中田英寿(元)選手のMBA取得計画に「待った」

gooニュース : MBA取得 第2の人生は実業家

電撃的に引退を表明した中田だが、第2の人生のプランをしっかりと温めていた。今後の動向について、関係者は「1カ月くらい欧州を旅することになる。引退したら、世界中を旅したいという夢を持っていた」と明かした。11年間のプロ生活の疲れを癒やすため、海外でリフレッシュ。その後は米ハーバード大でMBAの取得を目指すという。

彼の良いところは自分の計画を公言することである。これは米国人的な気質であると言ってもいいかもしれない。「駄目だったら恥ずかしいから」、「計画倒れになったらみっともないから」と公言を厭う日本人が多い中で、意味ある行動だと思う。自分の発言に自分を追いつかせようと努力することになると思うので、僕も個人的に心掛けていることだ。

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だけど彼のMBA取得計画に関しては「待った」をかけたい。彼が「経営者」になりたいのか「企業家」になりたいのかよく分からないが、どちらにしても待った。
ビジネススクールの授業というものは、現場で直感的に、もしくは先輩社員、上司の見よう見まねで身につけたマネジメントや財務感覚、マーケティング、人材育成などについて「体系的に見直す」という場所である。ここに実務経験のない人間が入っていくと、プログラムはしないけど、コンピューターサイエンスの知識なら異様に持っている、というような学者タイプの人間が出来上がってしまう(知識オタクとも言える)。多くのビジネススクールが実務経験を入学条件に入れているのはそういう意味がある。日本の大学院とは違うのだ。
「彼はサッカーでみんなを率いていた司令塔じゃないか。実務経験としては十分だ」という意見もあるかもしれないし、僕はサッカー日本代表の司令塔としてチームを率いるというのがどの程度の経験なのか判断できないのでなんとも言えないが、代表戦というのは商売っ気のまったくない世界だと思うので、ビジネスのマネジメントという意味ではやはり経験不足なんじゃないかと思う。
彼は確かcafeをやっていたと思うし、どこぞのチームのマネジメントに入れてもらおうと思えば簡単に入れるはずなので、一度そういった場所で経験を積んでみてはいかがだろうか。頭の良い彼のことだ、そこである一定以上の成果は出せるだろう。あ、でもcafeは止めた方が良いかも。彼の知名度がほっといても客を呼んでしまうだろうから。
MBAは32歳くらいが取得平均年齢だと思うし、まだ29歳の彼には十分な時間がある。MBAを取ることで箔を付けたいともし彼が考えているのだとしたら、気持ちは分かるが焦らないで行動することをお勧めしたい。スポーツマン出身の経営者や、スポーツチームのGMに話を聞いてきてはいかがだろうか。