開発者でも営業の視点は忘れるな

僕は開発者だから以下の二つのエントリの主張は分かる。RSSもソーシャルブックマークもヘビーユーザーだ。

フツーの人の気持ち・感情を理解するのは、ネットにどっぷりはまってる人ほど難しそう

今までならともかく、これからは「技術者が作るサービス」はますますエンドユーザーから遠く離れたものになるかもしれない。

そんな予感がする。

http://d.hatena.ne.jp/core/20080219/1203426866

これはよくわかる。というか、私もRSSリーダーやソーシャルブックマークを回りに勧めて、誰も使わないので???となっている口だ。

購読フィード数1000以下の人間を「フツー」と呼ぶのはもうやめよう – アンカテ

ただこれらのエントリを読んで、基本だけど開発者が忘れがちな事実を今一度確認したいと思った。それは
良いものだからといって、それが放っておいても売れるなんてことはない
という事実だ。
今までに効果的にRSSリーダーの営業をした企業がどこかにあっただろうか?マーケティングを行い、RSSリーダーの普及を試みた企業がいただろうか?おそらくないだろう。であれば、普及しないのは通常当たり前である。
あとid:essaさんが「回りに勧めて」と仰っているのが、それは実際にはどのように勧めたのだろうか。もし営業さんがRSSリーダーを売り込むのであれば、

  • 対象(勧められる人)の為にアカウントを作る手ほどきをしてあげて
  • 対象の趣味に合いそうなニュースサイトやブログを見つけてあげて
  • 実際に使い方を見せてあげて
  • 新聞よりもこっちの方が便利じゃないですか、と考えさせてあげて
  • しばらくアフターフォローしてあげて

とでもするだろう(これはBtoB的な営業手法だけれど)。この営業手法が正しいか分からないけれど、とにかく人というのは「こんないいものあるよ」で物が売れる(RSSリーダーは無料ですが)ほど甘い対象ではないのである。
iPod、ウォークマン、プリウス、プレステ、WillとかMacとか。技術的にとかデザイン的にとかそういった部分で優れているものは多いけれど、それが普及する為には営業というが媒体が間に入る必要があるのだ。Googleとかが勝手に広まっていったのはまあ例外だと思う。
技術とマーケティングが高いレベルで融合した事例は、例えば以下の本なんかで読む事が出来ます。

マツダはなぜ、よみがえったのか?

マツダはなぜ、よみがえったのか?