成果主義が才能ある若者を潰すかもしれないという話

「成果主義」と聞くと、若く才能溢れる新入社員に大きなチャンスがありそうな気がするが、結局それは運用次第ということになる(まあ、世の中の大抵の事は運用次第だけど)。なにが「成果」なのか、を規定するのが古くからいる社員であったり、現在の体制で高評価を受けている人間だったりすると、悪意がなかったとしてもどうしても「現在の体制を守る」方に力学が働き、今現在自分がやっていることを高く評価する、もしくは新入社員が持っている「自分たちには不足している能力」を評価しないという体制が出来上がってしまう。これは僕だってそうだけれど、誰だって今の自分のポジションを脅かす様なことを積極的にする事はない。
それに「成果」というものは今までの社内での経験の積み重ねに大きく左右されるものである。極端な話であるが、会社の湯飲みが何処にしまってあるのかを知っているお茶汲みと、それを知らないお茶汲みの評価には大きく差が出てくるであろう。もし新しいお茶汲みが類い稀なるおいしいお茶を作るセンスを持っていたとしても、それがうまく評価されないようなレジームを作ってしまえばそのお茶汲みが評価されない様に仕向けるのは以外と簡単である。「お茶だけうまく入れられても駄目だよね」、「(社内的な事情)に詳しい○○さんはやっぱり凄いよね」的な発言が出てくるようなら、それは若者潰しの傾向の一つなんじゃないだろうか。