長所と短所は、一枚の紙の裏と表のようなもので、切り離そうとして簡単に切り離せるものではない。その意味では、無理に自分の短所を直そうとしたり、他人の短所を直させようとしたりせずに、お互いの長所/短所を理解し合った上でどうやったら心地よく一緒に働けるかを考えるというのは、とても合理的な方法なのかも知れない。
コメント欄にもあったが、自分が持っているある性質が長所なのか、それとも短所なのかは結局周りの環境が定義するものであり、自分が属する環境が変われば、自分は変わらないけれど、長所とか短所は変わってしまうのである。だから自分のある性質(例えば積極的に意見が言える、とか)が自分の長所だ、という汎用的な言い方は中々難しいものがあると思う。
例えば「声が(物理的に)大きい」というのは長所か短所か。これはその人が応援団にでも属していれば長所だろうし、逆にバーテンダーとか雰囲気が非常に重要な職業に就いていたら短所かも知れない(もし声の大きいバーテンの方がいらしたらごめんなさい。例えです)。だから就職の面接などで「自分の長所短所は何ですか」という質問をされたら、「私は○○○という性質を持っていますが、これは御社に勤めれば大きな長所となると思います。また私の△△△という性質は御社で働く際に短所になりかねないので、今から頑張って改善していきたいと思っています」とか答えるのが本当は正しいと思う。まあ聞いている方もそこまで考えていないかもしれないけれど。
という事で、自分の性質を見極め、なるべくその性質が長所となるような職業に就くことは、ひとう仕事を選ぶ上で大事なことではなかろうか。