「有る」のデフレ

くだらない話と言いつつも前回のエントリの続きを思いついたので書いてみる。
おそらく「有る」または「在る」ということの価値が激減したんだろうな、と思いついた。つまり「有り難い」という言葉が形成されてきた時代ではまだ色々な物や情報が少なくて、「有る」ということが非常に嬉しいことだったんじゃないだろうか。「有る」ということに非常に価値があったんじゃないだろうか。だから「有り難い」ものは「ありがたい」というロジックがすんなりと成り立った。
しかし今は物も情報も溢れている時代。「有る」ことにあまり価値は無い。いやむしろ余計なものには存在してほしくない。この溢れるばかりの状況の中にもう余計な何かを増やして欲しくない。そんな時代。つまり「有り得ない」ものには「存在して欲しくない」ので「ありえない」はネガティブな言葉としてすんなりと解釈される。
「有り難い」と「有り得ない」にはそんな時代的な背景があったりして。いや、勝手な想像ですが。