
光と電気のからくり―物を熱するとなぜ光るのか? (ブルーバックス)
- 作者: 山田克哉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/07/19
- メディア: 新書
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「光って何?なぜ光るの?」
「電磁波ってよく耳にするけれどどんなもの?」
「電気とか電流って実際にはどういうもの?」
「磁石って実際には何?」
「マックスウェルの方程式って聞いた事あるけど何?」
といったような疑問に数式無しで答えてくれ、かつ原子のレベルから徐々に解説してくれる素晴らしい本。個人的には名著じゃないかと思った。ハードの専門家さんが読む様なレベルの本ではないとは思うけれど、例えばデジタルカメラ等の組み込みソフトを作っているソフトウェアエンジニアさんななんかが読むと、自分の仕事をより根本的なレベルから捉えることができるんじゃないか思う。もちろん上記のような疑問をお持ちの学生さんには是非お勧め。あまりまじめに取り組んでいなかったせいかもしれないが、学生の頃に受けた物理や化学の授業の何倍もの勉強になった。いま赤外線カメラに少し関わる仕事をしているが、その基礎となる知識を得られたと思う。
上述したように本書には数式が載っていないのだが、次は是非数式ありでマックスウェルの方程式を理解したいと思った。本書で僕が一番面白いと思ったのが、マックスウェルが電磁波の存在を予言し、さらには光と電磁波の関係に気が付く部分だったので、次は是非数式を拝見したい。まあすんなりと理解できるとは思えないけれど。
この本を読み、今まで自分が電磁波という単語を誤った使い方をしていたのに気付いてちょっと恥ずかしい気持ちになった。まあ世の中に広まっている情報というのは、世の中に広まるに十分なほどデフォルメされているから通常は「厳密に言えば誤用」という情報ばかりな訳で、何も疑問を持たず、自ら調べてみる事なしにその情報を使ってしまえばまず間違いなく誤用してしまうものである。気を付けたい。
話題は変わるが、本書で紹介されていたスピンはめぐる―成熟期の量子力学 新版もかなり興味深い書籍のようだが、これは門外漢の僕が手を出すような書籍ではなさそうだ。ほしいものリストへの追加だけはしておこうかな。