
- 作者: 佐藤優,コウ・ヨンチョル
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/20
- メディア: 新書
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なるほど、日本はある意味「元インテリジェンス大国」だったということらしい。
本書は日韓インテリジェンス対談である。すっかりおなじみとなった佐藤優氏と、韓国の元情報将校で、不運なめぐり合わせにより国から粛清を受けたコウ・ヨンチョル(チョルにあたる時がUnicodeにしか存在しないのか化けるので、カタカナ表記にて失礼)氏によるもの。二人の話は我々一般人からすると、現実離れしているというか、考えすぎというか、本当にこの世の誰かがそこまで計算して動いているのだろうかと思わせるようなものが多いが、そこまで想定しながら動かなければならないのが彼らの仕事なのだろう。彼らはある意味、既に表舞台に出られる身分なのでまだ良いが、このようなことを想定しながら、日々国民から賞賛される事もないのに、それでも国益の為の信じて活動しているインテリジェンスが世の中にいるかと思うと、少し頭の下がる想いである。それが何処の国の誰であろうと。
さて陸軍中野学校を北朝鮮がよく研究しているという話も面白かったのだが、本書を読んでやはり考えさせられたのが、将来の世界の様相というか、「核のドミノ」の発生と、それに伴った「恐怖の均衡」状態についてである。本書を読んだ感想では、この世界観というのは、もはやインテリジェンスだけが想定しておくべきものではなく、我々一般人レベルでも想定しておかなければならないことではないかと思った。それをきちんと想定しておいた上で、自分の職業や住む場所の選択も考慮に入れることが必要。今ってそういう時代だな。そう思う。