マイケルルイス「ライアーズ・ポーカー」

ライアーズ・ポーカー―ウォール街は巨大な幼稚園

ライアーズ・ポーカー―ウォール街は巨大な幼稚園

著者の作品は以前にニュー・ニュー・シングマネー・ボールと読んでいたので、正直言うと本書には違和感を感じたというか、「あ、こういうモノ書いてデビューしたんだ」的な印象を持った。カッコいい女性シンガーのデビュー曲がアイドル丸出しの歌と歌い方だったときに感じるアレだ(って分からないか)。
著者がソロモン時代にかなりの成功を収めていたという事実には単純に驚いた。その様な人がそうそうと物書きに転身するという構図は珍しいであろうと思っていたから。まあ駄目駄目だったんだろうと思っていた訳ではないのだが。
僕は投資銀行をはじめとして、金融なるものにあまり興味がない。まあ金融と言っても幅広く、一纏めにすること事態が批判の対象にもなりかねないが、あえて一纏めにして興味がないと言っておく。金融業界に従事している人を批判する気もまるでないし、それなりに大きな社会的意義を持った仕事でもあると思ってはいるのだが、やはり僕が求めている種類の価値の創造をしていない業界だという想いがある。繰り返しになるが金融と言っても幅が広いし、例えばGoogleだってAppleだってお金を出してくれる人間がいたからあそこまでの価値を創造できたことは間違いない。それは確実。でもまあだから興味が出るかと言われれば出ない。まあ僕はあまり勝ち負けに興味がなく、さらに大雑把な性格だし、数値的な能力もそんなにないのでとても投資銀行でやっていくことなど出来なさそうだが、まあ大抵の集団がそうであるように色々な人間が投資銀行にもいて、僕が今上げた条件を全て満たしているにも関わらず大成功を収めている人間もいるだろうけども。