
- 作者: イアン・スチュアート,冨永星
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/03/01
- メディア: 単行本
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凄く面白く読めた。数学系の読み物が好きな読者だったら楽しめるだろうと思う。
タイトル通りなのだが、本書はおそらく老齢の、そして数学者としての経験が豊かなある教授が、これから数学者への道のりを歩み始めようとしている「メグ」という架空の若者に対して送った手紙、という形式になっている。メグは大学で数学を専攻し、大学院に進み、やがて数学者としての職を得ていくのだが、その要所要所でこの教授からの手紙を受け取っている。我々はそれを読むわけだ。
手紙は全部で21あるのだが、全てが教授の数学への愛で溢れている。数学とはどんなものなのか、証明とは何か、数学が何故素晴らしいのか、世間が如何に数学を誤解しているか、数学者とはどんな職業なのか、大学で数学をどの様に教えていけばいいのか、そして数学は何をどの様に学んでいけばいいのか、などが手紙の内容である。別に数式が出てくる訳ではないが、手紙の内容は知的興奮を掻き立てるものがある。
この本は2007年出版なので、例えばインターネットなんかも話題の中に平気で出てくる。この手の本は内容が時代に即してないことが多いイメージがあるのだが、本書は大丈夫。
この教授からメグに何冊かの書籍が紹介されていたので、今度はそちらを読んでみようかな、と思っている。