論理的に考えれば正しくても、感情的に(あるいは本能的に)受け入れがたいこと、ってのが世の中にはあると思う。例えば定率減税廃止、これに着目してみる。定率減税は廃止されるのに、高額所得者(3000万円以上だそう)に対する減税措置と、法人税に対する減税措置が廃止されないことに非難の声が挙がっている。「貧乏人からばっかり金とってどうすんだっ!金持ちから搾り取りやがれっ!」とついつい感情的になってしまいがちな話題だ。僕も例外ではない。
だけど政府の気持ちも分かる。結局景気に大きく影響を与えるのは会社やお金持ちである。このお金を使ってくれる方々の動きを封じるような増税は経済的に見て損失も多く、最終的にお金の無い人の利益にもならない。一方お金が無い人はもともとあまりお金を使ってくれないので、景気に与える影響は小さい。だったかこの人達から少しずつお金を集めて、使わないお金を政府が何かに使った方が経済的に見て全員に利益があるだろう、そういう考え方なのだ。
とここまで考えたとしても、やはり何か受け入れがたいものを感じてしまう。本能的に嫌がっているというか、「生理的に受け付けない」というやつだろう。大多数の人はこの感覚を持っていると思う。だからこれを国民に理解させるには超ド級の説明能力が必要であり、そんなの持ってない政府は、説明無しに強引に施策を進めるしかないのである。今の構図ってそんなんじゃないかなぁ。
ちなみに定率減税廃止をはじめとする、所謂サラリーマン減税が正しい、正しくないの議論ではないのでご了承を。