孫正義氏が溜め込んでいた鬱憤

R30さんのところを中心に、「ソフトバンク×ボーダフォン」の話題がネット上で盛り上がりを見せている。僕もほんの軽く意見を述べておく。

http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0602/10/news103.html

を読むと、孫氏は以下のようにコメントしていたらしい。

ブロードバンドはNTTと同じタイミングだったが、携帯は先行3社が以前から展開している。1〜2年でひっくり返そうとするとケガをするだろう。徐々にアクセルを踏み、10年20年でも着実に進めていく。

これは「最終的な勝者になるのが10年、20年後だ」という意味であって、ボーダフォンとの取引がまとまった後の孫氏の動きは、光のごとく早いであろうことが容易に想像できる。既存の携帯電話業界に対する鬱積した想いと、総務省とのいざこざで溜まったストレスを一気に晴らすべく電光石火の動きを見せるに違いない。おそらく彼の中でずっと思い描いていた「携帯電話に対するビジョン」があり、今回の買収でボーダフォンという、ビジョンを具現化できうる「道具」を手に入れるわけだから、プログラマでいう「頭の中では完成しているから、あとはコード書くだけなんだよね」という状態になったことになる(プログラマの場合、ここから長いときあるけど)。もう戦略は練りに練られているのだ。
孫氏が戦略打ち出す→業界構造に変化→他社が対応策→孫氏が新たな戦略を…というループがしばらく続き、事態が収束するのが上述した10年、20年後ということになるだろう。
それにしても孫氏がここまで携帯電話にこだわっている以上、孫氏が打ち出してくる戦略には大いに興味を持たざるをえない。現在の僕の仕事は携帯電話に関係がないし、プライベートでも相当なプアーユーザーなので、今後はその一点だけに注目である。
ウィルコムの件といい、僕の知らない間に日本通信業界の大変革は始まっているようだ。