神田敏晶「Web2.0でビジネスが変わる」

Web2.0でビジネスが変わる [ソフトバンク新書]

Web2.0でビジネスが変わる [ソフトバンク新書]

「ビジネスが変わる」と書いてあるものの、著者がメディアをやっている関係か、宣伝や広告の分野における話題が中心。Web2.0と言われている現象がその分野にどのような影響を及ぼすのか、どのようにWeb2.0の考え方を取り入れるべきなのかという話題が中心に位置する。そして本書の最重要キーワードとなるのが、CGM(Consumer Genarated Media)である。

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CGMとは要は「客が作るメディア」ってことで、例えば今書いている書評もそのひとつに含まれるだろう。本書では日産のティーダの例などを元に、会社に利益をもたらすCGM作りを提案している。本書でも言及している通り、諸刃の剣的な感は否めないが、消費行動の何割もがネットから得た情報に左右されている現在、非常に効果的なマーケティングツールになる可能性はあるだろう。「統制のとれたCGM」が作れるとしたらそれがベストかもしれない。

本書のWeb2.0なんたらの話は、主にネットをあまり利用しない人に対して書かれたものなので、僕としては特に興味は湧かなかったが、後半部の「好きなことを仕事にする」における著者の経歴、人生観、メディア批判が面白かったように思う。看板に偽りなく、好きなように書いた文章だと思う。僕はメディアにはあまり興味はないのですが、メディア批判には興味があるので同調する部分がありました(笑)