GoogleがYouTubeを買収

買収の噂が聞こえてきたと思ったら、もう買収がまとまってしまった。これがアメリカ、もしくはシリコンバレーのスピード感。現在が歴史になったとき、ITを巡る大変革のひとつの大きな動きとして記録される出来事になるかもしれない。

The New York Times : Google to Acquire YouTube for $1.65 Billion

Google announced this afternoon that it would buy YouTube, the popular video-sharing Web site, for stock that it valued $1.65 billion.

16億5千万ドルはとてつもない数字だが、彗星のようにネット上に現れた一企業の価値が、急速にそこまで上昇させることが可能であるということを考えると感慨深い。

The New York Times : Google to Acquire YouTube for $1.65 Billion

The acquisition of the privately held YouTube will enable Google to thrive in one area of the Internet where it has so far failed to gain footing. According to Hitwise, which monitors Web traffic, has the lion’s share of online video traffic. YouTube has a 46 percent share, MySpace has 23 percent and Google Video has 10 percent.

後追いでGoogle Videoを作った訳だし、技術力でYouTubeにそこまでの優位性があるとは思えないので、GoogleはYouTubeのシェアとブランドを主に狙いとして今回の買収を行ったということだと思う。ただなんとなくつまらない。Google Watcherの梅田さんは、

My Life Between Silicon Valley and Japan : GoogleがYouTube買収!!! 圧倒的に正しい戦略が迅速に執行されたのだと評価する

この買収ニュースを聞き反射神経的に感じたのは、「こんなものゼロから作れば俺たちの方がいいものが作れる」という「天才的技術者の発想」より遥かに上位のところで、Googleがきちんと「正しい経営判断」が下す会社になったんだなぁ、ということである。

Googleがさらに恐ろしい会社に変貌を遂げた瞬間と言えるのではないだろうか。

と今回の買収に高い評価を与えているのが、エンジニアの観点からすれば経営の観点からは正しいと理解しつつも、「競争しないで上から飲み込んでしまうのか」という子供が大人のやり口を見たときのような、そんな想いを頂いてしまう。単に僕が子供だからだろうか。

The New York Times : Google to Acquire YouTube for $1.65 Billion

Sequoia’s stake in YouTube has been estimated at approximately 30 percent, which means it would be worth about $495 million based on the acquisition price.

YouTubeに投資したセコイアは株式の約30%を保有しているので、単純計算5億ドルもの資産を手にしたことになる。こんな投資案件は何十年に一度だろうが、たかだか数年でここまでのリターンを得るなんて凄過ぎる。