
割り箸はもったいない?―食卓からみた森林問題 (ちくま新書)
- 作者: 田中淳夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05
- メディア: 新書
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なんとなくタイトルに惹かれて購入。感情的かつ扇動的な傾向を帯びている近頃の環境問題への取り組みをターゲットに書かれた本かと思ったが、あまりその色は濃くなく、むしろ割り箸の製法とかそういう話の方が頭に印象として強く残っている。
まあ割り箸に限らないし、環境問題にも限らないのだが、結局我々には全ての事象についてのデータを検証している時間もなく、また能力もなく(ある方も多数いらっしゃるとは思う)、結果として分かり易い構図に引き込まれていく。「割り箸→木製→使い捨て→今木が減っている→無駄遣いだ」という構図はとても分かり易いし、減っている鯨を食べている日本人は野蛮だ、という構図も非常に分かり易い。だからそういう活動に人が巻き込まれていくのは分からないのでないのだが、問題は一度そういうところで考えが凝り固まると、誰が見ても分かり易い様な反証のデータを見せられたりしても聴く耳持たない状態になってしまうことである。そこでコロっと「あ、俺の活動って間違ってた。やめよう」とか豹変できる人間ばかりだと話が楽に進むのだろうけど、中々そうはいかない。どちらかというと男性の方が凝り固まるというイメージを僕は持っているので、気をつけたいと思う。
本の主題とは直接関係ないけれど、工芸品としてもう少し箸に注目してみたいと思った。割り箸にも。