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宇都直輝の2035分をデータで振り返る

2017-18シーズンの宇都直輝のスタッツはすごいです。

59試合に出場しリーグでただひとり2000分を超えるプレー時間を記録(ちなみにプレー時間リーグ2位はチームメイトの大塚裕土)、試合平均得点は日本人最多の17.0点、そしてご存知の通りアシスト王を受賞、そしてターンオーバー数でもリーグ最多となりました。

2035分も出場したシーズンを闘ったあとで残留プレイオフ、そして最終的には熊本との入れ替え戦があり、その後は日本代表としての活動もあったわけですから、その精力的なバスケットへの取り組みには頭が下がります。

宇都のオフェンスが富山全体のオフェンスに占める割合

宇都が富山の攻撃の起点であることは疑いようがないと思いますが、それは数値にするとどれくらいでしょうか?以下の記事の中で各チームの得点効率というものを求めましたが、その前提として各チームのポゼッション数というものを求めました。これは簡単に言えばチームのオフェンス機会がどのくらいあったのかを表す数字でした。

記事にあるように富山には4529回のオフェンス機会があった訳ですが、この中で宇都で終わったオフェンスはどのくらいあったでしょうか?宇都のフィールドゴール数、フリースロー数(に0.44をかけたもの)、ターンオーバー数を合計してから4529で割ると約0.26です。これはつまり富山の攻撃の約26%が宇都のシュート、もしくはターンオーバーで終わっているということになります。

これにアシストの数も足すと約36%になりますので、それも考慮に入れると富山の攻撃の約36%は宇都のシュートかターンオーバー、もしくは宇都のアシストからのシュートで終わっているということになります。宇都がパスした先でシュートが外れたり、ターンオーバーが起きたりといった場合もあるので(これらはアシストに記録されない)、実際にはもう少し高い割合で宇都を起点にしているはずです。

上述のようにチームの1/4以上のオフェンスで起点になっている宇都ですから、その調子いかんでチーム全体のオフェンスが左右されることになりそうです。*1

宇都の疲労について考察する

ここまで長時間出場し、かつチームのオフェンスの起点になっている選手ですから疲労は相当なものだと思います。特に宇都の場合、失礼ながらあまり外からのシュートが得意ではなく、ダイナミックにドライブして点を取りに行くスタイルです。これは非常に体力を消耗する点の取り方ではないかと思います(なので宇都のプレーは華があり、見ていて気持ちがいいわけですが。)

シーズンが進むに連れて宇都の得点力は落ちていかなかったでしょうか、以下のグラフはx軸がシーズン60試合を、y軸が各試合の「出場1分あたりの得点数」を表しています。

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シーズン後半に進むに連れて宇都の得点力が落ちているということはなさそうです。しかし得点力のアップダウンになにやら周期性がありそうです。この「出場1分あたりの得点数」を、前日にも試合があったかどうか、つまり連戦だったかどうかで分けて見てみましょう(出場59試合中31試合が連戦。)

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かなり如実に差が付きました。Bリーグのスケジュール上、連戦の場合は同じチームを相手に戦っている場合がほとんどです。なので相手側の要因は最小限のはず。やはり連戦だとどうしても疲労が得点力に影響するのではないでしょうか。

同じ要領でアシスト数とターンオーバー数についても見てみると、アシストではさらに如実にパフォーマンスの差がありそうです。ターンオーバーは中央値は同じようなものですが、やはり連戦時の方が多くターンオーバーを出していたようです。

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ついでにフィールドゴール%について見てみると、やはり連戦のときの方が数字が落ちています。

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ちなみに出場時間を見ると、むしろ連戦時の方が宇都はコートに長く立っています。これは不十分だったかもしれないが次の日に備えて宇都を休ませていた結果かもしれませんし、単純に連戦時の方がゲームが厳しくなり、宇都が長くプレーせざるを得なかったのかもしれません。

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まとめ

大活躍した2017-18シーズンの宇都直輝のスタッツを振り返ってみました。正直シーズンMVPでもおかしくないほどの数字だと思います。

来シーズンのグラウジーズ千葉ジェッツふなばしから阿部友和が移籍するということなので、阿部を上手く使い宇都の力をうまく温存することがシーズンを勝ち切る為のひとつの大事なポイントとなりそうです。そこに注目していきたいと思います。

*1:ちなみにこの考え方はUSG%と呼ばれNBAで採用されており、この記事なんかが参考になると思います。

機械学習でBリーグの選手を13タイプに分類してみた

今回の記事は半分ネタです。

ご存知の通りバスケットはひとつのチームから5人がコートに立つスポーツです。よって往々にして選手は5つの役割に分割して語られがちです。それを1番から5番と呼んだり、ポイントガード、シューティングガード、スモールフォワード、パワーフォワード、センターと呼んだりします。

しかし同じポジションに分類されるプレイヤーでもプレースタイルは実に様々です。例えば先日の日本代表の面子を見てみても、富樫、篠山、宇都は同じ1番もしくはポイントガードと分類される選手ですが、そのプレーはかなり異なっています。

上のような議論を考慮し、バスケットプレイヤーをもっと細かく分類しようという試みは既になされています。例えば以下のWiredの記事中ではAyasdiという会社のインターンが、NBAの選手を13のグループに分類した例が紹介されています。

今回はこれをヒントに、機械学習を使ってB1の選手を13のグループに分けて(この行為をクラスタリングと呼びます)みたいと思います。機械学習はどの選手とどの選手が似たタイプだと判断するでしょうか。

機械学習のパラメータとして利用したスタッツ

今回機械学習に使ったスタッツの値ですが、まず前提としてどの値も出場時間平均にして使うことにしました。総計を使う、または出場試合平均を使うという手もありましたが、そんなに出番がなかった選手にも光が当たる可能性を増やしたく、出場時間平均を使いました。これに伴い、あまりにも出場時間が少ない(100分に満たない)選手は対象外としました。

以下が実際に使用したスタッツです。逆に言うとこれ以外のスタッツは結果に影響ありません。

  • 2点シュートを打った本数の出場時間(分)平均
  • フリースローを打った本数の出場時間(分)平均
  • リバウンドを取った数の出場時間(分)平均
  • ブロックショットをした数の出場時間(分)平均
  • 3点シュートを打った本数の出場時間(分)平均
  • アシストをした数の出場時間(分)平均
  • スティールをした数の出場時間(分)平均

本当は2点シュートの本数はゴールに近い、遠いで分けたかったのですがデータがありませんでしたのでひとまとめでやります。

シュート系のスタッツですが、シュートを決めた数ではなく打った数であることに注意してください。つまり、例えばスリーポイントをたくさん打った選手であれば、成功確率が高かろうが低かろうが同じタイプの選手として分類される傾向にある、ということになります。

最後になりますが、例えばシュートの本数とブロックショットの数では桁が違うので、すべての尺度のスケールを揃えるためにZ得点と呼ばれる値に各値を変換してから用いてます。Z得点は偏差値だと思ってもらえればいいと思います。実際Z得点に10をかけてから50を足せば偏差値です。大体の場合において-3〜3くらいの範囲に収まります。

クラスタリング手法

今回はk平均法と呼ばれる方法を用います。この手法の細かい点の説明は省きますが、注意しなければいけないポイントとして以下があります。

  • k平均法は初期値に依存して結果が変わってしまう
  • k平均法は最初にいくつのグループに分類するか決めなければならない

初期値に関しては、今回は最初に設定したランダムな値をベースに出た結果を採用することにしました。グループの数は引用した記事と同じ13としました。

クラスタリング結果

まずは13のグループのそれぞれの人数と、各スタッツのZ得点の平均を見てみましょう。若干見づらいですが、平均のZ得点が1.5を超えたものに関しては数値を太字にしています。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
1 27 0.96 -0.75 -0.73 -0.81 -0.60 0.31 -0.32
2 17 0.05 -0.56 -0.42 -0.48 -0.30 1.51 0.51
3 11 1.08 1.16 1.58 1.11 0.16 1.64 1.11
4 19 -0.95 2.06 1.90 1.64 1.12 -0.23 -0.26
5 29 -0.51 -0.25 -0.44 -0.60 -0.52 0.10 0.04
6 8 -0.73 0.79 0.11 -0.37 -0.57 0.61 2.31
7 13 0.76 0.51 0.35 1.18 1.11 -0.31 -0.04
8 16 -1.20 -0.45 -0.37 -0.03 0.01 -1.01 -1.11
9 33 0.61 -0.94 -0.83 -0.64 -0.58 -0.91 -0.66
10 16 0.73 0.09 0.35 -0.31 -0.29 -0.71 -0.23
11 21 0.48 -0.55 -0.47 -0.84 -0.70 0.06 1.66
12 13 -1.19 0.90 0.83 1.45 2.36 1.14 -0.48
13 14 -1.23 0.64 0.58 1.24 0.79 -0.68 -0.84

ではひとつずつグループを見ていきましょう。

グループ1

グループ1に属する選手はスリーポイントを平均以上に打ちました。スティールは平均的ですが、その他のスタッツはすべて平均を下回っています。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
1 27 0.96 -0.75 -0.73 -0.81 -0.60 0.31 -0.32

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのスリーポイント本数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
京都 坂東 拓 SG 286.68
琉球 津山 尚大 PG/SG 765.10
栃木 渡邉 裕規 PG 679.50
栃木 山崎 稜 SG 236.23
三河 狩俣 昌也 PG 680.98
栃木 喜多川 修平 SF 1161.83
三遠 田渡 修人 SG 1686.48
滋賀 長谷川 智伸 SG/SF 1341.20
千葉 石井 講祐 SG 1141.28
三河 松井 啓十郎 SG 701.92
富山 上江田 勇樹 SG/SF 1066.22
富山 岡田 優 SG 244.63
富山 橋本 尚明 SG 939.37
北海道 関野 剛平 SG/SF 1117.43
滋賀 高橋 耕陽 SG/SF 1068.63
川崎 谷口 光貴 SG 478.60
琉球 須田 侑太郎 SF 1046.85
SR渋谷 清水 太志郎 PG/SG 396.43
島根 山本 エドワード PG 904.37
川崎 小澤 智将 SG 170.42
栃木 前村 雄大 PG/SG 126.18
島根 相馬 卓弥 SG 1474.38
A東京 ザック・バランスキー SF/PF 1066.48
西宮 谷 直樹 SF 1515.97
川崎 長谷川 技 SG/SF 1402.47
島根 後藤 翔平 PG 723.58
滋賀 菅原 洋介 SG/SF 374.18

グループ2

グループ2を特徴づけるのはなんと言ってもスティール数です。またアシストでも悪くない値が出ています。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
2 17 0.05 -0.56 -0.42 -0.48 -0.30 1.51 0.51

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのスティール数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
名古屋D 柏木 真介 PG 372.72
千葉 トニー・ガフニー PF 360.67
滋賀 田中 大地 SF 143.52
千葉 西村 文男 PG 669.95
SR渋谷 広瀬 健太 SF 956.82
大阪 合田 怜 PG 1027.23
SR渋谷 ベンドラメ 礼生 PG 1512.57
A東京 馬場 雄大 SF 831.13
京都 綿貫 瞬 PG 654.55
三河 橋本 竜馬 PG 1313.88
千葉 アキ・チェンバース SF 1205.85
千葉 阿部 友和 PG 497.67
西宮 大塚 勇人 PG 259.38
北海道 桜井 良太 SF 1198.57
栃木 鵤 誠司 PG 1137.77
名古屋D 中東 泰斗 SG 1424.68
三遠 川嶋 勇人 PG 1352.63

グループ3

グループ3は非常に興味深いです。まずグループ2に続きスティールの値が高いです。またフリースローをはじめとして、全体的にシュートを打った回数が多いグループです。アシストも1を超えています。ブロックショットだけは平均的なようです。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
3 11 1.08 1.16 1.58 1.11 0.16 1.64 1.11

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりの2点シュートを打った本数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
島根 タイラー・ストーン PF 310.60
三遠 ウェンデル・ホワイト SF/PF 773.88
栃木 セドリック・ボーズマン SF 814.48
栃木 ライアン・ロシター PF/C 1611.45
北海道 ディジョン・トンプソン SF/PF 415.90
北海道 グレゴリー・ウィッティントン SF/PF 334.03
栃木 ジェフ・ギブス PF/C 766.75
富山 ドリュー・ヴァイニー SF/PF 696.72
西宮 ドゥレイロン・バーンズ SG/SF 1142.70
京都 ジュリアン・マブンガ PF 1030.80
横浜 ジェフリー・パーマー SF/PF 1115.00

グループ4

グループ4は2点シュートとフリースローの本数が多く、またリバウンドも多いです。逆にスリーポイントは少ないことからインサイドの選手が属していると思われます。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
4 19 -0.95 2.06 1.90 1.64 1.12 -0.23 -0.26

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのフリースローを打った本数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
新潟 ダバンテ・ガードナー C 1771.73
京都 ジョシュア・スミス C 1394.12
滋賀 ベンキー・ジョイス PF 735.67
島根 ジョシュ・スコット PF/C 1352.27
富山 クリント・チャップマン PF 453.83
大阪 エグゼビア・ギブソン C 716.72
千葉 ギャビン・エドワーズ PF 1741.97
川崎 ニック・ファジーカス C 1794.27
A東京 アレックス・カーク C 1564.98
大阪 キース・ベンソン C 692.17
名古屋D ジャスティン・バーレル PF/C 1280.90
川崎 ジュフ・バンバ SF/PF 159.02
富山 デクスター・ピットマン C 1015.27
SR渋谷 ロバート・サクレ C 1582.55
川崎 ジョシュ・デービス PF 1257.37
島根 ギャレット・スタツ C 348.03
西宮 キャメロン・リドリー PF/C 632.32
横浜 ウィリアム・マクドナルド PF/C 926.60
西宮 ハーバート・ヒル PF/C 728.25

グループ5

グループ5には残念ながらあまり特筆するべきところがありませんが、強いて言うならスティール数、アシスト数では平均的です。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
5 29 -0.51 -0.25 -0.44 -0.60 -0.52 0.10 0.04

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのスティール数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
西宮 松崎 賢人 PG 558.20
富山 水戸 健史 SG 1042.53
横浜 高島 一貴 SG 1071.80
SR渋谷 伊藤 駿 PG 1010.48
西宮 道原 紀晃 PG/SG 1675.98
新潟 畠山 俊樹 PG 1268.30
西宮 岡田 優 SG 652.22
滋賀 横江 豊 PG 488.07
名古屋D 船生 誠也 SF 1262.17
琉球 渡辺 竜之佑 PG/SG 182.90
西宮 谷口 淳 PF 998.68
横浜 竹田 謙 SG 559.38
A東京 安藤 誓哉 PG 1347.63
A東京 菊地 祥平 SF 1045.72
横浜 蒲谷 正之 SG 318.43
横浜 佐藤 託矢 PF 975.53
三河 森川 正明 SF 184.32
横浜 満田 丈太郎 SG 1155.78
大阪 今野 翔太 SG 1335.73
大阪 藤高 宗一郎 SF 709.58
栃木 生原 秀将 PG 1005.67
北海道 川邉 亮平 SF 908.90
島根 岡本 飛竜 PG 730.65
滋賀 小林 遥太 PG 430.23
三河 村上 直 PG 477.05
京都 片岡 大晴 SG 1176.75
西宮 梁川 禎浩 SG 989.97
横浜 山田 謙治 PG 265.07
川崎 野本 建吾 SF/PF 447.55

グループ6

グループ6は圧倒的なアシスト力を誇るグループです。ガードの選手が属すると予想されますが、スリーポイントの本数は少ないことからシューターは属していないようです。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
6 8 -0.73 0.79 0.11 -0.37 -0.57 0.61 2.31

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのアシスト数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
滋賀 並里 成 PG 1649.35
北海道 松島 良豪 PG 713.17
富山 宇都 直輝 PG 2035.30
三河 桜木 ジェイアール PF 1711.15
京都 伊藤 達哉 PG 1415.08
横浜 田渡 凌 PG 1043.53
三河 比江島 慎 PG/SG 1423.73
栃木 田臥 勇太 PG 1073.50

グループ7

グループ7はリバウンド数、ブロックショット数が多いことからインサイドの選手が予想されますが、スリーポイントの本数も0.76とわりかし多めなのが面白いです。外からも打てるインサイド選手ということでしょうか。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
7 13 0.76 0.51 0.35 1.18 1.11 -0.31 -0.04

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのスリーポイントの本数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
島根 アル・ソーントン SF/PF 453.17
名古屋D クレイグ・ブラッキンズ PF/C 1290.08
西宮 コナー・ ラマート PF 680.67
SR渋谷 ジョシュ・ハレルソン PF/C 1406.72
三遠 ロバート・ドジャー PF 850.92
新潟 ラモント・ハミルトン PF/C 685.05
富山 サム・ウィラード PF 1416.00
大阪 デイビッド・ウェア SF/PF 988.73
島根 ブレンダン・レーン PF 352.78
滋賀 オマール・サムハン C 733.75
A東京 竹内 譲次 PF/C 1172.08
千葉 レオ・ライオンズ SF/PF 948.40
琉球 アイラ・ブラウン PF 1722.18

グループ8

このグループはリバウンド、ブロックショットでは平均的ですが、他のスタッツはあまり目立ったところがなかったようです。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
8 16 -1.20 -0.45 -0.37 -0.03 0.01 -1.01 -1.11

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのリバウンド数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
富山 青木 ブレイク PF 358.58
名古屋D 大宮 宏正 PF 126.43
西宮 坂井 レオ PF/C 270.02
滋賀 樋口 大倫 PF 265.50
西宮 土屋 アリスター時生 C 135.12
千葉 伊藤 俊亮 C 148.17
富山 小原 翼 PF 312.95
三遠 比留木 謙司 PF 121.37
島根 波多野 和也 PF 922.93
西宮 石塚 裕也 PF 739.77
千葉 荒尾 岳 PF 118.30
島根 小阪 彰久 PF 334.07
富山 葛原 大智 SG 178.30
西宮 内藤 健太 SG 277.10
新潟 遥 天翼 SF 847.23
川崎 鎌田 裕也 PF/C 787.35

グループ9

グループ9はスリーポイントを平均より多く打っているものの、2点シュート、スティール、アシストなどでは平均よりぐっと落ちており、スリーポイントシュートが特徴のグループとなりました。また人数も33人と最多です。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
9 33 0.61 -0.94 -0.83 -0.64 -0.58 -0.91 -0.66

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのスリーポイント本数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
京都 岡田 優介 SG 1410.28
大阪 安部 潤 PG/SG 214.88
名古屋D 安藤 周人 SG 1351.97
琉球 田代 直希 SF/PF 1145.53
SR渋谷 ルーベン・ボイキン PF 209.37
新潟 城宝 匡史 SG 1155.38
滋賀 狩野 祐介 SG 1379.80
名古屋D 中務 敏宏 SG/SF 489.28
新潟 池田 雄一 SF 1151.37
新潟 今村 佳太 SG/SF 859.73
SR渋谷 杉浦 佑成 SF 225.60
三遠 大石 慎之介 SG 207.55
三遠 岩田 涼太 SG/SF 178.60
富山 大塚 裕土 SG/SF 1849.85
京都 晴山 ケビン SF 1033.43
島根 佐藤 公威 SG 1796.42
SR渋谷 長谷川 智也 SG 1038.93
栃木 遠藤 祐亮 PG/SG 1431.63
千葉 原 修太 SG/SF 680.83
京都 内海 慎吾 SG 1110.30
三遠 鹿野 洵生 SF 1307.05
琉球 金城 茂之 SG 238.78
大阪 根来 新之助 SF/PF 1158.48
三河 西川 貴之 SF 959.50
島根 熊谷 宜之 SF 486.78
新潟 鵜澤 潤 PF 875.63
A東京 正中 岳城 SG 469.22
滋賀 佐藤 卓磨 SF/PF 477.55
西宮 セオン・エディ SG 367.75
SR渋谷 菊池 真人 PF 852.22
新潟 佐藤 優樹 SG 129.63
三遠 岡田 慎吾 SG 1083.22
川崎 栗原 貴宏 SF 796.18

グループ10

グループ10です。こちらもスリーポイントが特徴ですが、グループ9とは違って2点シュートもフリースローもそこそこ打っています。そこが違いですね。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
10 16 0.73 0.09 0.35 -0.31 -0.29 -0.71 -0.23

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのスリーポイント本数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
三遠 カルティエ・マーティン SG/SF 430.00
琉球 古川 孝敏 SF 1101.25
名古屋D ジェロウム・ティルマン PF 1042.20
三河 金丸 晃輔 SG/SF 1599.52
大阪 熊谷 尚也 SF/PF 1623.52
横浜 川村 卓也 SG 1685.23
千葉 小野 龍猛 SF/PF 1599.80
A東京 ジャワッド・ウィリアムズ PF 1165.58
横浜 湊谷 安玲久司朱 SG 104.25
名古屋D 張本 天傑 SF/PF 1180.25
北海道 折茂 武彦 SG 1114.48
北海道 野口 大介 PF 998.17
北海道 牧 全 SG 346.57
SR渋谷 満原 優樹 PF/C 1145.38
京都 永吉 佑也 PF/C 1508.92
大阪 橋本 拓哉 SG 1198.43

グループ11

グループ11は再びアシストが特徴的なグループです。ただスリーポイントは多めながら、2点シュートは少なめのグループです。アシストが得意なスリーポイントシューターというところでしょうか。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
11 21 0.48 -0.55 -0.47 -0.84 -0.70 0.06 1.66

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのスリーポイント本数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
川崎 辻 直人 SG 1572.38
琉球 岸本 隆一 PG/SG 1529.52
千葉 富樫 勇樹 PG 1391.82
新潟 五十嵐 圭 PG 1829.97
琉球 二ノ宮 康平 PG 752.68
名古屋D 笹山 貴哉 PG 1433.50
川崎 藤井 祐眞 PG 1419.12
横浜 細谷 将司 PG 1346.97
琉球 石崎 巧 PG/SG 699.05
A東京 田中 大貴 SG 1552.17
大阪 木下 博之 PG 1088.40
北海道 伊藤 大司 PG 729.07
三遠 鈴木 達也 PG 1293.62
北海道 多嶋 朝飛 PG 1357.20
島根 渡邊 翔太 PG 1076.67
川崎 篠山 竜青 PG 1296.20
SR渋谷 山内 盛久 PG/SG 1225.80
A東京 小島 元基 PG 956.77
名古屋D 藤永 佳昭 PG 870.82
新潟 森井 健太 PG 355.38
富山 宮永 雄太 PG 405.13

グループ12

ブロックショットグループです。合わせてリバウンドや2点シュート、フリースローの本数も多いですね。はい、インサイドです。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
12 13 -1.19 0.90 0.83 1.45 2.36 1.14 -0.48

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのブロックショット数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
横浜 ハシーム・サビート C 1396.60
SR渋谷 ブランデン・ドーソン SF/PF 122.43
滋賀 ディオール・フィッシャー PF/C 1777.80
栃木 アンドリュー・ネイミック C 253.22
北海道 ダニエル・ミラー C 1287.72
北海道 マーク・トラソリーニ PF/C 1484.45
琉球 ハッサン・マーティン PF/C 1612.88
千葉 マイケル・パーカー PF 1520.30
A東京 ランデン・ルーカス C 259.37
琉球 ヒルトン・アームストロング C 1259.58
京都 マーカス・ダブ PF 886.98
島根 ジャミール・マッケイ PF 131.10
大阪 グレッグ・スミス PF/C 438.32

グループ13

最後のグループになります。こちらもインサイドの選手が予想されますが、どちらかというとリバウンドが貢献だった選手のようです。

グループ 人数 3点シュート試投数 2点シュート試投数 フリースロー試投数 リバウンド数 ブロックショット スティール数 アシスト数
13 14 -1.23 0.64 0.58 1.24 0.79 -0.68 -0.84

このグループには以下の選手が属しました。時間あたりのリバウンド数の多い順に並べています。

TEAM PLAYER PO MIN
川崎 ルー・アマンドソン PF 445.30
三河 アイザック・バッツ C 1622.28
西宮 ジョーダン・ヴァンデンバーグ C 375.92
三河 コートニー・シムズ PF 471.50
A東京 ブレンダン・レーン PF/C 555.98
三河 ダニエル・オルトン PF 919.82
新潟 ジャレッド・バーグレン PF/C 446.33
三遠 スコット・モリソン C 1294.50
島根 ジーノ・ポマーレ PF/C 652.20
SR渋谷 ジャマール・ソープ SF/PF 259.00
栃木 竹内 公輔 PF/C 1549.95
新潟 オースティン・ダフォー PF 696.10
滋賀 ファイ サンバ C 1156.42
三遠 太田 敦也 C 1358.40

まとめ

冒頭で述べたとおり半分ネタだったのですが、個人的にはけっこう面白い結果が出たのではないかと思います。冒頭に挙げた例のうち、富樫と篠山が同じグループに入ってしまったのはご愛嬌ということで。

あと別の記事でも述べましたが、シーズンの途中で移籍があるとその選手に関するスタッツが複数できてしまいます。今回面白かったのが、その複数のデータが同じグループに属さなかったことです。やはりチームが変われば役割が変わってくるということなのでしょうか。

参考書籍

上述のAyasdiの話も合わせて、以下の書籍を参考にしました。

Basketball Analytics: Spatial Tracking

Basketball Analytics: Spatial Tracking

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B2ナンバーワン攻撃力を持つチームはFE名古屋で、勝率1位の秋田は6番手

B1の各チームの得点効率と勝率の相関関係についてはこちらの記事で分析しました。

同じ要領でB2各チームの2017-2018シーズンの得点効率と勝率の関係をみてみましょう。なお上の記事でも説明していますが、得点効率とは攻撃ターンが100回相手から回ってきたときに何点くらい取れそうなのか、というチームの攻撃力を示す数値です。

攻撃ターンが回ってきた回数に関しては(これをポゼッションと言います)、以下の式で近似しています。

ポゼッション数 = フィールドゴールを打った回数
- オフェンスリバウンドの回数
+ ターンオーバーの回数
+ 0.44 * フリースローを打った回数
得点効率 = 総得点数 / ポゼッション数 * 100

では上の式で得点効率を求めてみます。以下の図にチームの勝率と一緒にプロットしてみました。また図の下に数字を表にまとめておきます。

f:id:rintaromasuda:20180701232036j:plain

チーム 勝率 得点効率 総得点 ポゼッション
秋田 0.900 104.94 4798 4572
福岡 0.783 107.18 4865 4539
熊本 0.683 107.66 4863 4517
FE名古屋 0.650 109.03 4964 4553
福島 0.633 103.71 4862 4688
茨城 0.633 104.28 4576 4388
愛媛 0.550 105.70 5047 4775
広島 0.550 103.38 4766 4610
群馬 0.533 107.08 4812 4494
金沢 0.467 102.04 4594 4502
山形 0.417 100.86 4474 4436
信州 0.417 94.62 4225 4465
香川 0.367 96.00 4272 4450
仙台 0.350 99.52 4607 4629
東京Z 0.333 96.03 4305 4483
奈良 0.317 97.98 4325 4414
青森 0.300 102.72 4838 4710
岩手 0.117 87.51 3932 4493

ご覧の通りですが、気になるところをいくつか挙げます。

勝率1位の秋田ですが、得点効率が6位とは意外な結果でした。単純な予想としてはきっとディフェンスが良かったのだろうと思いますが、これはさらに分析してみないと分かりません。B1のときは上位チームは軒並み得点効率も抜けて良かったので、この秋田の結果は興味深いです。

得点効率1位はFE名古屋でした。FE名古屋はB2のスリーポイント王で、試合平均12.1点という数字をマークした福澤を擁します。福澤は来シーズンは茨城でプレーとのことですが、今後とも注目の選手だと言えそうです。FE名古屋の後は熊本、福岡、群馬と続きます。

また若干ではありますが、B1の方が相関関係は強かったようです。B1が相関係数0.864のところB2だと0.802という数字でした。

B2にはスリーポイント成功率40%超えが3人。B1では喜多川のみ。

田口成浩が秋田から千葉に移籍し大きな話題になっています。プロとしてのキャリアすべてを過ごしてきた、そして自分の出身地でもある秋田を離れるのは相当な想いがあってのことでしょう。今後とも注目です。

さてこの移籍をきっかけにB2のスリーポイントシューターについて調べてみました。以下は51試合以上に出場し、3ポイントを90本(60試合で平均すると1試合1.5本)以上決めた選手の試投数と成功確率をプロットしたものです。

f:id:rintaromasuda:20180630220510j:plain

なんと成功確率が40%を超える選手が田口も含めて3人もいます。トップの福澤は300本近く打って成功率が44.5%とは驚きの数字です(ちなみに福澤もFE名古屋から茨城に移籍しています。)もうひとりの朝山は広島のベテラン選手です。

B1のスリーポイントシューターの中で上記の条件を満たしながら40%を超えているのは栃木の喜多川のみです。同じようにプロットしてみます。(すみません、上のプロットと軸の目盛りの位置がずれているのでご注意を。)

f:id:rintaromasuda:20180630220941j:plain

もちろんB1とB2では対戦しているチームが違い、当然シューターが受けるディフェンスも違ってくるので直接比較はできません。ですがB1との比較は置いておいても、B2にはかなり良いシューターがいることが確認できます。

特に福澤はまだ2018-19で3シーズン目とのことですが、スリーポイントに限らずかなりの数字を出しています(2017-18では試合平均12.1点。)残念ながらまだプレーを見ていないのですが、間違いなく茨城ロボッツの注目選手のひとりとなるでしょう。

B1の選手のスリーポイントに関しては以下の記事でも分析しています。

B1全選手の"得点力偏差値"を算出してみた

タイトルのとおりですが、2017-18シーズンのスタッツを使ってB1全選手の得点力偏差値を算出してみました。全選手がひとつの記事に並ぶとけっこう爽快です!

算出の方法

今回は出場時間(分)ごと平均得点を使って偏差値を算出することにしました。総得点や試合ごと平均得点を使ってしまうと出場の機会の多少によって結果が左右されてしまうので、あまり目立ってなかったけど得点を上げていた選手が見つかるといいなと願いつつ、時間ごとの平均得点を使うことにしました。

そのため極端に出場時間の少ない選手は対象から外すことにしました(対象外選手は記事末を参照。)しきい値はデータを見ながら決めましたが、最低でも100分プレーしていることを条件としました。ご了承下さい。

なぜ偏差値なのか

統計の世界やデータの仕事の現場ではあまり偏差値というものは使われませんが、広く知れ渡っている概念のため今回は偏差値を用いることに決めました。Zスコアという同一の概念の方が実際はよく使われます。

分布

まずは対象選手の時間ごと平均得点の分布を見てみましょう。結構きれいな分布になったと思います。

f:id:rintaromasuda:20180625215228j:plain

統計に興味のある方のために、分布の性質を表す数字も載せておきます。

指標
平均 0.36
中央値 0.33
標準偏差 0.16
歪度 0.85
尖度(3が正規分布 3.60

平均と中央値がそれぞれ0.36/0.33ですので、これによりだいたい1分間に0.33~0.35点、つまり3分に1点くらい取れればB1の選手として普通の得点力ということが分かりました。

標準偏差が0.16ですので、1分間に0.5点、つまり2分に1点以上取る選手になってくると、標準の集団から抜け出す得点力があると言えます。

それではさっそく偏差値順に上から見ていきましょう。

偏差値80台

チーム 選手 出場時間(分) 分ごと平均得点 偏差値
新潟 ダバンテ・ガードナー 1771.73 0.96 87.7
川崎 ニック・ファジーカス 1794.27 0.85 80.9

もはや説明の必要のないふたりです。ガードナーはほぼ1分に1点、ファジーカスも0.85点も取っています。ただただすごい得点力です。ふたりの得点王争いについてはこちらの記事でも考察していますので、よろしければ読んで下さい!

偏差値70台

チーム 選手 出場時間(分) 分ごと平均得点 偏差値
三遠 カルティエ・マーティン 430.00 0.76 75.3
富山 クリント・チャップマン 453.83 0.75 74.6
島根 アル・ソーントン 453.17 0.74 74.0
北海道 マーク・トラソリーニ 1484.45 0.72 72.8
三遠 ウェンデル・ホワイト 773.88 0.72 72.8
京都 ジュリアン・マブンガ 1030.80 0.71 72.1
京都 ジョシュア・スミス 1394.12 0.70 71.5
西宮 ドゥレイロン・バーンズ 1142.70 0.70 71.5
島根 タイラー・ストーン 310.60 0.70 71.5
大阪 キース・ベンソン 692.17 0.69 70.9

偏差値70台です。まだ日本人選手の名前は登場しませんね。京都ハンナリーズは主な得点源のふたりがここに並び、チームの高い得点力が表れています。

個人的に少しもったいないと感じてしまうのが島根スサノオマジックです。ここに2人もランクインしているものの、色々あって出場時間が短く終わってしまいました。

偏差値60台

チーム 選手 出場時間(分) 分ごと平均得点 偏差値
大阪 エグゼビア・ギブソン 716.72 0.66 69.0
島根 ジョシュ・スコット 1352.27 0.64 67.8
名古屋D ジャスティン・バーレル 1280.90 0.64 67.8
富山 デクスター・ピットマン 1015.27 0.64 67.8
北海道 ディジョン・トンプソン 415.90 0.64 67.8
SR渋谷 ロバート・サクレ 1582.55 0.63 67.1
川崎 ジュフ・バンバ 159.02 0.63 67.1
富山 ドリュー・ヴァイニー 696.72 0.63 67.1
千葉 ギャビン・エドワーズ 1741.97 0.62 66.5
A東京 アレックス・カーク 1564.98 0.62 66.5
島根 ギャレット・スタツ 348.03 0.61 65.9
栃木 セドリック・ボーズマン 814.48 0.59 64.6
北海道 グレゴリー・ウィッティントン 334.03 0.59 64.6
新潟 ラモント・ハミルトン 685.05 0.58 64.0
千葉 富樫 勇樹 1391.82 0.57 63.4
三遠 ロバート・ドジャー 850.92 0.57 63.4
西宮 ハーバート・ヒル 728.25 0.57 63.4
三河 金丸 晃輔 1599.52 0.56 62.8
横浜 ウィリアム・マクドナルド 926.60 0.56 62.8
栃木 ジェフ・ギブス 766.75 0.56 62.8
琉球 ハッサン・マーティン 1612.88 0.55 62.2
横浜 ハシーム・サビート 1396.60 0.55 62.2
三河 桜木 ジェイアール 1711.15 0.54 61.5
SR渋谷 ブランデン・ドーソン 122.43 0.54 61.5
名古屋D クレイグ・ブラッキンズ 1290.08 0.53 60.9
名古屋D ジェロウム・ティルマン 1042.20 0.53 60.9

富樫と金丸の名前が登場しました。このクラスになると2分に1点くらいのペースで点を取っています。各チームのエース級の選手が並んでいると言っていいでしょう。個人的には富樫や金丸のようにアウトサイドの選手がもっとこのクラスに名前を出すようになってきて欲しいですね。

桜木ジェイアールは自分と同年代なので、この活躍ぶりには本当に尊敬を感じます。桜木がポストプレイで点を取れるのは、三河の大きな武器のひとつだと思います。

偏差値50台

チーム 選手 出場時間(分) 分ごと平均得点 偏差値
滋賀 ベンキー・ジョイス 735.67 0.51 59.7
千葉 マイケル・パーカー 1520.30 0.50 59.0
三河 比江島 慎 1423.73 0.50 59.0
富山 宇都 直輝 2035.30 0.49 58.4
川崎 ジョシュ・デービス 1257.37 0.49 58.4
横浜 ジェフリー・パーマー 1115.00 0.49 58.4
西宮 コナー・ ラマート 680.67 0.49 58.4
栃木 ライアン・ロシター 1611.45 0.48 57.8
千葉 レオ・ライオンズ 948.40 0.48 57.8
三河 ダニエル・オルトン 919.82 0.48 57.8
川崎 辻 直人 1572.38 0.47 57.2
大阪 デイビッド・ウェア 988.73 0.47 57.2
横浜 川村 卓也 1685.23 0.46 56.5
北海道 ダニエル・ミラー 1287.72 0.46 56.5
A東京 ジャワッド・ウィリアムズ 1165.58 0.46 56.5
滋賀 ディオール・フィッシャー 1777.80 0.45 55.9
SR渋谷 ジョシュ・ハレルソン 1406.72 0.45 55.9
島根 ジーノ・ポマーレ 652.20 0.45 55.9
A東京 ランデン・ルーカス 259.37 0.45 55.9
滋賀 並里 成 1649.35 0.44 55.3
SR渋谷 ベンドラメ 礼生 1512.57 0.44 55.3
三遠 スコット・モリソン 1294.50 0.44 55.3
栃木 喜多川 修平 1161.83 0.44 55.3
富山 サム・ウィラード 1416.00 0.43 54.7
A東京 竹内 譲次 1172.08 0.43 54.7
滋賀 ファイ サンバ 1156.42 0.43 54.7
琉球 古川 孝敏 1101.25 0.43 54.7
西宮 道原 紀晃 1675.98 0.42 54.0
千葉 小野 龍猛 1599.80 0.42 54.0
A東京 田中 大貴 1552.17 0.42 54.0
名古屋D 笹山 貴哉 1433.50 0.42 54.0
北海道 折茂 武彦 1114.48 0.42 54.0
新潟 オースティン・ダフォー 696.10 0.42 54.0
大阪 グレッグ・スミス 438.32 0.42 54.0
A東京 馬場 雄大 831.13 0.41 53.4
富山 岡田 優 244.63 0.41 53.4
琉球 岸本 隆一 1529.52 0.40 52.8
名古屋D 張本 天傑 1180.25 0.40 52.8
西宮 岡田 優 652.22 0.40 52.8
A東京 ブレンダン・レーン 555.98 0.40 52.8
島根 ブレンダン・レーン 352.78 0.40 52.8
琉球 アイラ・ブラウン 1722.18 0.39 52.2
滋賀 オマール・サムハン 733.75 0.39 52.2
三河 松井 啓十郎 701.92 0.38 51.6
西宮 キャメロン・リドリー 632.32 0.38 51.6
三河 コートニー・シムズ 471.50 0.38 51.6
三遠 太田 敦也 1358.40 0.37 50.9
川崎 篠山 竜青 1296.20 0.37 50.9
琉球 田代 直希 1145.53 0.37 50.9
三河 森川 正明 184.32 0.37 50.9
三河 アイザック・バッツ 1622.28 0.36 50.3
川崎 藤井 祐眞 1419.12 0.36 50.3
京都 伊藤 達哉 1415.08 0.36 50.3
A東京 安藤 誓哉 1347.63 0.36 50.3
京都 片岡 大晴 1176.75 0.36 50.3
滋賀 高橋 耕陽 1068.63 0.36 50.3
横浜 田渡 凌 1043.53 0.36 50.3
北海道 野口 大介 998.17 0.36 50.3
栃木 渡邉 裕規 679.50 0.36 50.3

ボリュームゾーンの偏差値50台はさすがにお馴染みの名前が並びました。比江島や宇都といった点取り屋がトップに位置します。宇都はあまりにも長い出場時間を考慮すると、もう少し潜在的な得点力は上だと思っていいのではないでしょうか。

西宮の岡田ですが、富山時代のデータと2回登場していることにご注意ください。西宮は道原の活躍が今年目立ったと感じているのですが、やはり良い点の取り方をしていたようです。来シーズンも道原には着目していきたいです。

3ポイント王の喜多川、新人王の馬場、琉球に移籍の決まったファンタジスタの並里などの名前も見つかりますね。

偏差値50未満

チーム 選手 出場時間(分) 分ごと平均得点 偏差値
新潟 五十嵐 圭 1829.97 0.35 49.7
大阪 熊谷 尚也 1623.52 0.35 49.7
富山 上江田 勇樹 1066.22 0.35 49.7
琉球 津山 尚大 765.10 0.35 49.7
栃木 山崎 稜 236.23 0.35 49.7
横浜 湊谷 安玲久司朱 104.25 0.35 49.7
三遠 田渡 修人 1686.48 0.34 49.1
京都 岡田 優介 1410.28 0.34 49.1
栃木 遠藤 祐亮 1431.63 0.34 49.1
大阪 橋本 拓哉 1198.43 0.34 49.1
SR渋谷 長谷川 智也 1038.93 0.34 49.1
三河 村上 直 477.05 0.34 49.1
川崎 ルー・アマンドソン 445.30 0.34 49.1
SR渋谷 ジャマール・ソープ 259.00 0.34 49.1
滋賀 狩野 祐介 1379.80 0.33 48.4
北海道 多嶋 朝飛 1357.20 0.33 48.4
名古屋D 安藤 周人 1351.97 0.33 48.4
滋賀 長谷川 智伸 1341.20 0.33 48.4
横浜 満田 丈太郎 1155.78 0.33 48.4
北海道 関野 剛平 1117.43 0.33 48.4
千葉 西村 文男 669.95 0.33 48.4
北海道 牧 全 346.57 0.33 48.4
西宮 谷 直樹 1515.97 0.32 47.8
千葉 アキ・チェンバース 1205.85 0.32 47.8
千葉 石井 講祐 1141.28 0.32 47.8
新潟 鵜澤 潤 875.63 0.32 47.8
新潟 ジャレッド・バーグレン 446.33 0.32 47.8
栃木 アンドリュー・ネイミック 253.22 0.32 47.8
京都 永吉 佑也 1508.92 0.31 47.2
横浜 細谷 将司 1346.97 0.31 47.2
SR渋谷 満原 優樹 1145.38 0.31 47.2
京都 晴山 ケビン 1033.43 0.31 47.2
大阪 藤高 宗一郎 709.58 0.31 47.2
琉球 石崎 巧 699.05 0.31 47.2
名古屋D 中務 敏宏 489.28 0.31 47.2
西宮 ジョーダン・ヴァンデンバー 375.92 0.31 47.2
富山 大塚 裕土 1849.85 0.30 46.6
島根 相馬 卓弥 1474.38 0.30 46.6
名古屋D 中東 泰斗 1424.68 0.30 46.6
三遠 川嶋 勇人 1352.63 0.30 46.6
北海道 桜井 良太 1198.57 0.30 46.6
新潟 城宝 匡史 1155.38 0.30 46.6
大阪 木下 博之 1088.40 0.30 46.6
栃木 田臥 勇太 1073.50 0.30 46.6
A東京 ザック・バランスキー 1066.48 0.30 46.6
三河 西川 貴之 959.50 0.30 46.6
西宮 坂井 レオ 270.02 0.30 46.6
島根 佐藤 公威 1796.42 0.29 45.9
琉球 ヒルトン・アームストロング 1259.58 0.29 45.9
栃木 生原 秀将 1005.67 0.29 45.9
SR渋谷 広瀬 健太 956.82 0.29 45.9
新潟 今村 佳太 859.73 0.29 45.9
横浜 蒲谷 正之 318.43 0.29 45.9
三遠 比留木 謙司 121.37 0.29 45.9
三河 橋本 竜馬 1313.88 0.28 45.3
三遠 鈴木 達也 1293.62 0.28 45.3
京都 マーカス・ダブ 886.98 0.28 45.3
琉球 二ノ宮 康平 752.68 0.28 45.3
京都 綿貫 瞬 654.55 0.28 45.3
新潟 畠山 俊樹 1268.30 0.27 44.7
栃木 鵤 誠司 1137.77 0.27 44.7
島根 渡邊 翔太 1076.67 0.27 44.7
富山 橋本 尚明 939.37 0.27 44.7
琉球 金城 茂之 238.78 0.27 44.7
SR渋谷 ルーベン・ボイキン 209.37 0.27 44.7
千葉 トニー・ガフニー 360.67 0.27 44.7
栃木 竹内 公輔 1549.95 0.26 44.1
大阪 今野 翔太 1335.73 0.26 44.1
A東京 小島 元基 956.77 0.26 44.1
三河 狩俣 昌也 680.98 0.26 44.1
島根 熊谷 宜之 486.78 0.26 44.1
名古屋D 船生 誠也 1262.17 0.25 43.4
大阪 根来 新之助 1158.48 0.25 43.4
西宮 梁川 禎浩 989.97 0.25 43.4
島根 波多野 和也 922.93 0.25 43.4
川崎 谷口 光貴 478.60 0.25 43.4
名古屋D 大宮 宏正 126.43 0.25 43.4
琉球 須田 侑太郎 1046.85 0.24 42.8
大阪 合田 怜 1027.23 0.24 42.8
A東京 菊地 祥平 1045.72 0.24 42.8
島根 山本 エドワード 904.37 0.24 42.8
滋賀 小林 遥太 430.23 0.24 42.8
京都 坂東 拓 286.68 0.24 42.8
西宮 内藤 健太 277.10 0.24 42.8
川崎 長谷川 技 1402.47 0.23 42.2
SR渋谷 山内 盛久 1225.80 0.23 42.2
横浜 佐藤 託矢 975.53 0.23 42.2
西宮 松崎 賢人 558.20 0.23 42.2
滋賀 横江 豊 488.07 0.23 42.2
SR渋谷 杉浦 佑成 225.60 0.23 42.2
大阪 安部 潤 214.88 0.23 42.2
新潟 池田 雄一 1151.37 0.22 41.6
SR渋谷 伊藤 駿 1010.48 0.22 41.6
北海道 川邉 亮平 908.90 0.22 41.6
北海道 伊藤 大司 729.07 0.22 41.6
滋賀 佐藤 卓磨 477.55 0.22 41.6
川崎 野本 建吾 447.55 0.22 41.6
西宮 セオン・エディ 367.75 0.22 41.6
西宮 大塚 勇人 259.38 0.22 41.6
京都 内海 慎吾 1110.30 0.21 41.0
A東京 正中 岳城 469.22 0.21 41.0
島根 小阪 彰久 334.07 0.21 41.0
滋賀 樋口 大倫 265.50 0.21 41.0
三遠 岩田 涼太 178.60 0.21 41.0
名古屋D 藤永 佳昭 870.82 0.20 40.3
新潟 遥 天翼 847.23 0.20 40.3
島根 後藤 翔平 723.58 0.20 40.3
千葉 原 修太 680.83 0.20 40.3
横浜 竹田 謙 559.38 0.20 40.3
富山 水戸 健史 1042.53 0.19 39.7
SR渋谷 清水 太志郎 396.43 0.19 39.7
島根 ジャミール・マッケイ 131.10 0.19 39.7
三遠 鹿野 洵生 1307.05 0.18 39.1
横浜 山田 謙治 265.07 0.18 39.1
三遠 岡田 慎吾 1083.22 0.17 38.5
横浜 高島 一貴 1071.80 0.17 38.5
川崎 鎌田 裕也 787.35 0.17 38.5
西宮 石塚 裕也 739.77 0.17 38.5
千葉 阿部 友和 497.67 0.17 38.5
滋賀 菅原 洋介 374.18 0.17 38.5
名古屋D 柏木 真介 372.72 0.17 38.5
富山 葛原 大智 178.30 0.17 38.5
栃木 前村 雄大 126.18 0.17 38.5
西宮 谷口 淳 998.68 0.16 37.8
SR渋谷 菊池 真人 852.22 0.16 37.8
北海道 松島 良豪 713.17 0.16 37.8
琉球 渡辺 竜之佑 182.90 0.16 37.8
西宮 土屋 アリスター時生 135.12 0.16 37.8
島根 岡本 飛竜 730.65 0.15 37.2
三遠 大石 慎之介 207.55 0.15 37.2
川崎 小澤 智将 170.42 0.13 36.0
新潟 佐藤 優樹 129.63 0.13 36.0
川崎 栗原 貴宏 796.18 0.12 35.3
富山 青木 ブレイク 358.58 0.11 34.7
新潟 森井 健太 355.38 0.11 34.7
富山 宮永 雄太 405.13 0.10 34.1
千葉 伊藤 俊亮 148.17 0.10 34.1
滋賀 田中 大地 143.52 0.06 31.6
富山 小原 翼 312.95 0.05 31.0
千葉 荒尾 岳 118.30 0.05 31.0

50未満は一気にまとめてしまいました。個別のコメントはありません。繰り返しになりますが、バスケは得点がすべてではないのがもちろんのこと、いわゆるスタッツに表れないような好プレーの種類もたくさんあるスポーツです。

ここに名前の見つかる選手はあくまで2017-18シーズンの分ごと平均得点だけでここにランクされたということをご理解くださいませ。

今回対象外となった選手

チーム 選手 出場時間(分) 分ごと平均得点
大阪 寒竹 隼人 88.53 0.29
三遠 ローレンス・ブラックレッジ 87.12 0.44
横浜 ジェイソン・ウォッシュバーン 85.82 0.56
京都 頓宮 裕人 79.87 0.19
滋賀 澤地 サミュエルJr. 78.33 0.22
栃木 橋本 晃佑 69.65 0.22
栃木 落合 知也 68.60 0.22
川崎 青木 保憲 64.27 0.22
A東京 齋藤 拓実 62.88 0.29
三河 加藤 寿一 59.35 0.27
SR渋谷 阿部 諒 55.70 0.27
北海道 ジャスティン・レイノルズ 44.28 0.45
三遠 大口 真洋 42.58 0.42
京都 ローレンス・ブラックレッジ 37.23 0.46
栃木 カイル・リチャードソン 32.98 0.70
北海道 田原 隆徳 25.07 0.64
大阪 澤邉 圭太 18.85 0.42
琉球 平岩 玄 18.68 0.48
川崎 林 翔太郎 9.52 0.32
富山 田中 健介 8.62 0.00
三遠 ダシルバ ヒサシ 7.08 0.71
栃木 須田 昂太郎 5.60 1.43
新潟 輪島 射矢 3.15 0.00
富山 中村 太地 1.70 0.00

まとめ

2017-18シーズンのスタッツを用い、時間ごと平均得点をベースに得点力偏差値を計算してみました。お楽しみ頂けましたでしょうか。

移籍をきっかけに2017-18シーズンで飛躍した選手は誰か?

移籍後に飛躍した選手を探す

Bリーグもオフシーズンに入って、すっかり話題はバスケのワールドカップと選手の移籍です。私も今週金曜日のオーストラリア戦、首を長くして待っているところです。

さてこの記事はもうひとつの話題の移籍についてです。2016-17シーズンと2017-18シーズンを違うチームで過ごした、つまり昨シーズン後に移籍をした選手、その中で飛躍を遂げた選手を探してみたいと思います。

なお公式に移籍のデータは(すくなくても便利な形では)存在せず、両シーズンのスタッツから移籍した選手を抽出するしかありませんでした。両シーズンのデータを突き合わせる方法が選手名しかなく、残念ながら同姓同名の選手がいたり、選手の名前が何かしらの理由で変わっているなどの理由でデータが正しくない場合がありえます。ご了承ください。

出場時間が伸びた選手を探す

2017-18に新しいチームに移籍した選手の中で飛躍した選手を探したいと思います。まずは出場時間が伸びた選手を探します。

2017-18シーズンに向けて移籍し、出場時間が伸びた選手

選手 チーム(今) チーム(前) 増加出場時間(分)
大塚裕土 富山 SR渋谷 1282.10
晴山ケビン 京都 川崎 851.55
上江田勇樹 富山 千葉 771.30
熊谷尚也 大阪 栃木 745.00
山内盛久 SR渋谷 琉球 717.85
二ノ宮康平 琉球 A東京 636.81
永吉佑也 京都 川崎 605.04
鵜澤潤 新潟 名古屋D 551.45
レオ・ライオンズ 千葉 秋田 548.58
クレイグ・ブラッキンズ 名古屋D 滋賀 417.00

今シーズンは出ずっぱりで、出場時間でチームメイトの宇都に続きリーグ2位だった大塚がもっとも出場時間の伸びた移籍選手でした。チームとして富山は残念な結果になったかもしれませんが、大塚個人としては存在感を示せたシーズンだったのではないでしょうか。上江田も同様かと。

京都の晴山も主力選手のひとりとして京都を支えましたね。熊谷も栃木のときはシックスマンのような活躍だったと思いますが、今では大阪の主力選手になりました。

試合平均得点が伸びた選手を探す

今度は試合平均得点で見てみます。しかし出場時間が伸びれば得点総数が増えるのは当然ですので、似たような布陣になるのは致し方ありません。

2017-18シーズンに向けて移籍し、試合平均得点が伸びた選手

選手 チーム(今) チーム(前) 試合平均得点(今) 試合平均得点(前) 増分
大塚裕土 富山 SR渋谷 9.3 3.3 6.0
熊谷尚也 大阪 栃木 9.5 4.4 5.1
上江田勇樹 富山 千葉 6.8 2.1 4.7
晴山ケビン 京都 川崎 5.5 1.8 3.7
永吉佑也 京都 川崎 8.2 4.5 3.7
藤高宗一郎 大阪 SR渋谷 4.4 1.9 2.5
セオン・エディ 西宮 A東京 3.2 0.7 2.5
鵜澤潤 新潟 名古屋D 4.9 2.5 2.4
山内盛久 SR渋谷 琉球 4.6 2.3 2.3
二ノ宮康平 琉球 A東京 3.7 1.5 2.2

出場時間平均の得点が伸びた選手を探す

今度は出場時間の平均得点で見てみます。これだと出場時間の多さには直接影響されないので新しい選手の名前が見られそうです。

2017-18シーズンに向けて移籍し、出場時間平均の得点が伸びた選手

選手 チーム(今) チーム(前) 時間平均得点(今) 時間平均得点(前) 増分
上江田勇樹 富山 千葉 0.35 0.22 0.13
伊藤大司 北海道 A東京 0.22 0.12 0.10
藤高宗一郎 大阪 SR渋谷 0.31 0.22 0.09
ラモント・ハミルトン 新潟 琉球 0.58 0.51 0.07
山崎稜 栃木 富山 0.35 0.28 0.07
綿貫瞬 京都 大阪 0.28 0.22 0.06
大宮宏正 名古屋D 琉球 0.25 0.19 0.06
安藤誓哉 A東京 秋田 0.36 0.31 0.05
熊谷尚也 大阪 栃木 0.35 0.30 0.05
比留木謙司 三遠 富山 0.29 0.24 0.05

上江田がまだ残っていますが、北海道に移った伊藤、大阪に移った藤高が2位と3位にに出てきました。10分あたり1点程度の得点力アップということで、素晴らしいと思います。

まとめ

やはりチーム同士の力の関係で言えば、強いチームから他のチームに流れていったケースが多いですが、こうして移籍先で移籍前を上回る成績を残すことは選手にもチームにも素晴らしいことですよね。

2018-19シーズンに向けてもたくさんの移籍が発表されていますが、そこからどのようなドラマが生まれるでしょうか。今から待ちどおしいです。

書評「千葉ジェッツの奇跡」(島田慎二)

ご存知千葉ジェッツふなばしの社長である島田慎二さんによるもの。今はBリーグ自体のバイスチェアマンも兼任されてらっしゃいますね(この就任の馴れ初めも本書で紹介されています。)

「奇跡」と銘打っているものの、本書を読んだ感想としては、島田さんは経営の「当たり前」をスポーツチーム経営という商売に持ち込んだ。そしてそれを土台として千葉ジェッツふなばしは成功した。いや、成功への道を歩みつつある、というところだろう。

私はまったくの未経験であるが、スポーツチームの運営のような仕事は「夢」のようなものがドライバーになっているケースはきっと少なくなくないだろうと思う。そしてそれが経営の当たり前を妨げるケースも想像できる。

もちろんこの夢があったからこそ、リスクを取る者たちが現れ、bjリーグは立ち上がり、そして今のBリーグも存在するのであるから、まずはその人達にひとりのファンとしてお礼を言いたい。

しかしやはり健全な財務体質、利益の出るビジネスモデル、社員の過度な自己犠牲に依存しない、そういったビジネスの基本なくして運営は存続できないし、何よりそういう運営の下に強いチームは育たない。

私はBリーグの財務体質については非常に気にしている。選手の年俸の向上についても同様。そうした部分の向上がなければ、日本のバスケの未来もないと思っているからです。

本書にもあるようにソフトバンクのスポンサーシップに依存した体制は未来永劫続けられるものではないし、Bリーグ自体が、それぞれのチーム自体が、まず健全な経営と財務体質を目指す必要がありす。

日本のバスケの今後のためには、選手の強化以上に、そういうインフラの整備が必要だと思います。適切なインフラがあれは、そこで選手やチームは育ちますし、必ずや世界レベルの選手も出てくる筈です。

アリーナの問題に関しては知らなかったが、確かに言われてみれば今は体育館での開催ですね。島田さんもおっしゃる様にバスケは「観戦の体験」が素晴らしいスポーツなので、是非箱も合わせてトータルな観戦体験を演出できるよう、ここはさらなる議論が必要だと思います。

アルバルク東京がディフェンス力でファイナルを制することはデータから読めていたか?

まだ記憶に新しい横浜アリーナで開催された2017-18チャンピオンシップのファイナルですが、アルバルク東京が力の差を見せつけた形で千葉ジェッツふなばしに勝利した言っていいと思います。

翌日の富山グラウジーズ熊本ヴォルターズが大接戦の死闘だったこともあり、ファイナルの方はなんだかあっけなく終わってしまった、そんな印象で2017-18チャンピオンシップは私の記憶に残りそうです。

ファイナル後、繰り返しアルバルク東京の練習、ひいてはルカヘッドコーチの厳しさ、そしてそのディフェンスへの徹底が話題になったと思います。

個人的にはそのアルバルク東京のディフェンスの強さがデータにも表れているのか、そこに興味がありました。

この記事では、アルバルク東京がシーズン中にどれくらい千葉ジェッツふなばしに対して有効なディエンスをしていたのかを見てみたいと思います。

ディエンスの力の定量

ディフェンスの強さを定量化するためには、以前の記事で計算した得点効率(本当はオフェンス効率と呼んだ方がいいかもしれません)を使い、相手チームの得点効率をどこまで低く抑えたかを求めます。

この記事の最下部で紹介している書籍ではこれをディフェンス効率と呼んでおり、NBAにおいてはこちらの方がオフェンス効率よりもチームの勝率との相関が高いと説明されていました。

以下は、千葉ジェッツふなばしのシーズン中60試合を得点効率が高い順に並べた図です。赤い棒はアルバルク東京戦です。

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見てわかる通り、千葉ジェッツふなばしの得点効率ワースト5の試合中、4試合が対アルバルク東京だったことが分かります(ちなみにもうひとつは10/29の琉球戦。)これは思ったよりもはっきりとした結果で、シーズン中からアルバルク東京にかなりオフェンスを封じられていたと言えそうです。

同じ図をアルバルク東京側から見てみます。

f:id:rintaromasuda:20180623094425p:plain

アルバルク東京もワースト2は千葉相手でした。実は両チームのワースト1は同じ試合であり、2017年の大晦日に行われた試合です。非常にロースコアな接戦だったようで、興味深いので後ほどYouTubeで確認したいと思います。

ワースト2位の試合は千葉が爆発した試合であり、千葉の図の中にあるアルバルク東京戦で最も得点効率の高い試合です。千葉にはこういう爆発力がありますよね。

アルバルク東京千葉ジェッツふなばしの全6試合を表にもしておきます。

日付 得点(A東京) 得点(千葉) ポゼッション(A東京) ポゼッション(千葉) 得点効率(A東京) 得点効率(千葉)
2017.11.11 59 95 68.84 69.4 85.71 136.89
2017.11.12 77 67 70.32 73.4 109.50 91.28
2017.12.31 57 56 69.4 69.48 82.13 80.60
2018.01.01 67 49 63.84 65.44 104.95 74.88
2018.02.17 79 65 70.68 69.92 111.77 92.96
2018.02.18 69 79 70.64 71.04 97.68 111.20

ちなみに11/12のゲームでは富樫が11本のスリーポイントを含む42点を挙げたのですが、ゲームはアルバルク東京が勝利していたのですね。やはりバスケはチームスポーツ、一筋縄ではいきません。

ファイナルの結果は読めていたか?

あくまでここに載せた情報をもとにですが、、アルバルク東京はシーズン中から安定して千葉ジェッツふなばしのオフェンスを抑え込むことに成功していたようです。

よってファイナルも高い確率で千葉を制すことが出来たのではないかと思います。Bリーグのファイナルは一発勝負ですが、NBAのように数ゲーム行う形式であれば、さらに高い確率でアルバルク東京の勝利となったのではないでしようか。

千葉には高いオフェンス力があり、それがファイナルのときにビシッと嵌まれば、という期待は大いにありましたが、やはりチーム力でA東京が上回っていたのかな、と思います。

天皇杯も2連覇した千葉は非常に力のあるチームです。来シーズンはアルバルク東京対策もしてくるでしょうし、ディフェンスも強化するでしょうし、ひと回り大きなチームになってリーグに再び華を咲かせてくれると思います。

参考書籍

オフェンス効率、ディフェンス効率の求め方などはこちらを参考にしています。

Basketball Analytics: Spatial Tracking

Basketball Analytics: Spatial Tracking

追記

上述した大晦日のゲームですが、とても白熱した素晴らしいゲームだったことが伝わってきます。ちょっと「ファイナルもこんな感じだったら良かったのに」と思ってしまうような動画でした。

アルバルク東京vs千葉ジェッツ|B.LEAGUE第15節 GAME1Highlights|12.31.2017 プロバスケ (Bリーグ)

スリーポイントの数字を少しだけ詳しく見てみる

2017-18シーズンのスリーポイント成功率王に輝いたのは栃木の喜多川でした。おめでとうございます。

規定をちゃんと読んでいなかったのですが、51試合以上に出場していることが条件になっていたんですね。スリーポイントを決めた回数に制限があるのは知っていたのですが、試合数の制限については見落としていました。

仮にこの試合数の制限がなかったとすると、スリーポイントの成功率ベスト10は以下のようになったはずです。

試合数の制限がなかった場合のスリーポイント成功率ベスト10

TEAM PLAYER 試合数 出場時間(分) 3P成功率 3P成功数 3P試投数 試合ごと3P成功数 分ごと3P成功数
船橋 富樫 勇樹 50 1391.82 41.8% 117 280 2.34 0.08
栃木 喜多川 修平 59 1161.83 41.7% 90 216 1.53 0.08
富山 大塚 裕土 60 1849.85 39.7% 106 267 1.77 0.06
三河 金丸 晃輔 57 1599.52 39.5% 107 271 1.88 0.07
島根 佐藤 公威 59 1796.42 39.3% 101 257 1.71 0.06
川崎 辻 直人 58 1572.38 38.9% 145 373 2.50 0.09
三遠 田渡 修人 60 1686.48 38.7% 118 305 1.97 0.07
横浜 川村 卓也 57 1685.23 36.8% 95 258 1.67 0.06
琉球 岸本 隆一 60 1529.52 36.1% 118 327 1.97 0.08
京都 岡田 優介 60 1410.28 36 % 108 300 1.80 0.08

登場人物に変化があったのは、富樫が加わり、成功率では1位になったことだけでした。富樫はあと1試合のところでランキングに入るチャンスを失ってしまったので、若干勿体なかったですね。

その他の指標ではなんと川崎の辻がすべてにおいて他の選手を上回っていました。さすが日本代表シューターというところでしょうか。以下に辻のスリーポイント成功率と成功数がどのように推移したかをグラフにしてみました。

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30試合くらいまでは40%以上の成功率をキープしていたようですが、後半に若干成功率が下がってしまった様子が分かります。

続いて同じ要領で喜多川の推移も見てみましょう。

f:id:rintaromasuda:20180621212747p:plain

喜多川は逆に後半に確率を伸ばした印象です。最後の5試合くらいでの伸びがいいですね。

富樫を見てみましょう。

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怪我から復帰してからの伸びが凄い!そしてスリーポイントをなんと11本決めた15試合目のアルバルク東京戦、やはり目立ちます。怪我で戦線を離れていなかったらどうなっていたのか、来シーズンは是非ともフルで活躍して欲しいですね。

続いて大塚です。今シーズンはSR渋谷から富山に移籍した後に見事な飛躍を遂げました。

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序盤戦は成功確率でトップを走っていた印象の大塚ですが、試合を追うごとにコンスタントに確率を落としてしまったようです。この辺は大塚の個人の問題というよりは、富山のチームの事情による理由も大きそうです。

最後に金丸です。

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非常に正確無比な印象のある金丸ですが、やはりスリーポイントの成功確率については一定の水準をずっと保っていたようです。ある意味ここで紹介した選手の中で一番凄みのあるチャートになったと個人的には思います。

まとめ

2017-18シーズンを彩ったスリーポイントシューターの成績を振り返ってみました。来年はどのようなシュートが見られるのか。スリーポイントシュートの重要性は年々増す傾向にあり、来シーズンも間違いなくホットなエリアのひとつとなるでしょう。

特定の選手の得点力に各チームはどれくらい依存しているか?

経済の世界ではパレートの法則、または80:20ルールとして知られている現象があります。例えばあるブログサイトでは20%のユーザーが80%の記事を書いていたりですとか、80%の仕事は20%の時間で片付いてしまうとか、実に様々な所で観測される現象です。

バスケットの得点にもこれは当てはまるでしょうか?つまり、80%の得点を20%の選手が挙げていますでしょうか?B1の各チームでこれを見てみる為に、チームごとにパレート図と呼ばれるグラフを作成します。

パレート図とは

実際に見ながら説明した方が早いと思うので、下のシーホース三河の例で説明させて下さい。

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棒グラフは単純に総得点の高い順に左から選手を並べただけです。折れ線グラフは総得点に対する累積の得点の割合を示していて、例えば三河の場合、桜木、金丸、比江島の3人でチームの総得点の約50%を挙げたことが分かります。

50%のラインと80%のラインは私が見やすいように便宜上引いたものです。

ではグラフの読み方が分かったところで、各チームのパレート図を見てみましょう。

シーホース三河

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ご存知の通り三河はチーム全体の得点力のバランスがずば抜けていて、その為にこの折れ線グラフの上がり方が非常に緩やかです。7人目の西川でようやく80%を超えました。

千葉ジェッツふなばし

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千葉も全体の攻撃力が高く、チェンバースまでの6人で80%の得点を挙げています。ライオンズはもっと点を取っているような印象でしたが、小野から少しだけ落差がありますね。

アルバルク東京

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アルバルク東京も千葉と同じような傾向と言っていいと思います。バランスキーまでの7人で80%を超えました。

琉球ゴールデンキングス

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琉球もここまでのチームと似たような傾向でしょうか。7人目の津山で80%です。

川崎ブレイブサンダース

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これは大分様子が違います。川崎はツジーカスで総得点の半分近くを挙げてしまいました。長谷川までの6人で80%です。川崎はセカンドチームの得点力に課題があると感じていましたが、このパレート図を見てもそのような印象を受けます。

ちなみにこの図を見て気が付きましたが、藤井は総得点では篠山を上回っていたようです。

京都ハンナリーズ

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似たような傾向に戻りました。7人目の晴山で80%です。

栃木ブレックス

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栃木はさらに折れ線グラフが緩やかになった感じがあります。8人目の鵤で80%超えとなりました。川崎と同様、セカンドチームの得点力には疑問符が付きそうです。

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

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7人目の中東で80%を超えています。中々の全員バスケです。

新潟アルビレックスBB

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川崎と似た傾向となりました。得点王のガードナーと五十嵐でほぼ半分の点数を挙げています。7人目の鵜澤で80%です。

サンロッカーズ渋谷

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上位3名が抜けており、今までになかった形です。7人目の山内で80%です。

レバンガ北海道

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トラソリーニ以外はまんべんなく点数を取っている印象で面白いです。8人目のトンプソンで80%ラインを超えます。

三遠ネオフェニックス

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エース不在の全員バスケという感じがするグラフです。個人的には非常に好きです。8人目のマーティンで8割超え。ですが岡田以降の点数はがくんと落ちています。これもやはりセカンドチーム問題でしょうか。

滋賀レイクスターズ

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並里がここまで得点を挙げていたとは気が付きませんでした。7人目のジョイスで80%を超えます。

富山グラウジーズ

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7人目のチャップマンで80%です。

大阪エヴェッサ

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8人目の根来で80%。

横浜ビーコルセアーズ

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7人目の田渡で80%。

西宮ストークス

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8人目で80%超えです。富山から電撃移籍した岡田ですが、スコアラーとしては結果が残せなかったようです。

島根スサノオマジック

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9人目の山本で80%超え!島根が80%到達までの人数では一番でした。

まとめ

ざっと見たところ、6人から8人の得点力の高い選手がチームの80%の得点を挙げるということが分かりました。