つまり言いたいのは、部下からのレポートや数字をみて判断してるだけのトップがやってる企業には、こういうイノベーションは金輪際ムリだよね、ということです。自社製品に惚れて使い倒して、その面白さの本質に触れてない限り、カタログスペックに載ってこないようなユーザビリティの部分での勝負なんか、決断できるわけがない。任天堂にDSやWiiが作れてソニーにはできなかった理由も、根っこは同じかつシンプルで、そういうことなんじゃないかと思います。
うーん、耳の痛い話。
僕は仕事でコンシューマ向けのモノを作っている訳ではないし、エンターテイメントソフトウェアを作っている訳でもないので、そこにWillやiPhoneの様な画期的なUIとかそういったものは求められていない(もちろん、それが作れれば営業上の利益なんかはあるのだろうけれど)。しかしやはり、トップがユーザとして自社製品惚れ込み、惚れ込んでいるからこその要求を開発者に突きつける、という構造は、画期的な商品を産み出す為のひとつの重要な要素だと思うし、今働いている環境はそうなっていないという事実は何となく悲しい。
Paul Grahamが「Steve Jobsはthe most demanding userだ」という趣旨の事をスピーチで言っていたが、結局Appleが凄いのは、そのジョブスの要求と、それに答える従業員という構造なんだろう。また、UIなんてのは曖昧なセンスの問題だから、上を信頼していないと「また適当な要求出しやがって」と下の士気にも影響が出るだろうから、おそらく総体としてジョブスのセンスを皆信じているのだろう。
それにしても、iPhoneの開発をしていた江島さんの友達というのもCoolだ。
そしたら、実はiPhoneの開発をやっていたんですね。1月のiPhone発表のときにも、ジョブズが開発メンバーとその家族に感謝する一幕がありましたが、あのときに会場にいて、それまでの苦労がフラッシュバックしてぐっとこみ上げてくるものがあったと言います。