風間完「エンピツ画のすすめ」

エンピツ画のすすめ (朝日文庫)

エンピツ画のすすめ (朝日文庫)

まあ「趣味として絵画をはじめてみてはどうですか?」というよくある話なのだが、著者の語り口のせいか、非常に爽やかに読めた一冊である。エンピツ画のすすめといっても、紙一枚とエンピツ一本だけではじめられる芸術、という象徴的な存在としてエンピツ画を著者はすすめているだけで、別に油絵でも水彩画でも構わない。
どうしてもこういう分野は「僕(私)には才能が…」という展開になりがちだけれども、著者が本書で述べているように「なんか絵が描いてみたい」と思った時点であなたには才能があると言えるのではないかと思う。躊躇してしまう人は、まずは目の前の何かをメモ帳にでも描いてみてはいかがだろうか。もっと上手くなりたいとか、描いている間すごく楽しかったとか思えたら、それはさらなる才能の証拠。
ちなみに僕も読後に何枚かエンピツ画を描いてみた。奥さんには概ね好評だったが、流石にネットに晒すのは遠慮しておこうと思う。そういうレベルでした。