村上春樹「雨天炎天」

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行 (新潮文庫)

そう言えばこちらではまぞうを使用しないアフィリエイトについて言及されているのを見かけてから色々と試してみたのだが、Amazonの張り付けコードを使ってしまうと、どうにも見た目がすっきりしなかったので、僕はやはりはまぞうを利用することにする。
さて、本書は一応村上春樹氏がギリシャとトルコに滞在したときの記録なのだが、副題に「辺境紀行」とあるように、我々が一般的に頭の中に思い浮かべるギリシャやトルコとは大分様相の違う、まさに辺境に旅をしている。正直に言うと、トルコで頭に浮かぶイメージなんてひとつもないくらいトルコについては知らないのだが、これが普通の旅行とは違うであろうということは容易に想像がつく。
ギリシャではアトスという半島に旅されているが、正直な感想を述べるのであれば「アトスには生涯行く事はなさそうだな」というのが正直なところ。夫婦というユニットで旅行している以上、奥さんが行きたがるところでないと旅行はできないが、ここは確実にその部類に入らない。いくつかある修道院で日々宗教的な修行に取り組んでおられる僧の方々のストイックさを想像すると、なんとなく子供の頃に読んだ聖闘士星矢に出てくる聖闘士達の修行を思い出してしまう。車田正美さんなんかも、取材でこういった場所を訪れたのではなかろうか。
トルコ滞在について書かれた部分では、トルコ人の方々のかなりの親切さが非常に印象に残った。日本を訪れた外国人の方からは日本人のホスピタリティの素晴らしさ、といったような話を聞く事も多いのだが、トルコ人の方々のそれはちょっと程度というよりは種類が違うのではなかろうか、そんな印象。そう言えば昔テレビで岩手の方々の親切具合がすごいといったような内容を観た事があったけれど、それよりもっと凄そうである。
あと今まで会った事のあるトルコ人って皆さんくっきりとした凛々しい顔つきだったのが印象的だったのだが、この本の中の写真を眺めていると、どうもトルコの人というのはそういう顔らしい。欧州と中東に挟まれているという独特のお国柄が、顔つきにも表れているような気がしてくるのは不思議なものだ。