「感性が鋭い」とか評して、なんとなく回りもそれで分かったような気になってしまうけれど、氏はもう一歩きちんと突っ込んで考えているという印象を受ける。
氏がミニマルミュージックからエンターテイメントミュージックの世界に方向変えしたのも、マーケティングでいうところの「プロダクトアウト」から「マーケットイン」という考えの転換であろうし、ビジネスパーソンにとっても勉強になる一冊である。もちろん音楽や映画に関わる人間や、エンターテイメントの世界を志す若者にとっても示唆に溢れる内容となっているので、「ヒットメーカーとはどのような思考の持ち主であるか」をチェックしたいと思ったらお薦めでございます。