テクノロジー : 日経電子版
たまたま目を通してみたが、かなりまともな事が書いてあってビックリ。こういう考え方を持っている人がNTTデータみたいな大きなSIerに取締役として存在するのであれば、日本のシステム屋さんの将来もそう暗いものではないかもしれない。
月別アーカイブ: 2008年4月
上達のヒント「なぜ自分の名前なのに字が上手に書けないのか?」
上達について考えるとき、いつもこの「なんで自分の名前が上手に書けないのか?」について考えるようにしている。同姓同名の人は何人かいるだろうけれど、その人達を除けば僕ほど僕の名前を書いた事がある人はいない。なのに僕が書く僕の名前の字は、お世辞にも上手いとは言えない。これはどうしてなのだろうか。
簡単に言えば、答えは「何も考えないで、ただ書いているから」である。今まで人生で何千回と自分の名前を書いてきていたが、その機会の一回ごとに「どう書けば、僕の名前はもっと美しく見えるだろう」というような事を意識して書いていたとすれば、今頃世界一の書き手になっていただろうと思う。
これとまったく同じ事は世の中のほとんどの事に対して言える。スポーツの反復練習なんてのは(野球の素振りとか)まさにこの典型的な例である。でもプログラミングだって、接客だって、力仕事だって、何も考えずにただ「こなす」ことだけを考えていれば、僕がいっこうに名前を上手く書けるようにならないのと同じように、ある程度以上のレベルには到達できない。
iTunes Uで見つけたお勧め講演
ちょくちょくiTunes StoreでiTunes Uのコンテンツをダウンロードしては通勤時間に聴いている。一昔前を考えれば、米国の大学の講義や講演を手軽に、早く、そして無料で手に入れられるなんて事は奇跡に近い。特に米国の大学や大学院に留学することがひとつの夢だったりする僕にとってはこれはかなり嬉しいことでもある(ちなみにこの夢はまだ全然あきらめていない)。今所有しているiPodがMovieに対応していないので音声のみのものを聴いているが、iPodを買い替えた暁には映像付きの作品も積極的にダウンロードする予定。
リンクが貼れないので紹介しづらいけれど、以下がお勧めのもの。どちらもタイトルをStoreで検索すれば見つかると思います。
John L. Hennessy – Why Computer Science Matters
Stanford Universityの学長でもあり、パタヘネ本(asin:482228266X)の著者としても有名なジョン・ヘネシー氏による講演。なぜコンピュータ・サイエンスが重要なの?素晴らしいの?凄いの?といったことについて氏が11の理由を挙げている。非常にクリアな内容だし、氏の英語ははっきりとしていてかつ緩やかなので聴き易いと思います。
Thomas L. Friedman – The World is Flat
講演と同じタイトルの名著(asin:4532312795)を題材にした、The New York Timesのスターコラムニスト、トマス・フリードマンによるMITでの講演。氏が何故この本を書くにいたったのかという話から始まり、氏が経験した世界が平になっていると痛感させられる経験が語られる。氏は非常にユーモアのある方のようで、所々で聴衆の大爆笑を誘っていた。当然本の内容と講演の内容は被っているので、一度本を読んでから聴いてみると理解度が増すかもしれません。
仁志敏久「プロフェッショナル」

- 作者: 仁志敏久
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: 新書
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床屋の待ち時間対策に適当に買ってしまった本だったが、大当たり。こういった「考える選手」的な本はいつかイチロー選手絡みで出版されるんじゃないかと思っていたが、よくよく考えれば一流のスポーツ選手とは日々このように自分のプレーについての深い考察を深めている訳で、それをある程度抽象化した形で提供してくれれば面白くない訳が無いし、我々の仕事にも応用出来ることはたくさんある。
という訳でこの本は全ての職業人にお勧めできる内容の金言ばかりです。以下に一部掲載します。本書のエピソードで一番面白かったのは、やはり著者の高校時代の恩師のエピソードだろうか。こういうキャラクターって今はあんまりいないんじゃないかなぁ。「どんな打ち方だっていいんだよ。その打ち方の天才になればいいんだから」。すげー。
p.35
その場その場で、行き当たりばったりのプレーをせず、まずは冷静に状況判断をし、次にどんなプレーが必要なのか、また、どんな作戦を相手は仕掛けてくるだろうか、と頭を働かせてプレーをするべきです。
p.56
チームワークという言葉を”なかよし”的な意味で解釈している人が多いと思いますが、私は仲がいいからチームワークに発展するとは思いません。
p.64
とくかく先の塁を目指したのです。なぜなら若いうちであれば特に、行ってみなければ始まらないのです。慎重になってばかりでは成長もしません。とにかくトライする。やらないで叱られるのだったら、やり過ぎて叱られるほうが身になると思います。まずはそれが大事だと考えています。
p.160
しかし、よく考えていただきたいのですが、失敗や型どおりできないと”基本だ”の一言で片付けてしまう。基本ていったいなんなのでしょう。
p.175
「どうしたら野球が上手になるのか」
その答えは、「どうしたら野球が上手になるのかを考えること」。