月別アーカイブ: 2018年11月

リバウンド取得率を見てみる(B1 第11節終了時点)

2018-19シーズン19ゲーム終了時点までのリバウンド取得率を見てみましょう。リバウンド取得率の計算はこの記事の解説を引用していますのでご参考までに。

ディフェンスリバウンドの取得率

ディフェンスリバウンドの取得率 = (自チームのディフェンスリバウンド)÷ (自チームのディフェンスリバウンド + 相手チームのオフェンスリバウンド)

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さすがのアルバルク東京。堅い、堅いです。ディフェンスリバウンドについてはリーグ1の徹底ぶりだと言っていいでしょう。アルバルク東京に三遠ネオフェニックス、千葉ジェッツ栃木ブレックス琉球ゴールデンキングスが続きます。

京都や福岡は苦戦しています。意外と富山も苦戦しているのは発見です。ディフェンスリバウンドは究極100%取りたいものです。これらのチームも中央値で70%超えるくらいにはリバウンドを取りたいところです。

オフェンスリバウンドの取得率

オフェンスリバウンドの取得率 = (自チームのオフェンスリバウンド)÷ (自チームのオフェンスリバウンド + 相手チームのディフェンスリバウンド)

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ディフェンスリバウンド取得率と違ってオフェンスリバウンド取得率は、チームの戦略によっては意図的に取りに行かない場合もあるため一概に高いことが素晴らしいとは言えませんが、いずれにせよ栃木と秋田が多くのオフェンスリバウンドを取得しているようです。

京都はこの数値から察するに意図的にオフェンスリバウンドを取りに行っていないと思いますが、上述のようにディフェンスリバウンドで苦戦しているので少し気になるところ。ビッグマンのひとりのマブンガが外でもプレーできるので、そこも関係しているかもしれません。

栃木ブレックスの集客力はアウェイでこそよく表れている

Bリーグが始まった当初(今でもまだまだそういう雰囲気は強いですが)、栃木ブレックス田臥しかお客さんを呼べる選手がいないことが問題でした。北海道の折茂さんもそういう発言をしていたと思います。

もちろんそれからたくさんのスター選手が出てきましたが、やはりまだまだお茶の間に浸透しているバスケット選手と言えば田臥だけでしょう。

それにしても本当に田臥は、つまり栃木ブレックスはお客さんを呼べているのでしょうか。栃木ブレックスのホームでの集客が順調な事は周知の事実ですが、アウェイではどうでしょう。田臥が、ブレックスが来るならバスケを観たい、そういうお客さんが来ているのでしょうか?

下のグラフは今季の各チームのホームでの集客を箱ひげ図にしたものですが、そこに対栃木ブレックス戦の値を点でプロットしています。

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多くのチームで最高レベルの動員をしたゲームが対栃木ブレックス戦だったことが分かります。北海道の1ゲームのみ中央値を下回る集客があるのと、A東京の1ゲームは中央値だったようですが、それ以外は各チーム栃木戦で多くの動員をしています。

今シーズンはまだ1/3程度しか終わっておりませんので、昨シーズンのデータも同じように見てみましょう。

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似たような感じですね。全部が全部ではないですが、色々なチームで多くの動員が対栃木戦にて記録されています。

三河と大阪に至っては、栃木戦で動員した人数は外れ値、つまり例外的な値の領域に入っています。横浜と北海道では逆効果気味なのは少し面白いです。

土日、平日開催の影響はここでは考慮していませんが、これだけでも栃木の集客力の波及効果を垣間見た気がします。

実際に各チームのアウェイゲームでの観客動員数というちょっと変わった動員数の見方をしてみると、栃木は他のチームから頭ひとつ抜け出していそうです(中央値は千葉ジェッツの方が上。)ちなみに昨シーズンのデータです。

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もちろんアウェイにて栃木戦の動員が多いと言っても、そこには自分の応援するチームが栃木ブレックスという強豪と戦うのが観たい、という方もいたでしょうし、単純に栃木のブースターの方がたくさん遠征していたという場合もあったでしょう(いつも黄色のシャツが多くて驚きます。)

そういった諸々も含めて、やはり栃木ブレックスは「お客さんを呼べる」チームなのかもしれません。私もそのうち田臥ブレックスのゲームを観たいです!

各チームのタイムシェア具合を見てみる(B1 第11節終了時点)

大層なタイトルを付けてみましたが、単に以下の記事の続編です。B1も第11節(19ゲーム)が終わりましたので、またプレイタイムシェアがどうなったのかを見てみたいと思います。

簡単に上の記事を要約します。

ジニ係数と呼ばれる指標を使い、昨シーズンの各チームのプレイタイムのシェア具合を比べました。レバンガ北海道名古屋ダイヤモンドドルフィンズがプレイタイムのシェアを積極的に行っているチーム、一方でシーホース三河富山グラウジーズはプレイタイムが偏りがちであるチームという結果が出ました。またその昨シーズンと今シーズンを同じ指標で比較してみたところ、常時オンザコート2の影響からか、すべてのチームではないですが、プレイタイムが昨シーズンよりも偏る傾向が見られました。

今回はその昨シーズンと今シーズンの比較を19ゲーム終了時点のデータで行います。早速ですが見てみましょう。ちなみにこれも上の記事のおさらいですが、値が小さいほど、プレイタイムがシェアされているという指標です。昨シーズンB2の秋田と福岡は参考値として今シーズンの値のみ載せています。

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昨シーズンよりもプレイタイムがよりシェアされるようになったと言えそうなのが、三遠ネオフェニックス、シーホース三河滋賀レイクスターズ川崎ブレイブサンダース大阪エヴェッサです。特に川崎と大阪は中央値(箱の中の線)が大分下がっていますね。大阪エヴェッサのゲームはあまり見ていないので分からないのですが、川崎ブレイブサンダースがセカンドチーム、例えば鎌田、青木、林あたりが積極的に使われるようになってきたことによるものだと思います。

他のチームは軒並みプレイタイムが昨シーズンよりも偏るようになったようです。特に昨シーズンは全員バスケットを他のチームより推し進めていたと思われるレバンガ北海道の数値の上昇ぶりは目立ちます。HCが変わったことと、常時オンザコート2へのレギュレーションの変更がやはり大きいと思います。レバンガの試合も追えていないのですが、ここまで数値が違うと、純粋な観客の視点でも昨シーズンかなり違うと感じそうです。

今シーズンここまでの19試合で最もプレイタイムがシェアされているのがアルバルク東京エヴェッサ大阪ですが、昨シーズンの北海道にはまったく及びません(名古屋DやSR渋谷の昨シーズンにも及ばず。)逆に最も独占傾向にあるのが横浜ビー・コルセアーズ京都ハンナリーズのようです。これは昨シーズンの三河よりもさらにプレイタイムの独占が強いです。

秋田と福岡を除くチームを全てまとめてから比べると、シーズン間の違いはこのようになりました。やはり全体としても今シーズンはプレータイムの独占がされるようになってきたと言えそうです。

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ちなみに今シーズンここまで一番プレイタイムの独占が強かったのがライジングゼファー福岡の「このゲームです。

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逆に今シーズン一番プレイタイムがシェアされたのが琉球ゴールデンキングスこのゲームでした。

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私は全員バスケットが好きですが、別にそれをしなければならないとは思っていません。どちらかというと、昨シーズンに比べて各チームのプレイタイムに対する考え方の特色が無くなってきているように思え、そちらの方が気になりますね。各チームの特色が少なくなってくると個人的にはつまらなく感じてしまうので。

各選手がどのように得点を挙げているのかをグラフにして見てみる (2018-19シーズン B1 第11節終了時点)

Bリーグは代表戦に向けて小休憩モードに入りました。こんなときこそデータのブログを頑張りたいと思います。

以前にも書いたネタですが、各選手の得点をそれぞれ2点シュートによるもの、3点シュートによるもの、フリースローによるものに分割し、それぞれの総得点に対する割合を見てみます。

今回はB1の第11節終了時点のデータを使い、総得点の多い方から100人の選手を見ていきましょう。名前の隣の()内にある数値が総得点数です。

総得点1位から20位

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前回の記事では数人の日本人選手がここに顔を出していたのですが、今シーズンのレギュレーションの変更によるものか、すっかり外国籍選手の名前ばかりになってしまった印象です。その中で奮闘する川村の得点力はさすがです。

個人的にこの中で注目するのはサザランドのスリーポイントによる得点と、カミングスのフリースローによる得点です

サザランドは非常に運動能力が高く、ペイントにドライブで入ってくるだけで相手チームにとって大きな脅威です。それに加えて外まで上手いとなれば、どうやって彼を止めればいいのでしょうか。

カミングスはここまであまりプレーを見れていませんが、どうやら非常にファウルドローンの巧みな選手のようですね。多くの得点をフリースローで挙げています。総得点トップのガードナーや京都のマブンガもファウルをもらうのがとても上手い選手です。

総得点21位から40位

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ここで注目したいのはまず名古屋ダイヤモンドドルフィンズの安藤。今シーズンはスリーポイントを量産していて、このまま行けば川村や金丸と日本人得点王を争う存在にもなれそうです。代表候補にも選ばれ、目が離せない選手になってきました。

上述のサザランドと同じく、スリーポイントで目立つ外国籍選手が琉球ゴールデンキングスのエアーズや大阪のハレルソンです。近代バスケットの潮流なのでしょうか、このように外国籍ビッグマンが外から多く得点するケースもどんどん増えてくるかもしれません。

また相変わらずインサイドでの存在感を放っているギブスのフリースローによる得点力にも注目です。30%を超えるケースはなかなかなく、昨シーズンはマブンガひとりだけでした。

総得点41位から60位

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シューター陣が出てき始めたのが色で分かりますね。まず晴山ケビンのスリーポイントに注目。京都といえば岡田優介がピュアシューターの役割を担っていたと思いますが、今シーズンはそこに晴山も加わったでしょうか、65%に迫るの得点をスリーポイントにて挙げています。

宇都は今シーズンはスリーポイントをもっと打ってくるのではと予測していたのですが、現時点では昨シーズンと同程度の割合です。チーム全体のオフェンス力が挙がったことにより相対的に宇都の総得点は落ちましたが、宇都にはもっと得点を挙げてもらいたい気持ちです。

総得点61位から80位

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琉球の岸本と京都の岡田のピュアシューターぶりがすごい!岡田は上述のように以前からピュアシューターの役割を預かっている選手ですが、岸本に関しては並里の参加により一気にプレーがシューターよりになったのでしょうか、70%を超える得点をスリーポイントで挙げています(昨季は57%ほど。)岡田に至ってはスリーポイントの割合がなんと80%を超えています!

総得点81位から100位

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ここで注目したいのはレバンガ北海道の桜井です。桜井は昨シーズンも総得点の28%ほどのフリースローで挙げているのですが、それはリーグで2位の数字でした(1位はマブンガ。)今シーズンもその傾向は続いているようですね。私はプレーでは解説できないのですが、おそらく北海道の鉄人はファウルをもらうことに長けているのだろうと数値から推測しています。

まとめ

現時点での総得点が多い方から100人、得点の取り方の割合を見てみました。代表戦の2連戦が終わればシーズンは中盤に向かっていきますが、ここからどのような変化があるでしょうか。注目です。B2のデータを出してなくてすみません。きっと後日やります…

観客動員数の推移を昨シーズンと比べてみる

今回は観客動員数のデータを使います。普段はスタッツの分析をしていますが、こういうビジネス系のデータも大好きです。と言ってもあまり表には出てこない類のデータなのであまり詳細な分析はできませんが、Bリーグ観戦のリピーターの分析とか、コホート分析とか、ユニークユーザー数の分析とかそういうマーケティング分野のデータ分析もしてみたいものです。

さて確かBリーグは観客動員数の昨シーズン比で10%増を目標にしているはずです。2018-19シーズンも4分の1が終了しましたが、観客動員数の様子はどうでしょうか。平日開催を増やした影響はどうなっていますでしょうか。今回は昨シーズンと今シーズンの両方でB1に残っている16チームを対象に、観客動員数の推移を両シーズンで比較してみたいと思います。

平均観客動員数

ではまずは各開催日別に、その日にあったゲームの平均観客動員数を見てみましょう。図の中にある点はゲームがあった日を表していますが、水曜日、土曜日、日曜日以外の曜日の場合に、その日は1ゲームしかない、という場合もあります。水曜日開催は何かと話題になるので、特別にラベルを付けています。

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開幕は観客動員数トップ、千葉ジェッツのホームアリーナでの開催であったこともあり、昨シーズンの開幕に大きな差を付けることに成功したようです。水曜日開催も昨シーズン同時期の水曜日開催と比べて劣っておらず、まずまずの良いスタートを切ったように見えます。

ただ懸念事項として、このシーズン最初の4分の1で既に千葉ジェッツのホームゲームが11ゲーム、つまり3分の1以上も終わってしまっています。つまり動員数トップの千葉ジェッツパワーはもう3分の2しか残ってないことになり、これは後半の観客動員数の伸びを引っ張る要因となりそうです。また後述しますが、連続のホームゲームが祟ってか、千葉ジェッツとしてはあまり良いスタートが切れていなかったようです。

図にあるようにシーズン後半に向けて観客動員数は伸びる傾向にあります。リーグとしては今シーズンの終盤に向けた伸びを、千葉ジェッツの力に頼らずに如何にブーストできるの。それが観客動員数10%増に向けての課題になりそうです。

では次に16チームをそれぞれ見ていきましょう。順番は適当です。

千葉ジェッツ

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4千人を普通に超えてくるさすがの集客力ですが、上述のとおり昨シーズンと比べると好調なスタートとは言えないようです。昨シーズンはむしろ後半にホームゲームが多かったようですが、今シーズンは前半に集中しました。この結果がどう全体の動員数に響いてくるのか。一番影響の大きいチームなだけに気になるところです。

栃木ブレックス

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開幕は少し昨シーズンよりも少なかったようですが、概ね昨シーズンと同じような推移です。今シーズンの水曜日開催の人数が4千人に近いことから、昨シーズンを少し上回っていると言ってもよいかもしれません。

レバンガ北海道

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レバンガ北海道も開幕は昨シーズンに比べて奮わなかったようですが、この序盤でその後に6千人を動員してみせるあたりはさすがの集客力です。

昨シーズンはちょこちょこと平日開催があったようです。週末であれば4千人オーバーを期待できるチームですので、後半戦に向けてさらなる貢献が期待されます。

琉球ゴールデンキングス

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非常にブレのない観客動員数を誇るゴールデンキングスです。今シーズンの数字は昨シーズンと同等の様に見えますが、平日開催が多かったことを鑑みると、実質今シーズンの方が上だと言えると思います。早く新アリーナが竣工して、もっともっと動員できる環境が揃うのが楽しみですね。

川崎ブレイブサンダース

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経営の体制という意味では一番変化のあった川崎ブレイブサンダースですが、アリーナ内のオーロラビジョン、スチャダラパーによる音楽プロデュース、新たなアリーナグルメなど、今シーズンは観戦環境に様々な投資を仕掛けてきました。

早くも結果が出ているのでしょうか、昨シーズンに比べて客足が非常に良いです。このまま川崎も「集客の強豪チーム」に加わってくれれば、リーグ全体にとっても素晴らしい影響がありそうです。

滋賀レイクスターズ

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実はこの分析をしてみようと思ったのは、先日Bリーグの特別研修にて「(オフシーズンのごたごたが関連してか)滋賀、京都、新潟、大阪の観客動員数が芳しくない」という話を大川チェアマンがされていたと記事で読んだからです。

実際に見てみると、例えば滋賀に関しては昨シーズンを下回っているように見えますが、平日開催が続いていることを考慮するとそこまで集客が落ちたようには思えません。どうでしょうか。

京都ハンナリーズ

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京都も開幕を両シーズンで比べれば今シーズンが悪く思えますが、開幕を金曜開催のひとつと見ると昨シーズンと同様程度です。その後すぐに4千人にせまる動員もあり、これもまだ客足が落ちたと断定するには時期早々でしょう。

開幕については他のチームも同様なのですが、おそらく集客しやすいイベントのはずなので、それを最大限に活かすためにも週末開催が望ましいかもしれません。

新潟アルビレックスBB

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こちらも同様で、開幕の入場者数減は木曜日開催が影響していると思われます。TwitterのTLで教えて頂いたのですが、新潟などになるとホーム開催にも関わらず普通に数十km単位で自宅からアリーナまで運転してこなければならない方も多くいらっしゃるようで、そうした方々にはやはり平日開催は不便なことも多いかもしれません。

エヴェッサ大阪

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大阪も開幕は動員数が減っているのですが、他のチームに比べて落差が激しく3千人くらい減っているようです。確かそれに関する話題もTwitterで見た記憶がありますが、これはさすがに何かしらの対策が要りそうです。ただそこからは昨シーズンを上回る推移を見せています。

アルバルク東京

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昨シーズンを上回ってはいるものの、王者であり人気の選手を多く抱える割には集客が寂しいという印象です。今のホームアリーナはあまり大きくないと聞いていますが、これで満員という事はないですよね。新アリーナの話もありますし、王者には集客でも安定した力を期待したいです。

シーホース三河

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ほぼ昨シーズンと同様の動きを見せています。人気選手が数人チームを離れたものの、基本的にはアルバルク東京と同じく強豪チームにふさわしい集客を期待したいです。新しく入った岡田の集客への好影響も期待。

富山グラウジーズ

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すごく面白くて、推移が昨シーズンとかなり似ています。富山は今年は強いので、それが集客に繋がるといいですね。昨シーズンは終盤に向けてどんどん集客を伸ばしていますが、チームは逆に残留プレイオフに向けてどんどんピンチになっていったはずです。今シーズンのチームは違う展開になりそうなので、それがどう集客に影響してきますでしょうか。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

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名古屋は今シーズンは堤幸彦さんに演出をお願いするなどしてエンターテイメント性を高めているとのことですが、開幕は土日開催にも関わらず昨シーズンと比べて大幅には動員が減ってしまったようです。チームも強いですし、昨シーズンのように中盤で5千人、といった集客を見せて欲しいところ。

サンロッカーズ渋谷

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サンロッカーズ渋谷も序盤の水曜日開催を昨シーズンと比べると千人レベルで動員を減らしているようです。同チームはホームアリーナの立地も良く、平日でもお客さんを呼べそうではありますが、逆に言えば競合するエンターテイメントがたくさんあるということにもなります。都市部ならではの戦略で集客増を目指して欲しいです。

三遠ネオフェニックス

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三遠も出だしの客足は鈍いように見えます。昨シーズンの序盤にあった水曜日開催に、今シーズンの週末開催が負けていますね。決して派手さのあるチームではありませんが、寺園やチルドレスなど話題になっている選手もいますので、そこを更に活用して集客につなげることができるでしょうか。

横浜ビー・コルセアーズ

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開幕を除き水曜日開催の集客はいまいちのように見えますが、まだ全体としては昨シーズンと同様程度に収まっているでしょうか。昨シーズンは終盤に向かって客足が悪くなっていますね。同じく残留プレイオフに進んだ富山とは対照的です。ビーコルは今季も苦戦が続いていますが、それが集客にも響くと昨シーズン同様に終盤が落ち込むかもしれません。

まとめ

昨シーズンも今シーズンもB1に残っている16チームの集客のデータを見てみました。水曜日開催の増加など、今シーズンの施策がどのように今後の集客に影響してくるのか、動員数10%増は達成できるのか、中盤戦も動員数には要注目です。まあ自分ももっと観戦に行けよって話もあるんですけどね。

日本人ビッグマンと外国籍ビッグマンの体格とプレータイムを比較する

今回は小ネタです。

相変わらずビッグマンに関する議論が盛んです。もちろんいわゆるオンザコート2、つまり外国籍選手が常時ふたりコートに立てるようになった制度変更がきっかけですが、そこから派生してビッグマンの育て方や、日本人ビッグマンの体格に関することなど、色々な議論が交わされています。

今回はそんなビッグマンのデータを少しだけ見てみましょう。ちなみにここで「ビッグマン」と呼ぶのは、Bリーグの公式ページに記載されている選手の中から、ポジションにPF、またはCの記述がある選手を指しています(よって190cmのSF/PF表記でもここではビッグマンです。)

また、同ページにある国籍の情報を使い、選手を日本、帰化、外国籍の3グループに分けています。2018年11月6日時点のデータを使っています。

体格

まずは体格を見てみましょう。x軸を体重、y軸を身長としてプロットしてみました。B1とB2で図を分けています。

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B1の日本人ビッグマンは195~200cmがボリュームゾーンのようですが、B2になると195cm以下がボリュームゾーンのようです。正直B2は日本人ビッグマンと外国籍ビッグマンの差が大きいようで、B2はおそらくインサイドの争いはほぼ外国籍選手同士の争いのみという状況になっているのではないでしょうか。

また、これもB2の方で傾向が明らかですが、体重においても外国籍選手との間にはかなりの差があるようです。富山のジョシュア・スミス(ちなみにリーグで最も重い選手)のプレーを見ていると分かりますが、体重があることはインサイドで大きなアドバンテージになります。身長と違いウエイトトレーニング等で育てられる部分ですので、日本のインサイド陣には頑張ってもらいたいところです。

総プレータイム

ここまでの総プレータイムを見てみましょう。総プレータイムなので、属するチームの試合数や、その選手の参加時期にも影響されますが、全体を見れば傾向を理解することは出来ると思います。

各グループ間で人数が違うので密度プロットにしてみました。ちなみに帰化選手は数が少ないため、ここでは対象から外しました。

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まずB1もB2も、明らかに外国籍選手の方がプレー時間が長いという、皆さんご存知の傾向があります。またB1の方は、いわゆる3人目の外国籍選手、つまり選手登録はされているけれどベンチには入れない選手の存在もデータに表れているように思います。

B1、B2どちらのデータを見ても、日本人ビッグマンで最もプレーしている選手でも、外国籍選手の標準のプレータイム程度という構図になっているようです。

1試合平均のプレータイム

1試合平均のプレータイムも見てみましょう。こちらは「出場した試合におけるプレータイムの平均」です。よって出場した試合数の多い少ないにはあまり影響はされていないはずです。

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先ほどの傾向、「日本人ビッグマンで一番長くプレーしている選手が、外国籍選手の標準と同程度」はここでも見られるようです。B2ではほとんどの外国籍選手ビッグマンが平均30分以上プレーしているようで、最頻値(山が一番高い所)は35分程度となっています。皆さん出ずっぱりと言っても良さそうです。一方で日本人ビッグマンの最頻値はどちらのリーグも平均で10分程度のようです。

ちなみにプレー時間の長い日本人ビッグマンには以下のような選手がいるようです。身長を見るとどちらかというとSFとして外国籍ビッグマンと併用して起用されている選手が多いような気がしますね。実質のトップは熊本の中西、A東京の竹内でしょうか。

チーム 名前 身長 総プレータイム 試合平均プレータイム
愛媛 笠原 太志 188cm 385:25 29:38
東京Z 高山 師門 188cm 347:49 26:45
熊本 中西 良太 200cm 284:03 25:49
千葉 小野 龍猛 197cm 178:19 25:28
A東京 竹内 譲次 207cm 297:07 24:45
大阪 熊谷 尚也 195cm 162:18 23:11
A東京 ザック・バランスキー 193cm 268:25 22:22
香川 高田 秀一 195cm 263:50 21:59
西宮 谷口 淳 192cm 281:59 21:41
青森 臼井 弘樹 193cm 258:15 19:51
栃木 竹内 公輔 206cm 192:27 19:14
名古屋D 張本 天傑 197cm 216:42 18:03
福島 前田 陽介 188cm 234:28 18:02
金沢 井上 裕介 195cm 227:25 17:29
渋谷 満原 優樹 198cm 209:03 17:25
福島 武藤 修平 192cm 225:08 17:19
三遠 太田 敦也 206cm 207:02 17:15
滋賀 荒尾 岳 198cm 187:36 15:38
東京Z 村越 圭佑 195cm 193:39 14:53
福岡 加納 誠也 196cm 173:21 14:26

Bリーグではどれくらいまで「あきらめたら試合終了ですよ」と言えるのか

第4節で横浜がQ4開始時点で16点差あったリードをひっくり返し大逆転するというドラマがありました。いまハイライト動画を観ても横浜ブースターの興奮と、そして滋賀ブースターの落胆が伝わってくるようです。このような大逆転はスポーツの醍醐味のひとつですよね。

特にバスケットの場合は一度のゴールで2-3点取ることができるので、いわゆるブザービーターにおける大大大逆転までありえることは大きな魅力ではないかと思います。

横浜ビー・コルセアーズvs滋賀レイクスターズ|B.LEAGUE第4節 GAME2Highlights|10.21.2018 プロバスケ (Bリーグ)

さてこのときに横浜は16点をひとつのクォーターでひっくり返した訳ですが、どれくらいまでの点差なら逆転は可能なのでしょうか?

もちろん「あきらめたらそこで試合終了だよ」のごとく最後まで諦めないことからしかドラマは生まれませんが、一方で長いリーグ戦を勝ち抜くためには、ときに目の前の勝敗の優先順位を下げることも重要です。

この記事では昨シーズンのレギュラーシーズンの全試合のデータを元に、勝利したチームが各Qの終了時にどのくらいの得失点差にあったのかを見てみたいと思います。

まずは1Q終了時を見てみましょう。

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やはりまだ1Qが終わったばかりなので、さすがに得失点差0が真ん中ではないですが、そんなに分布が右側にずれていないません。1Q終了時に少しビハインドだからってまだまだ勝利は掴めそうです。

でも実は計算をしてみると得失点差0(図の赤線)より左側の部分は26.1%ほどです。逆に言うと最終的に勝ったチームの73.9%は1Q終了時にリードしていたということになります。簡単には因果関係は結論できませんが、1Qが勝敗に重要なクォーターであることは疑いはないと思います。

また分布の左端を見てみると、1Q終了時に16点以上離されていたのに逆転した例はなかったということが分かります。実は今日アルバルク東京琉球ゴールデンキングスの試合があったのですが、琉球が1Q終了時点で16点の差をつけてリードし、アルバルク東京の猛反撃に期待したのですが結局そのまま追いつくことができませんでした。

続いて2Q終了時です。

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まず分布がちょっと右側に伸びたことが分かると思います。クォーターがひとつ進むに連れて少しずつ勝利が決まりつつあるように見えます。そしてここで面白いのが左端です。なんと2Q終了時に20点差をつけられていたのにも関わらず逆転した例があったのが分かります

これは先ほどの1Qのデータと矛盾するようですが、1Q終了時点では15点以下の点差で負けており、2Q終了時点でその差は20点まで離れたが、後半に一気に逆転したということです。諦めなければなんとなるものですね。

ちなみにその逆転はこの試合で起こっています。

三遠ネオフェニックスvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ|B.LEAGUE第18節 GAME2Highlights|02.04.2017 プロバスケ (Bリーグ)

ちなみに以前のブログでも別の試合で名古屋ダイヤモンドドルフィンズの大逆転について取り上げました。逆転に強みのある、諦めない素晴らしいチームだと思います。

最後に3Q終了時の得失点差を見てみましょう。

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さらに分布がぐっと右側に寄りましたね。そして左端を見ると、なんと4Q開始時点で18点もの差があったのに逆転したゲームが見つかりました。それはこのゲームです。

富山グラウジーズvsレバンガ北海道|B.LEAGUE第1節 GAME2Highlights|10.01.2017 プロバスケ (Bリーグ)

とんでもない逆転劇ですよね。4Qの得点が14-34で北海道が一気に追いついたようです。分布を見ると上述の横浜の逆転も16点差をひっくり返したのはかなり珍しいものだったことが分かります。

最後に3つの分布を重ねてみてみましょう。

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繰り返しになりますが、クォーターが進むごとにどんどんと分布が右にずれていっているのが分かると思います。

本題に戻ると、あくまで2017-18シーズンのデータだけを見てということですが、各クォーター終了時に21点以上離されていなければまだイケるとざっくり理解していいと思います。もちろん色々な状況には左右されますが、それくらいの点差までであれば、安西先生の言葉を信じて頑張ってみてもいいのではないでしょうか。