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各選手がどのように得点を挙げているのかをグラフにして見てみる

NBAの2017-18シーズン、MVPにも輝いたヒューストンのジェームス・ハーデンは試合平均で30.4点もの得点を挙げましたが、その36%はスリーポイント、28%はフリースローによって挙げられた得点であり、2Pシュートによる得点はわずか35%です。一方でキングことレブロン・ジェームはその得点の62%を2Pシュートにより挙げています。

このように各選手の得点スタイルはその選手の技能や、属しているチームのシステムによって大きく違い、スリーポイントで多くの得点を挙げる選手もいれば、ファウルをもらう技術に長けていて(またはそれがその選手の役割で)、多くの得点をフリースローによって挙げる選手もいます。

この記事ではBリーグの各選手の総得点が、それぞれ2Pシュート、スリーポイントフリースローのどのような組み合わせで挙げられたのかをグラフにしてみたいと思います。選手は総得点の多い順に上から並んでいます。名前の横にある()内の数字が総得点です。

総得点1位から10位の選手

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目立つところでは北海道のトラソーニがインサイドの選手であるにも関わらず、総得点の18%をスリーポイントで挙げていることです。昨今のバスケはインサイドの選手もアウトサイドのシュートが求められるようなところがありますが、トラソーニはそれを実践しているプレイヤーのひとりだと言えるでしょう。

またそれとは逆なのが富山の宇都で、アウトサイドの選手であるにも関わらず大量の得点を2Pシュートで挙げているという稀有な選手です。

金丸はピュアなスリーポイントシューターというイメージがありますし、フリースロー確率王なのでフリースローのイメージも強いですが、実際にはその得点の約52%は2Pシュートによるものです。比江島がいなくなったいま、2Pシュート割合は今シーズンより増加するかもしれません。

総得点11位から30位の選手

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西宮のバーンズ、横浜の河村、京都のマブンガ、千葉の小野など多くのオールラウンダーが見られます。様々な形で得点ができる彼らは相手のチームにとってとても脅威であると思います。さらに注目するべきはマブンガはフリースローによって30%以上もの得点を挙げていることです。これはリーグ1の数字で、ある意味最も効率の良い点のとり方をしている選手だと言えると思います。

総得点31位から60位の選手

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ここまで来てはじめて三遠の田渡と京都の岡田がスリーポイントによる得点割合60%超えとなっています。岡田に至っては70%に到達する勢いで、京都のバスケの中で如何にピュアなスリーポイントシューターとしての役割を担っているかが分かります。フリースローが極端に少ない島根の佐藤も同様でしょうか。

今シーズン奈良に移籍したJPことジェフェリー・パーマーも非常にバランスの良い点のとり方をしていますね。

総得点61位から100位の選手

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北海道の鉄人こと桜井も実はフリースローで28%も得点を挙げています。あまりファウルをもらっているイメージがなかったので意外だったのですが、そのタフな身体を活かしたアグレッシブなプレーでフリースローの機会を多く設けていたようです。

総得点101位以降の選手

残りの選手についてはグラフだけ貼っておきます。皆さんの応援する選手の得点割合は想像通りでしたでしょうか?
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2018-19シーズンの個人的な展望

Early Cup 2018、男子日本代表のWindow4と終了しました。まだTerrific 12とFIBA Asia Champions Cup 2018とかあるものの、ちょっとひと段落といったところでしょうか。

今回は普段しているデータの話とはあまり関係がないのですが、個人的なBリーグ2018-19シーズンの展望でも殴り書きしてみようかと思います。展望っていうか、個人的な注目ポイントの備忘録くらいの位置づけです。

B1優勝争い

これ書いたらここでもうページ閉じられてしまうかもしれませんが(笑)、個人的には今シーズンのCS優勝はアルバルク東京だと思っています。つまりは連覇です。

私はリーグ60試合とその後のCSを継続して勝ち切る「安定感」のようなものを最大限に重視してまして、その観点でアルバルク東京に勝るチームが今シーズンに出てきているかというと、残念ながら出てきていないと思っています。

また優勝争いの次点も栃木、川崎、三河、千葉の4チームであるという大勢は変わらないのではないかと思います。

昨シーズンは三河にも相当な安定感がありましたし、私は実質の準優勝は三河だったとみているくらいなのですが、今シーズン比江島、橋本と抜けた三河はちょっと安定感が落ちたと見ています。

この中でA東京に割って入るとすれば初代王者の栃木かなと思います。ファジーカスが帰化した川崎、雪辱に燃える千葉ももちろん優勝が狙える強豪ですが、安定感という意味ではやはりA東京には一歩及ばないイメージです。

個人的注目チーム

一番の注目は富山グラウジーズです。スーパースターの宇都、スリーポイントでリーグ1位を争った大塚を要しながらも入れ替え戦まで行ってしまった昨シーズンから宇都、水戸、(大塚)裕土の三羽烏のみを残し、強力な外国人インサイド陣、すばらしい宇都のバックアップPGとなりそうな阿部、水戸・大塚どちらのサブとしても機能しそうな船生など、チームにかなりいい人材を引っ張ってきた印象です。もちろんHCが変わったことも大きいです。

起用の偏りからくる疲労の問題と、昨シーズンあまり機能しなかったインサイドが機能すれば、優勝争いとは言いませんが、CS出場は見えてくるのではないでしょうか。前回は実質B1に残留したチームの中で最下位だったことを考えると、一番の「伸び幅」を見せるチームになるのではないかと楽しみにしています。チームを株の銘柄に例えるなら、富山が一番の「買い」かなという感じです。

もうひとつ注目チームあげるとすれば琉球でしょうか。特に並里・橋本が入ったことにより、岸本の得点がどう変わるのかに注目しています。

スタッツ的な注目

得点王争いは今シーズンも変わらずファジーカス vs. ガードナーだと思っているので、正直あまり着目はしていません(笑)

日本人得点王ですが、誰がなるというよりも、試合平均で20点取る選手の誕生を楽しみにしています。

一番の候補はもちろん宇都ですが、グラウジーズは宇都の得点力への依存を少なくするべきだと考えているので、宇都が平均で20点取るようになることはチームにとってはあまり良いことではないでしょう。

逆に金丸はチームからさらなる得点力を求められるシーズンになりそうなので、20点行くとしたら金丸でしょうか。

スリーポイント王争いにもそこまで注目はしていないのです。それよりリーグ全体としてスリーポイント試投数が増加傾向に向かうのか、前シーズン、前々シーズンのデータと比べながら見てみることを楽しみにしています。

また根拠は何もないですが、単純にまだ2桁のスティールとブロックショットBリーグで出ていないので、それも出ないかどうかを楽しみにしています。

福岡ライジングゼファー

昨シーズンは秋田がB1に戻り、福岡ライジングゼファーがB1に初昇格となりました。

昨シーズン残念だったことのひとつに、新参入だった島根と西宮が両方B2に戻ってしまったことがありました。ですので今回新参入である福岡にはぜひ善戦してもらいたいと思っています。堀江貴文氏が社外取締役に参加するなど、経営サイドでも何か面白い動きがないかと注目です。

新人賞

実は対象者的なものをよく知りません(誰か教えてください…)ただベンドラメにしろ馬場にしろ、日本のA代表やB代表の中心選手として活躍しているレベルの選手が選ばれていますので、例えば先日のアジア競技会に出場していた大学生プレーヤーなどがBリーグに参戦して受賞する、みたいなシナリオが妥当でしょうか。

B2の注目チーム

B2の個人的な注目チームは茨城ロボッツです。理由は単純で、チームの経営体制がグロービスと堀義人氏に完全にコミットされていて、徐々にそうした経営側の改善がチームの成績に表れてくるだろうと予想しているからです。

経営大学院であるグロービスとその創業者が、バスケットボールクラブの経営でこけるわけにはいきません。上手く行けばロボッツはB2の千葉ジェッツになれるのではないでしょうか。

B2スリーポイント王の福澤、川崎で昨シーズンプレイした高い運動能力を持つジョシュ・デービスなど、良い選手の獲得にも成功しています。

まとめ

2018-19シーズンの展望を殴り書きしてみました。早くはじまって2018-19シーズン!