月別アーカイブ: 2020年1月

コービーがミドルレンジから放った10,771本のシュート

NBAのスタッツサイトによると、コービー・ブライアントはキャリアを通して26,200本のFGAをレギュラーシーズンで、4499本のFGAをプレーオフにて記録しています。

NBAのAPIを使ってデータを取得してみると、なぜかレギュラーシーズンの方は2本少ない26,198本のFGAが見つかるのですが、いずれにせよ1本1本の細かい情報まで取得できます。

コービーと言えばミドルレンジからのジャンパーの印象が強いです。実際、レギュラーシーズンに放ったFGAの1万本以上がミドルレンジからのシュートでした。4割以上のシュートがミドルレンジからだったことになります。

f:id:rintaromasuda:20200128061632j:plain

コービーのNBA初FGAは1996年11月3日の対ミネソタ・ティンバーウルブズ戦、1Q残り42秒、リングから18フィートの距離から打ったミドルジャンパーだったようです。映像で確認すると、これはどうやらエアボールに終わったようですね。

Kobe Bryant Week: Kobe makes his NBA debut in 1996!

コービーのキャリア最後のFGAもミドルジャンパーでした。そしてこちらは決めました。ご存じの通り2016年4月13日の引退試合ユタ・ジャズ戦。60点を取ったゲーム。右のショルダーくらいからの24フィートの距離のジャンパーでした。4Q残り31秒のシーン。

Kobe Bryant’s Last Shot of his Career

エアボールのミドルジャンパーで始まったコービーのNBA、それは60点取った引退試合のミドルジャンパーで幕を閉じました。コービー・ブライアントはその間にレギュラーシーズンのみで1万本以上のFGAをミドルレンジから記録しました。

そんなコービー・ブライアントの軌跡は、我々の記憶にも、そしてNBAのデータベースにも残り続けます。

そう言えばデータ分析サイトのKaggleでも、コービーのFGAを題材に以下のようなコンペが作られたりもしました。またこんな企画も面白いかもしれませね。

彼が残してくれたもの、それはいつまでもいつまでも様々な形で輝きを放ち続けることでしょう。

馬場雄大はGリーグで順調にプレータイムを伸ばしている

タイトルの通りですが、テキサス・レジェンズにてGリーグ、先はNBAに挑戦中の馬場雄大、順調にプレータイムを伸ばしているようです。最近では自己最長を更新する28分出場というゲームもありました。

ここまでのプレータイムと得点の推移を見てみると、以下のようになります。赤線が表すプレータイム(分)が順調に右肩上がりであることが分かります。

f:id:rintaromasuda:20200113121056j:plain

ここまでは、チームの信頼を勝ち取った証である、そしてマーベリックスを含むすべてのNBAチームにアピールする為に重要であるプレータイムに最注目していました。

20分以上のプレータイムがコンスタントに獲得できれば十分だと思うので、ここからは他のスタッツでも存在感を見せていけるとなお素晴らしいですね。

なお馬場雄大以外の選手は全く知らないのですが、レジェンズのチームメイトのプレータイムを見てみると以下のようになっています。

f:id:rintaromasuda:20200113121114j:plain

マーベリックスの不調を望むわけでは決してないのですが、同チームがプレーオフ進出を逃すとすれば、今シーズンの後半にでも10日間契約等でNBAのコートに立つ可能性はあるんじゃないかと思っております。

そうなるとBリーグ出身の選手が初めてNBAのコートに立つことになり、また大きなニュースとなりそうです。

改めてサンロッカーズ渋谷の全員バスケに注目したい

令和最初の天皇杯・皇后杯はそれぞれサンロッカーズ渋谷、JX-ENEOSの優勝で幕を閉じました。見応えのあるゲームが続き、ひとりのバスケファンとして非常に楽しめた大会となりました。次は現地観戦したいです。

さて既に様々に語られている話ではありますが、今季のサンロッカーズ渋谷のバスケのスタイル、とても特徴がありますね。交代を多用し、ベンチに座る全てのメンバーを活かすことにより、強度の高いディフェンスを40分間継続、相手チームに強いプレッシャーを与え続けています。

ここ直近4試合のゲームの起用を見てみましょう。ちなみに青く囲んであるのは、天皇杯でも飛び出しました伊佐HCによる5人フルメンバーチェンジです。

f:id:rintaromasuda:20200113232223j:plain

f:id:rintaromasuda:20200113232246j:plain

f:id:rintaromasuda:20200113232258j:plain

f:id:rintaromasuda:20200113232318j:plain

サンロッカーズ渋谷の交代頻度の高さは、相手チームである名古屋ダイヤモンドドルフィンズと横浜ビー・コルセアーズのそれと比べてみると一目瞭然ではないかと思います。フルメンバーチェンジもこの4試合で3回も飛び出していますね。

今季ここまでのベンチメンバーの出場時間割合、つまりベンチメンバーの出場時間の合計を全選手の出場時間の合計で割ったもの、を各チームで比べてみると、やはり中央値ベースで渋谷がトップになっています。

f:id:rintaromasuda:20200113233257j:plain

タイムシェアはもちろん手段に過ぎず、最終的には勝利することが目的です。しかしBリーグ特有の土日連戦を多く含んだ60試合のリーグ戦を安定して戦い抜くため、多くの選手に成長機会を与えるため、個人的には非常に有効な手段ではないかと感じています。

サンロッカーズ渋谷の天皇杯優勝、そしてこのまま同チームがリーグ戦やチャンピオンシップで好成績を残すような展開になれば、今季の渋谷のバスケは今後のBリーグの選手起用、並びにそれを達成する為の選手獲得にある程度の影響を与えるのでは、と推測しています。

言い過ぎかもしれませんが、ブースターさんのいわゆる推しが試合に起用されなかったというケースも少なくなるため、ビジネス的にもいい影響があったりするのではないでしょうか。やはりファンとしてはコートに立っている姿こそ一番見たいものでしょう。

いずれにせよ、サンロッカーズ渋谷、JX-ENEOSをはじめ、素晴らしいゲームを見せてくれた選手と関係者の皆様、どうもありがとうございました。天皇杯・皇后杯お疲れ様でした。

bleaguer環境がDockerで簡単に構築できるようになりました

このブログで行っているほとんどの分析は、bleaguer(Bリーグアール)という自前のR用のパッケージを用いて行っております。このパッケージは公開しているのでどなたでも利用可能です。

このbleaguerを使う為の環境構築を、Dockerで簡単に行えるようにしてみました。Dockerというのは小さな仮想環境のようなものを作るためのソフトウェアです。

Dockerによる環境構築のメリット

Dockerを使うと環境構築が簡単になるだけではなく、

  • 仮想環境にゼロから構築するのでユーザーのPCの状態などに左右され辛く、想定外の問題が起きにくい
  • 要らなくなったら仮想環境をDockerから消せばよいだけで、ユーザーのPCの環境が汚れない

といったメリットもあります。とても便利です。

Dockerについては数多の情報があるのでここでは解説しませんが、WindowsやMacなどのプラットフォームに関わらず利用できますので、インストール方法を調べてみて下さい。

環境構築の手順

Dockerをインストールしましたら、以下の手順でbleaguerの環境が構築できます。

  1. コマンドラインにて以下を入力。これで環境に必要なイメージがダウンロードされます。数分の時間がかかります。


    docker pull rintaromasuda/bleaguer-user

  2. 続けて以下を入力。これで環境(ちなみに”コンテナー”と呼ぶ)が開始されます。yourpasswordの部分は適当に各自で決めて下さい。


    docker run -d -e PASSWORD=yourpassword -p 8787:8787 rintaromasuda/bleaguer-user

  3. お使いのブラウザで以下のアドレスにアクセスして下さい。RStudioのログイン画面が出るはずです。


    localhost:8787

  4. Usernameは「rstudio」、Passwordは先ほど決めたパスワードを入力してください。

これで完了です。ブラウザの中にこんな画面が見えているはずです。

f:id:rintaromasuda:20200109232022p:plain

samples.Rというのは私が作ったサンプルコードで、bleaguerの使用方法のとっかかりを掴んでもらう為に作ったものです。クリックするとコードが表示されるので、よろしかったらコードを1行ずつCtrl + ENTERで実行してみて下さい。

RStudioの使い方もここでは説明しませんが、実行に応じて結果が画面下部のコンソール部分か、もしくは実行がグラフの描画の場合は結果が右下の画像表示部分に表示されるはずです。

サンプルコードの実行の為に必要なものはすべてDockerによって準備されているので、即座にすべて実行できるはずです。

以上です。

参照