- 作者: スコットフィッツジェラルド,Francis Scott Fitzgerald,村上春樹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2006/11/01
- メディア: 単行本（ソフトカバー）
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おそらく、というか間違いなく、この小説はもう何度か読まないと本当の良さは見えてこない。それは僕の極めて個人的な理由によるものだが。
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訳者である村上春樹氏はこの小説に強い影響を受けているようだが、本書を読むと「なるほどな」と思える。氏が小説の中で醸し出す世界観、特に抽象度が高い物語のときの世界観と本書の世界観には多く通ずる部分がある。氏の小説もこのグレート・ギャッツビーもまるで絵を楽しむのかのように、音楽を楽しむのかのように物語を楽しむべきなんだろうな、と思ってはいるのだが中々実行に移せず、というかやはりまだ物語の展開を楽しむ以上の読み方が僕にはできずにいる。
結果として冒頭に書いたように、本書の本当の良さは現時点では僕は見出すことは出来なかった。そういう意味で何度か読む必要があるんだろうなと感じている。何度か読むうちに前述したような読書の楽しみ方が出来るようになる保証はどこにもないが、少なくとも村上氏による後書きを読むうちに「せめてもう一回は読もう」という気になった。