NHKも視聴率をとらなければならないのだろうか

昨年末の紅白歌合戦において、ひとりの出演者の衣装が適切でなかったという苦情がNHKにあり、正式にNHK側が謝罪したとのことだが、この件に関してNHKの真意が分からない。

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NHKはそもそも民放の歌番組と同じように、このような音楽タレントを紅白歌合戦に出す必要はあるのであろうか。民放なら分かる。民法の絶対的な原理は高視聴率であるので、大衆受けする部分をテレビに出していく必要があるし、実際にそうしている。それは下世話でくだらないものである場合も多いのだが、彼ら民放がどういう論理でそういった番組を作っているのかというのは、少なくとも理解はできるのである。
しかしNHKの場合はまだ上手く飲み込めない。まず彼らにとって視聴率とはどの程度の意味を持つものなのであろうか。予算が組まれている公共放送なのであるから、視聴率を気にせず、本当に良いと思う歌手や音楽家を集め、ニッチ狙いの紅白歌合戦をやれば良いのではないかと思うがどうなのだろう。ここはひとつ大いに興味のあるところだ。
今回の問題について「今後は出演者側と事前に協議の上…」といったような発言がNHK側からあったようだが、これについても正直失笑してしまう。もしかして今後は音楽タレントに「大人しく音楽だけやってください」とでも言う気なのであろうか。彼らは音楽ではなくそのパフォーマンスや言動によって人気があるのであり、音楽家ではない。楽しみ方は様々なので、音楽ではなくそのルックスのかわいらしさや過激なパフォーマンスで人気になること自体は批判されることでは勿論ないが、音楽で勝負しているのではない人間を出演させておいて「過激な衣装はおやめください」などとお願いするのは、悪役レスラーをリングに呼んでおいて「子供がいるので正々堂々やってください」とお願いするようなものではないか。
僕個人としては、紅白歌合戦は抜本的に改革し、民放にはできない視聴率を度外視したの本当の音楽祭を志向して欲しいと思う。日本の年末に相応しいものになるであろう。