Chris Anderson「The Long Tail」

The Long Tail: Why the Future of Business is Selling Less of More

The Long Tail: Why the Future of Business is Selling Less of More

正直言うと中盤からかなり冗長な内容だったと思う。具体的に言うと同じ話が毎章毎章繰り返されているかのような印象を受けた。それもあって第5章くらいからはざっと目を通した程度。

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まずこの本はロングテールを知らない人向け、もしくはロングテールを知ってはいるものの、なにがしかの研究やら発表やらで具体的な例や数字が欲しい人向けである。僕はそのどちらにも当てはまっていなかったので冗長に感じたのかもしれない。ただロングテールという現象を、人間の経済活動の歴史の流れの中にうまくマッピングしているので、GoogleだiTunesだAmazonだという人々よりもむしろ経済や経済史を勉強している人々には興味深いのかもしれない。池田信夫氏の書評がそっち方面の方々には参考になるだろう。
「無限の棚」を安価なコストで手に入れることが出来るようになった現代。「富の分配」のモデルが大きく変わりはじめている。僕のこのブログですらスズメの涙ながらも広告費を稼いだりする。また才能あるクリエイターはもはやどこかの組織に属したり、何かの権利を手にしたりすることなく自分の才能の証を世界に向けて発信することも可能な時代だ。とまあそんな定型句なんぞどうでも良いのだが、チャンスの時代であることは確かだ。まだ「何も始めてない」という方があなたの近くにいれば「Jump in!(飛び込もう!)」と声をかけてあげてみてはどうか。なにせ彼らは既に世界へのチャネルを手にしているのだから。
そう言えばこの本とは関係ない話だが、はてなのはまぞうのインターフェースが変わっていた。言葉遣いなども一般向けになってきたし、楽天のAPIも実装したようなので今後は楽天の商品の紹介も可能だ。よく知らないけれど、楽天のアフィリエイトプログラムも存在するのであれば申し込んだほうが良いのだろうか。