新しい学習指導要領

文科省は学習指導要領を改訂し、小学校五年六年から英語を必修化することを決めた。
愚かなことである。

小学生に英語を必修させる必要があるのか? – 内田樹の研究室

内田先生の言っている事はよく分かる。英語で議論するとして、英語が一番上手い人間の意見に場が引っ張られる傾向が出るのは当然だろう。そしてそんな議論から有益な結論は生まれないだろう。
とまあその話の是非は置いておき、せっかくなので新しい学習指導要領を見てみよう。こちらでPDFファイルが取得可能です。
第4章の外国語活動の「目標」には以下のように書いてある。

外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,積極的にコミュニ ケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケーション能力の素地を養う。

うーむ、これを読む限りでは「英語」の勉強というよりは「英会話」をさせてみようという意図に見えます。それはあまり賛成出来ない気がする。だって教えられる人の数が足りないだろう。母親とか実は小学校の教諭だったりするんだけど、英会話を母親が教えるというのは無理がある、多分(違ったら母ちゃんごめん)。
以下が「内容」。やっぱり英会話だ。他の国の文化や習慣や行事などを教えることは賛成だけど、それは普通に日本語で「社会」とかの時間に教えてもいい気がする。だけど自国の文化もまだあまり感じていない小学校高学年の子供達がどこまで感じてくれるか…。あと「異なる文化をもつ人々…」のくだりから外国人講師を招くんじゃないかと推測する。

1 外国語を用いて積極的にコミュニケーションを図ることができるよう,次の事項について指導する。
(1) 外国語を用いてコミュニケーションを図る楽しさを体験すること。
(2) 積極的に外国語を聞いたり,話したりすること。
(3) 言語を用いてコミュニケーションを図ることの大切さを知ること。

2 日本と外国の言語や文化について,体験的に理解を深めることができるよう,次の事項について指導する。
(1) 外国語の音声やリズムなどに慣れ親しむとともに,日本語との違いを知り,言葉の面白さや豊かさに気付くこと。
(2) 日本と外国との生活,習慣,行事などの違いを知り,多様なものの見方や考え方があることに気付くこと。
(3) 異なる文化をもつ人々との交流等を体験し,文化等に対する理解を深めること。

う〜ん、続きはまた別のエントリで。