鍵本聡「計算力を強くするpart2」

計算力を強くするpart2―思考の瞬発力を磨くために (ブルーバックス)

計算力を強くするpart2―思考の瞬発力を磨くために (ブルーバックス)

いわゆる暗算のテクニック本。本書を読むと、例えば二桁の掛け算とか、二桁以上の足し算などを有効に暗算する方法が得られる。それらの方法は言われてみれば当たり前のことばかりであり、簡単に式を変形することにより求められる公式の様なものばかりだが、普段人間は暗算をすることに対してそこまで情熱をつぎ込むことは少ないと思われるので、大抵の人は目から鱗的な印象を持つのではないだろうか。
個人的には暗算が出来る、暗算に強いというのは意味あることではないかと思っている。計算が早いということにそんなに意味はないかもしれないが、何かについて思考する際、計算が面倒くさくなって思考が中断されてしまうのは結構経験としてあると思う。すんなりと値を計算出来るとすれば、散歩中にたまたま思いついたビジネスアイデアの有用性を、その散歩中に検討するといったことが出来る。それは意外と大切なことなんじゃないかと思う。計算力にはそういう効用があると思っている。
正直に言うと、面白かったのは第1章のみであり、特に第3章や4章は無理矢理ページ数の為に付け足した文章なのではないかという印象を持った。まあ1章だけでは本として成立しない短さなのかもしれないが、内容はほとんどそこにある。そんな本だった。