脳は若い方が良いのだろうか

東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング

東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング

最近どうも気になる風潮がある。それは世間一般で「良い脳 = 若い脳」という図式がさも当たり前のことかのように扱われていること。

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脳科学者でも何でもないので、何かデータで実証したりとか、難しい理論を持ち出したりとかそういうことは出来ないのであるが、僕は上述した「若い脳が良い脳」という考え方には十分な説得力は感じない。おそらく世間的には、肉体の衰えという非常にイメージし易い似通った概念があること、アンチエイジングという言葉に代表される「いつまでも若くいよう」という意識が流行っていること等の理由により、よく考えもせず「脳を若くしたい」と思ったりしてるんじゃないだろうか。
脳の瞬発力なんて言葉があるかどうかは分からないが、確かに物事を思い出すスピードとかそういうのは、ある時点を境に落ちていくような気がしないでもない。がしかし、例えば何も知らなかった十代のガキの頃と、だんだん世間が分かってき始めた今では「思い出すべき記憶の量」が圧倒的に違う。探しだすべき引き出しが増えているのに、純粋に速度が落ちたことを理由に「脳が衰えた」とは言えないだろう。
肉体はどんどん衰えていくというのに、脳までどんどんと衰えていくと信じ込んでいるようでは人生が非常につまらないものになってしまう。引用したゲーム等で脳を鍛えることは大変素晴らしいと思いますが、それと「脳を若返らせる」ことを同一視しなくてよいと思う。