PowerBookG3以来の所有する喜び

ちょうど大学を出たくらいだったが、僕は通称PismoことPowerBookG3を手に入れた。確か既にPowerBookG4が世に出回っているだがもうすぐ発売されるだかでG3を購入するタイミングではなかったのだが、当時世界一カッコいいラップトップはG3だと僕は確信していたので、中古でそれを手に入れることに何の迷いもなかった*1。G3は当時にしても相当重かったので、持ち歩くのはいつも苦痛だった気がするが、G3にぴったりなリュックも手に入れて、なるべく持ち歩いていた。G3を所有しているというのが嬉しかった。
思い出すのが、その頃他のMacユーザと話していたことのひとつに「Appleが携帯電話を出したら絶対買うよね」というのがあった。当時は確かiPodが日本で発売され始めたころで*2、なんとなく「次は携帯かな」くらいの考えがみんなにあったのかもしれない。と言っても僕が当時想像していたのはPowerBookG3のようなデザインのカッコいい携帯電話ということで、決して今のiPhoneのような形を想像していた訳ではなかった。ただただG3のようなデザインの携帯電話が欲しかった。
そしていまiPhoneを購入して、当時想像もしていなかった新しい世界に驚きを覚えつつ、PowerBookG3を所有していたときと同じ所有することの喜びを久しぶりに手にしている。まだまだ一部のインターネット好きの人間、つまりまあ僕のようなタイプの人間の為のデバイスであるということは承知しているものの、今後このデバイスがどういった世界を切り開くのか、またApple以外のプレーヤーがそこにどう割り込んでくるのか、色々と楽しみなことは多い。がしばらくは、G3以来の所有する喜びにゆっくり浸りたいと思う。

*1:正直に言えば予算の問題もあったが

*2:まだほとんど世間から見向きもされていなかった時代