インターネットに墓を建てる

先日母が亡くなりました。春に癌が発覚してから亡くなるまであっという間の4か月でした。

母が亡くなってからそれはたくさんの事を考えましたが、そのうちのひとつが「母がブログをやっていたらよかったのにな」というものです。母は優しい人でしたが、世間一般の優しいお母さんイメージにはあまり当てはまらないような人で、どちらかというと私にとっては人生の師匠みたいな人でした。考えを押し付けるようなところは一切ありませんでしたが、人が生きる上で何を大事にするべきなのか、どのように考えて行動するべきなのか、そんな類の事をよく語ってくれる人で、私はもろにその思想の影響を受けて育ったと思います。

母が亡くなってから、そしてきっとこれからも、要所要所で母の考えに触れたくなることが出てきます。そんなとき、母がブログにでもその思想を書いていれば便利だったのにな、と思った次第です。

亡くなった母の事を今更どうこう言っても遅いのですが、私ももう人の親なので、私がそれを実践することにし、ここに新しいブログを立ち上げました。まずは二十代の頃に書いていた青臭いブログをこちらに復活させました。他のブログもこちらにどんどん集約し、最終的にはここを自分の墓にしたいと思います。千の風になるのではなく、千の記事になっていこうと思います。

とはいえもちろん技術的に課題があります。結局のところブログサービスも何処かの企業にホストされているわけで、その企業が消え去ったり、もしくは私が亡くなって料金を払えなくなればこれのブログは埋もれていってしまいます。これはどうにかしないといけません。個人的にはWEB3に期待する事のひとつがこれで、国家も含む複数の機関・組織で運営される分散型の公共ブログサービスのようなものが運営されれば(技術的にはとっくに可能)、そこに各人が生きた証を残せます。将来戸籍や住民票が分散型のデータベースに乗ることがあれば、そこで可能にしてもらえると嬉しいですね。