
- 作者: 芳沢光雄
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/05/19
- メディア: 新書
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面白かったし懐かしかったけど、この本完全にマーケティングに失敗していないだろうか。中身は小中学生、高校生、もしくはその先生が対象って感じだけど、新書の中心読者層じゃないだろうし。数学を懐かしむサラリーマンが主な購入層になりそうだけど、それじゃあ芳沢先生の想いが届いて欲しい人に届かないと思いますが。どうなんでしょう、芳沢先生。あ、子供に上手いこと算数教えたいって人が買うとよいかも。
内容としては、算数・数学を学ぶ上で「つまずき」易いと思われる部分、つまり挫折のきっかけとなり易い部分をとり上げて、解き方を教えるのではなく理屈を教える、きちんと説明する、というスタンスで著者が解説をしていく。本書の裏にある論理は前作の数学的思考法と同様のものだが、本書はもう少し具体的な問題を取り上げ「解法の理由を子供に納得してもらう」を目指して書いている本だと思います。例えば「なんで分数の割り算をするとき、分母と分子をひっくり返してから掛けるのか」を子供に説明するにはどうすればよいのか、それがこの本を読むと分かる。そういう本です。
帯にもあるけど、上記で挙げた「つまずき」というのがこの本の最重要キーワード。つまずいて数学に苦手意識を持つものが多いのが現状だが、著者の主張はむしろ「つまずき」を経験するからこそ、数学が得意になれる、数学を好きになれるというもの。
- 足し算の筆算でつまずいてしまった著者
- 繰り上がり、繰り下がりで子供のころ苦戦した友人の数学者
などを例に挙げている。この辺は数学的思考法の最重要キーワード「試行錯誤」と繋がってくる部分。「つまずき」に対して試行錯誤することが大事なんだよね。そして最終的にそれを乗り越えられればもっといい。
この本読んで思い出したけど、ホント空間的な思考が苦手なんだよな。ジャガイモでも切って特訓するかな。