山本博「フランスワイン 愉しいライバル物語」

フランスワイン 愉しいライバル物語 (文春新書)

フランスワイン 愉しいライバル物語 (文春新書)

こういうワインの楽しみ方というのは、もしかしたら競馬の楽しみ方と似ているのかもしれない。どの馬とどの馬がライバルであるとか、そういう関係はまあ我々が勝手に決めていることである、がそういう関係を仮定すると、レースが非常に愉しくなる。競馬にはずいぶんはまった時期があったが、そういう関係を見つけ出すごとにはまっていったという記憶がある。
本書は弁護士であり、世界ソムリエ・コンクールの日本代表審査員も務める山本博氏によるフランスワインの解説書である。功名にフランスの有名ワインを二つ一組で、つまりライバル関係にしたてあげて(勿論生産者の方やファンの方には強いライバル意識を実際に持っている方も多いと思うが)紹介している。氏はめっぽうワインには詳しいし、それにまつわる料理や歴史、地理の知識も驚くほど豊富なので、ワインファンにとってだけでなく、フランスという国のファンにとっても非常に面白い内容となっている。はっきり言って、読んでいると喉が渇くし、おなかが減ります。
それにしても山本氏、彼よりワインに親しんでいる日本人って居るのだろうか。うーん、今度フランスに行くとき、僕も連れて行ってほしいです。本気出してそう思いました。