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データで観る川崎ブレイブサンダースのセカンドユニット

この記事は川崎ブレイブサンダース Advent Calendar 2019の第1日目に寄稿するものです。昨年に引き続き先頭バッターに立候補させて頂きました。よろしくお願い致します!

セカンドユニットに注目してみる

先日のインタビューで篠山竜青は「(今季は)不動のスターティング5の人もいなければ、セカンドユニットという考え方もない。」と答えたそうです。確かに今シーズンは色々なメンバーの出場を見ている気がします。

先日行ったプレータイムシェアの分析においても、確かに川崎ブレイブサンダースは昨シーズンよりもタイムシェアが行われているという数値が出ていました。篠山の言葉通りですね。

この記事ではそんな川崎ブレイブサンダースのセカンドユニット、ベンチメンバー、まあ呼び方は何でもいいのですが、スターターではないメンバーについてのデータを見てみたいと思います。

スターターとベンチメンバーの推移

さて今シーズンの選手起用はそもそもどんな感じでしょうか。過去4シーズンと合わせて、スターターの選手とベンチ入りの選手の推移を見てみましょう。赤がスターターで青がベンチ入りのメンバーです。

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過去シーズンと比べて今シーズンは随分と流動的ですね。不動のスターターと呼べそうなのは今のところファジーカスと篠山くらいです。

藤井、辻、長谷川、カルファニ、ヒース、熊谷、大塚が適宜スターターとして起用されているようです。前述の「セカンドユニットという考え方もない」という篠山の言葉通りですね。

ちなみに過去3シーズンと比べてみると、スターターとしての起用という意味で一番大きな変化があったのは長谷川技ですね。ここまではまさに不動のスターターと言っていい存在だったと思いますが、今シーズンはベンチからの試合に臨むことも多くなっています。

ベンチメンバーによる得点

次にベンチメンバーによる得点を見てみましょう。ここでは総得点に占めるベンチメンバーの得点をシーズンごとにプロットしてみます。

f:id:rintaromasuda:20191127222033j:plain

外国籍選手と帰化選手起用のレギュレーションが違う(そしてファジーカスもまだ外国籍選手だった)最初の2シーズンとの比較は少し難しそうですが、条件のほぼ同じ2018-19シーズンと比較して比率はかなり上がっています。

今シーズンは中央値、累計どちらで観ても約33%、つまり全体の3分の1の得点をベンチメンバーで挙げていることになります。

先ほどの図をちょっと改良して、〇の大きさでその試合における得点を表すようにしてみると、今シーズンはこんな感じになります。

f:id:rintaromasuda:20191127223256j:plain

カルファニ、ヒースはもちろんのこと、今シーズン絶好調の藤井、移籍組の大塚、熊谷がそれぞれベンチから出場して得点を重ねているのが分かります。

ファジーカスの得点力は相変わらずなものの、まだ今シーズン30点以上のゲームはないようですね。そこもベンチメンバーの得点比率向上に大きく影響しているはずです。

ベンチメンバーの出場時間

タイムシェアの話と若干かぶってしまいますが、次にチームの総出場時間に(延長がなければ5人が40分のプレーをするので200分)おけるベンチメンバーの出場時間の割合を見てみましょう。スターターが150分、ベンチメンバーが50分なら25%です。

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こちらも昨シーズンから比べて大きく上がっていますね。ルールにより交代をある意味で強制された過去のシーズンにせまる数値が出ています。中央値が40%に迫る勢いなので、ベンチメンバーは合計で80分弱ほどプレーしているようです。

これは川崎ブレイブサンダースだけではありませんが、昨シーズンと同じレギュレーションでプレーしているものの、選手の起用についてはかなり考え方が変わってきたチームが出てきたと個人的には感じています。そういったチームが結果を出せば、必然的に他のチームにも考えが浸透するのではないでしょうか。

今シーズンの川崎ブレイブサンダース

篠山の言葉の通り、そしてデータにも出ているように、今シーズンにの川崎ブレイブサンダースにおいてはスターターとセカンドユニット(ベンチメンバー)の境界線は曖昧です。とても流動的です。

とは言え、やはり常にベンチから試合に臨むのメンバー、出場時間の限られるメンバーがいるのも事実です。

そして私達は、そういった選手の活躍に心を震わせます。それもスポーツ観戦の大きな楽しみのひとつだと思います。先日公開された動画「OVERTIME -TIP OFF-」でも青木保憲の活躍が大きく取り上げられていました。

正直シーズン前に川崎ブレイブサンダースの編成が固まったときは、今シーズンも昨シーズンからあまり変化せず苦戦するだろうなと予想していました。しかし蓋を開けてみればここまでは快進撃とも呼べる内容で川崎は勝ち進んでいます。

その快進撃を支えている要素はいくつにも分解して説明することが出来そうですが、その考察の一助として、セカンドユニットの起用と活躍について取り上げてみました。

私はロスターの選手それぞれに明確な役割があるなと感じることができるチームが好きなのですが、今シーズンの川崎にはそれを感じさせるものがあるように思います。

では、以上です。お読み頂きありがとうございました。Go! Go! サンダース!!

2019-20のプレータイムシェアを分析してみる(サンロッカーズ渋谷がすごい)

各チームがどれくらいタイムシェアをしているのかを指標化したくて、2018-19シーズンに以下のような記事を書きました。

ジニ係数という経済の分野でときどき使われる指標を使ったのですが、簡単に言えば「総プレータイム200分がベンチ入りしたメンバーに均等にシェアされれば0、スターターの5人に独占されれば約0.583(ベンチ入が12人の場合)」という指標です。

もっと簡単に言うと低くければ低いほどプレータイムがシェアされているという指標です。興味がありましたら、上の記事を参照して頂ければより詳しく書いてます。

2018-19シーズンは常時オンザコート2が導入され、その結果タイムシェアがされなくなる傾向が見られました。常時オンザコート2の運用2年目となりました今シーズンはどうなっておりますでしょうか?見てみましょう。

f:id:rintaromasuda:20191115225518j:plain

まずですが、目立ってサンロッカーズ渋谷のタイムシェアが進んだようです。今シーズンは戦績もここまでとても好調ですね。伊佐HCがシーズン開始から指揮を執るのは今季が初めてなので当たり前かもしれませんが、とにかく昨季までとは違うバスケを展開している様です。

サンロッカーズ渋谷の今シーズンのプレータイムをヒートマップにしてみると、すごくきれいです。3人の外国籍選手が入れ替わりでベンチ入りしているのもとても良いですね。

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次に指標の値の低下が目立つのはアルバルク東京なのですが、これはご存じの通りそもそもベンチ入りの人数が少ない事によるものです。リーグに怒られるくらいの人数になってしまっている為、現段階ではあくまで参考程度に見ておいて下さい。

全体的にタイムシェアは昨シーズンよりされていると言ってもよさそうですが、レバンガ北海道、横浜ビー・コルセアーズ、エヴェッサ大阪については逆に寡占化が進んでいるようです。

実はレバンガ北海道は2017-18は一番タイムシェアがされているチームだったのですが、ここ2シーズンでどんどん寡占化が進んでしまっています。

次にB2です。

f:id:rintaromasuda:20191115230159j:plain
青森ワッツ、福島ファイアーボンズ、西宮ストークス、熊本ヴォルターズは昨シーズンよりもかなりタイムシェアをしてきています。各チームそれぞれの事情はまったく理解していないのですが、いずれにせよ個人的には素晴らしことだと思っています。

一方でバンビシャス奈良は随分とプレータイムの寡占化がかなり進んだようです。あまりゲームを観ていないのですが、スタッツのサイトによるとフィッツジェラルドとマンガーノが試合当たりのプレータイムでそれぞれ2位、3位となっているのは影響が大きそうです。

今シーズンも気が付けば1/4が終わろうとしています。各チームともチームのパフォーマンスを最大限に引き出すために様々な手を打っていると思います。その中でタイムシェアの具合がどう変わっていくのか、また適当なタイミングで確認してみたいと思います。

書評「バスケットボールの戦い方」(佐々宜央)

バスケットボールの戦い方 [ピック&ロールの視野と状況判断] (マルチアングル戦術図解)

バスケットボールの戦い方 [ピック&ロールの視野と状況判断] (マルチアングル戦術図解)

琉球ゴールデンキングスのヘッドコーチとしてお馴染みの佐々宜央さんによるバスケの、というかピックアンドロールの解説書です。

よく比喩で「〇〇について本気で語りだしたら、それだけで本が一冊書けてしまう」というような言い方をすることがあると思うのですが、本書は本当にピックアンドロールについて本を一冊書いてしまったという書籍です。ピックアンドロールの専門書です。

でも安心して下さい。「専門書」と聞いて想像するような堅苦しさも、難しさも、複雑さも一切になく、むしろタイトルにあるようにマルチアングル(各登場人物それぞれの視点)による図解が中心となっていて、非常に分かりやすい内容となっています。

表紙の絵にあるような3Dっぽいビジュアルが独特で、よく使われるバスケットコートを真上から見たような2Dの解説よりも分かりやすいです。カラーも登場人物を区別するのに使われていて、それも大きく理解のし易さに貢献しています。

それでもやはり専門書なので内容は濃厚です。例えばピックアンドロールをするときのボールマンはどちらの足を軸足にしてボールを受けとるべきか、スクリーナーがゴールに向かってロールするときは前向きにロールするべきか、後ろ向きにするべきか、そんな事まで非常に細かく考え方が解説されています。

バスケを実際にプレーした経験がなくても、例えばいつも見ているBリーグのゲームをもっと理解したい、知りたい、というファンの方にも楽しんでもらえる一冊に仕上がっていると思います。もちろんバスケを純粋に向上させたいプレーヤーやコーチの方にも素晴らしい内容ではないかと思います。

余談ですが、私個人がどうしてこの本を購入しようかと思ったのか少し書いてみたいと思います。

簡単に言うと、ピックアンドロール関連のものをはじめとして、少しバスケットボール関連の用語を自分の中で更新しておきたいというのがありました。

「リバウンド」、「キックアウト」、「ボックスアウト」、こうした用語は既にバスケファンの間でも共通言語として浸透していると思いますし私も正しく使用できる自信はあるのですが、例えば「アイス」、「ハードショー」、「ポップ」、そういった用語は私の中で理解が曖昧になったままでした。

私は決してスポーツの専門用語や戦術の理解が楽しく観戦するために必須だという立場ではありませんが、近年バスケが注目されてきたことにより、私のような素人が書いているものも含めてバスケコンテンツの内容が多様化、詳細化し、上述の「共通言語」が次のレベルに進みだしている感覚があります。

ライト層、初心者、カジュアルファン、呼び方は色々とありますが、いずれにせよそういった方々への窓口は常に広く開いている必要があると思っています。一方で、既存のファンの中では徐々にこの「共通言語」を育てていく活動もバスケの発展の為には大事なのかな、と思ったりもする今日この頃です。

そのような流れの中で、もう少し色々と理解した方がよりバスケの観戦を楽しめるだろうという結論に自分の中で達したので、この書籍を購入した次第です。似たような書籍も買うかもしれません。ジェッツの大野ヘッドコーチの書籍も面白そうです。

本書は用語の解説はもちろん、さらに内容は踏み込んでいて、例えばサイドとエルボー(ちなみにこれも正確にはどこを指すのか曖昧に理解していました)ではピックアンドロールに関してどのような考え方の違いがあるのか、そういう解説もあります。

細かい解説を理解しようと読みながら、各チームはこんなところにまで拘って日々の練習をしていたり、本番のゲームの中でそれを状況判断しながら実践してるのかと考えると、本当に頭の下がる思いにもなります。

そして本書を読んでいると、早く次のバスケのゲームが観戦したくなりますね。もちろん、見たいプレーはピックアンドロールです。

渡邊雄太がNBA 2018-19で放った全51本のシュートのデータを見てみる

NBAジャパンゲームに向けてロケッツ、ラプターズの両チームが日本入りしましたね。NBAも2019-20シーズン開始に向けて盛り上がってきました。

この記事は以下の記事の続きみたいなものですが、NBAのデータAPIを使って昨シーズンの渡邊雄太の全シュート(フリースローは除く)51本のデータを見てみたいと思います。

渡邊雄太のデータは昨シーズンのものですが、NBAって過去のゲームも含めてすごいデータがたくさん揃っているんですよね。かなり感心してます。

ちなみにこの記事は分析するのが目的ではなく、APIを使ったデータ取得方法を解説するのが主な目的です。コード中のIDを変更すれば、もちろん他の選手のデータも取得できます。

IDはNBAのスタッツのサイトに行くと取得できます。渡邊雄太とメンフィス・グリズリーズのIDは以下のURLの一部となっていることが分かると思います。

https://stats.nba.com/player/1629139/

https://stats.nba.com/team/1610612763/

以下がデータ取得用にRで書いたコードです。データは取得後にCSVファイルとなって保存されるはずです。その後はExcelなりなんなりで分析できるはずです*1

if(!require(httr)) {
install.packages("httr")
library(httr)
}
if(!require(jsonlite)) {
install.packages("jsonlite")
library(jsonlite)
}
player_id <- "1629139" # Yuta Watanabe
team_id <- "1610612763" # Memphis Grizzlies
season <- "2018-19" # Empty ifyou want all seasons
url <- paste0("https://stats.nba.com/stats/shotchartdetail",
"?PlayerID=",
player_id,
"&Season=",
season,
"&SeasonType=Regular+Season",
"&TeamID=",
team_id,
"&ContextMeasure=",
"FGA",
"&AheadBehind=&ClutchTime=&ContextFilter=",
"&DateFrom=&DateTo=&EndPeriod=&EndRange=",
"&GameID=&GameSegment=&LastNGames=0&LeagueID=00",
"&Location=&Month=0&OpponentTeamID=0&Outcome=",
"&Period=0&PlayerPosition=&PointDiff=&Position=&RangeType=",
"&RookieYear=&Season=&SeasonSegment=&StartPeriod=&StartRange=",
"&VsConference=&VsDivision=")
httpResponse = GET(url, add_headers(Referer = "http://stats.nba.com"), accept_json())
res <- content(httpResponse)
col_names <- res$resultSets[[1]]$headers
num_rows <- length(res$resultSets[[1]]$rowSet)
df_shots <- data.frame()
for (i in 1:num_rows) {
arrayRow <- as.character(res$resultSets[[1]]$rowSet[[i]])
df <- as.data.frame(matrix(arrayRow, nrow = 1),
stringsAsFactors = FALSE)
colnames(df) <- col_names
df_shots <- rbind(df_shots, df)
}
file_name <- paste0(paste("NBA_Shots",
player_id,
team_id,
season,
"_"),
".csv")
write.csv(df_shots,
file = file_name,
row.names = FALSE)

せっかくなんで少しだけデータを見てみましょう。ちなみに同ファイルを以下にアップロードしておきましたので、生データを見たい人はそちらを参照して下さい。

github.com

2P vs 3P

2Pシュートを35本、3Pシュートを16本打ちました。決まった3Pシュートはわずか2本でした。

SHOT_TYPE Attempt Made Pct
2PT Field Goal 35 13 0.37
3PT Field Goal 16 2 0.12

シュートエリア

左側から放った17本のシュートの内、決まったのは1本だけでした。この本数で左側が苦手と結論はできないと思いますが、確かに渡邉のハイライトを思い出してみるとセンターか右側が多い気はします。

SHOT_ZONE_AREA Attempt Made Pct
Center(C) 27 11 0.41
Left Side Center(LC) 8 0 0.00
Left Side(L) 9 1 0.11
Right Side Center(RC) 3 2 0.67
Right Side(R) 4 1 0.25

こちらは以下のショットチャートからも明らかです。ちなみにこのチャートはballrという素晴らしいツールを使って得たものです。こちらのツールも同じAPIを利用していると思います。

f:id:rintaromasuda:20191007233542p:plain

シュートの種類

NBAのデータではかなり細かくシュートの種類がカテゴライズされているようです。Pullup Jump ShotとJump Shot両方があるということは、Jump Shotはキャッチアンドシュートであることが想像できます。

SHOT_TYPE ACTION_TYPE Attempt Made Pct
2PT Field Goal Cutting Finger Roll Layup Shot 1 1 1.00
2PT Field Goal Driving Dunk Shot 1 1 1.00
2PT Field Goal Driving Finger Roll Layup Shot 1 1 1.00
2PT Field Goal Driving Floating Bank Jump Shot 1 0 0.00
2PT Field Goal Driving Floating Jump Shot 2 1 0.50
2PT Field Goal Driving Hook Shot 2 0 0.00
2PT Field Goal Driving Layup Shot 2 1 0.50
2PT Field Goal Dunk Shot 1 1 1.00
2PT Field Goal Fadeaway Jump Shot 1 0 0.00
2PT Field Goal Floating Jump shot 1 0 0.00
2PT Field Goal Jump Shot 5 1 0.20
2PT Field Goal Pullup Jump shot 5 2 0.40
2PT Field Goal Running Alley Oop Layup Shot 1 1 1.00
2PT Field Goal Running Jump Shot 1 0 0.00
2PT Field Goal Running Layup Shot 3 1 0.33
2PT Field Goal Tip Layup Shot 1 0 0.00
2PT Field Goal Turnaround Fadeaway Bank Jump Shot 1 1 1.00
2PT Field Goal Turnaround Fadeaway shot 1 0 0.00
2PT Field Goal Turnaround Jump Shot 4 1 0.25
3PT Field Goal Jump Shot 12 2 0.17
3PT Field Goal Pullup Jump shot 1 0 0.00
3PT Field Goal Running Jump Shot 2 0 0.00
3PT Field Goal Running Pull-Up Jump Shot 1 0 0.00

渡邉のプレースタイルと役割を思えば当然ですが、キャッチアンドシュートの本数が一番多いですね。そして一番苦労しているのもここ。2019-20シーズンは向上した数値が見られると良いですね。

シュートの距離

上のチャートで明らかではありますが、ミドルレンジ、それより長い距離はかなり苦戦していますね。

SHOT_DISTANCE (ft) Attempt Made Pct
0 4 3 0.75
1 3 3 1.00
2 4 1 0.25
4 1 0 0.00
5 1 1 1.00
6 2 1 0.50
7 1 0 0.00
8 3 1 0.33
10 1 0 0.00
11 2 1 0.50
12 2 1 0.50
13 2 0 0.00
14 3 0 0.00
15 1 0 0.00
17 2 0 0.00
18 3 1 0.33
22 3 0 0.00
23 3 1 0.33
24 2 0 0.00
25 4 0 0.00
26 2 1 0.50
27 2 0 0.00

まとめ

あまり試していないのですが、APIをコールするときのパラメータをいじればもっと面白い情報が返ってくるかもしれません*2

NBAで活躍する日本人選手も増えてきて、こういったデータを触りたい人も増えるかと思って記事を書いてみました。いや、増えろ。

こういう情報がBリーグでも利用できるようになるのはいつかなー。

追記 (2019.12.13)

NBA APIの仕様変更に併せてRのコードを変更しました。

*1:stats.nba.comのサイトはAPIのアクセスやサイトのスクレイピングを防ぐ為の施策が施されているようで、環境によってはアクセスが妨げられレスポンスが返ってこない場合があります。User-AgentヘッダーやAcceptヘッダーの追加などで回避できる場合もあるようですが、詳細は不明です。

*2:ここのドキュメント群を見ると、他のAPIも併せて多少パラメータ調整の参考になります。

2019-20シーズンの個人的な展望

本日の信州ブレイブウォリアーズ vs 広島ドラゴンフライズ戦からいよいよBリーグの2019-20シーズンが始まりますね!始まる前に個人的な展望を書いておこうかと思います。データの話は一切出てきませんのであしからず。

メインスポンサー

いきなり金の話ですみません。ただ確かBリーグとソフトバンクのスポンサーって4年契約だと報じられていたはずで、この2019-20シーズンが最後のシーズンになるはずなんですよね。

もちろん契約延長もありえるでしょうけれど、とにかくメインのスポンサーが切り替わるかもしれないというのは影響が結構あると思います。

特にソフトバンクさんはどちらかというと影武者的にBリーグを支えてくれている印象がありまして、もっと前に出てきがちなメインスポンサーになると雰囲気がかなり違ってくるのではないでしょうか。次のスポンサーは要注目しております。

3人目の外国籍選手問題

これは何度かブログでも書いておりますが、3人目の外国籍選手がより起用されるようになって欲しいです。起用されないと、シンプルに言ってバスケットボール選手という貴重な才能の無駄遣いです。

本当は「外国籍選手が3人登録されている場合、2試合連続で同じ組み合わせは駄目」みたいなレギュレーションが欲しかったのですが、そうならないので各チームの采配で何とかして欲しいところです。

シーホース三河

シーホース三河の補強がやばいです。ドキドキワクワクの予感がすごいので、今季はシーホース三河を観戦の中心に据えようかと思っています。

金丸、ガードナー、川村、岡田と超オフェンス布陣がどう機能するのか、それとも機能しないのか。昨シーズン中に大胆な起用変更、このシーズンに向けては大補強、というのは貴美一HCも背水の陣で挑んでくるのではないかと思い、その観点からも注目。

HCにある意味では見染められたPGである熊谷と、敢えて他のチームから連れてきた長野のPGコンビニも注目しております。

あと2月に比江島がウイングアリーナに凱旋するホームゲームもありますね。それも面白そう。

優勝争い

チャンピオンシップはやっぱりアルバルク東京なのかなあと、2シーズン連続で同じ予想をしてみます。って3連覇になっちゃいますけど。でも前シーズンのチャンピオンシップではルカHCがチャンピオンになるために用意したいくつかの仕掛けにはとても感心しました。

日本のHC陣も素晴らしい人材が揃っていると思っておりますが、まだそういうレベルで、というかあのレベルの用意周到さでチャンピオンを狙ってくるHCがいないのかな、という気がしています。どうなりますでしょうか。

ただもちろん千葉ジェッツは強いですし、宇都宮ブレックスも強いですし、この3チームはそこまで大きく布陣も変わっておりませんので、どこがチャンピオンになってもおかしくない3チームだと思います。もう本当にバランスの問題と言いますか。

この3チームに割り込む実力のあるチームはいるでしょうか。前述のシーホース三河はハマればもしかすると、です。が、長くて辛い1シーズンを通して考えたときに、一回の爆発力でなく、安定した力でこの3チームに絡めるチームはまだ誕生していないかもしれません。

B2

予想とかじゃないのですが、今シーズンはB2の観戦に行きたいです。実は行ったことがないのです。アスフレのホームが実は職場の近くなので、今度こそ平日開催のときにでもチャンスを狙いたいと思っております。

注目しているチームはシーホース三河と同様の理由で広島ドラゴンフライズ。元熊本ヴォルターズの古野、B1から参戦した谷口、B2得点王のケネディと強力な布陣になりました。今季こそはB1に上がってみせるということでしょうね!

公式ボール

公式のボールが変わったみたいですね。当然のことながら各チームは既に練習で使っているでしょうけれど、新しいボールに慣れるというのはそこまで簡単なことではないと思います。

もしかするとシーズン序盤はシューター達の確率に影響を及ぼすかもしれませんね。インサイドの選手にはそこまで大きな影響はないかもしれませんが。

ワールドカップでの学びを受けて、レフェリーの笛に注目が集まってますね。こちらはレギュレーションというよりは、何というかレフェリーさん達の「意識」みたいな問題だと思いますので、今シーズンから笛の感じが変わってくることも予想されます。当然勝敗にも影響してくると思います。

実は既にアーリーカップでも、今までなら鳴っていたような笛が鳴っていない気がするケースが何回かありました。こちらはもしかするとファウル数でデータに出るかもしれません。そのうち確認してみます。

そう言えば漆間さんもプロレフェリーになりましたね!こういうニュースはリーグが前進している証拠だと思うので、聞くとすごく嬉しいです。

まとめ

殴り書きの記事になりましたが、つまるところBreak the Borderということで、皆様よろしくお願い致します!

書評「Basketball Lab 日本のバスケットボールの未来。」(バスケットボール・ラボ編集部)

まさに最高のタイミングでの出版となったのではないでしょうか?

Basketball Lab 日本のバスケットボールの未来。

Basketball Lab 日本のバスケットボールの未来。

  • 作者: バスケットボール・ラボ編集部
  • 出版社/メーカー: 東邦出版
  • 発売日: 2019/09/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る

NBAドラフト1巡目9位で指名された八村を含む、「史上最強」の男子バスケ日本代表のワールドカップ挑戦は連日大きく報道されました。ニュースで日常的に流れる代表選手陣の映像に、個人的にどこか違和感を覚えたくらいです。

そんな注目のさなかに発売されたのが本書です。ただ売れ行きの面で最高のタイミングだと言っているわけではなく、今回日本代表が経験したワールドカップ、世界の壁、到底満足のできない結果、それを踏まえて今一度バスケットを見直す為に必要なコンテンツだと思いました。

本書をひと言で表現すると「非常に濃い」です。インタビューを通し、選手、ヘッドコーチ、トレーナー、アナリストなどバスケットボールに関わる方々の思考を炙り出すかのような内容になっています。

特にルカさん、大野さん、佐々さん、安齋さん、そしてWリーグ三菱コアラーズの古賀さんのヘッドコーチ陣のインタビューは圧巻でした。彼らが日々どのようなことを考えながらチームを作っているのか、その考え方の一端に触れることができると思います。各HCが共通して「信頼関係」や「コミュニケーション」などのキーワードに触れていたのも興味深いです。

ルカHCのPick & Rollに関する洞察は流石で、Bリーグの外国籍選手の状況について述べた部分は、このブログ冒頭で述べた「ワールドカップでの結果」に対する今後のBリーグのアクションを考える上で大きく参考になるのではないでしょうか。

また本書を通して「パス技術」がテーマになっているのですが、これもやはり先のワールドカップでの試合内容を踏まえ、大きな示唆を与えてくれるテーマだと思います。強豪国のパスの正確さ、強さ、そしてクリエイティビティには個人的に関心しっぱなしでした。

パス技術は出し手の技術、受け手の技術、チームのスペーシングなど、多岐に渡り考察が必要な分野です。それを選手、コーチ、トレーナー、アナリストがそれぞれの視点から語る本書は、まさに今のバスケ界に必要な情報を提供してくれているのではないでしょうか。

余談になりますが、いつも仲良くさせて頂いている方々も本書の制作に協力しております。まだの方は是非ご覧になってみてください。

東邦出版さんはバスケの書籍に関して、非常に攻めた内容を提供してくれていますね。以前に読んだこちらもとても面白かったです。今後ともどんどん攻めた内容のバスケ書籍の登場を期待しています!

ワールドカップはBリーグの呼び水となったのか?

日本代表のワールドカップが終わりましたね。結果は到底満足のいくものではなかったと思いますが、ここから選手、スタッフ、そして日本のバスケットボールに関わる全ての方が、何か大きなものを持ち帰ってくれることを一ファンとして期待しています。

さて結果は伴いませんでしたが、日本のバスケットボールに注目を集めるという意味では大きな成功を収めたのではないでしょうか。先に行われたニュージーランド、アルゼンチン、チュニジアとの親善試合では計5万人以上も動員があったそうです。報道もとても活発でした。

さてそんな注目を集めたワールドカップにおける代表活動ですが、Bリーグへの呼び水としての効果はどの程度あったのでしょうか?いくら八村や渡邉が最注目だったとは言え、他の選手は全員がBリーグ所属です。多少なりともBリーグに注目が集まってもいいと思うのですが、どうだったでしょうか?

以下の図は日ごとにBリーグの公式SNSアカウントが日ごとにどれだけフォロワー数を増やしたのかを表したものです。ちなみに親善試合とワールドカップの日程をおさらいしておきますと、

  • 8/12 ニュージーランド戦
  • 8/22 アルゼンチン戦
  • 8/24 ドイツ戦
  • 9/1 トルコ戦
  • 9/3 チェコ戦
  • 9/5 アメリカ戦
  • 9/7 ニュージーランド戦
  • 9/9 モンテネグロ戦

というスケジュールでした。さあ見てみましょう。

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まず一番伸ばしたのはドイツ戦だったようですね。やはりお昼のいい時間帯に地上波での放送というのが大きかったと思われます。またドイツに勝利したことが大きく報道されたことも影響してか、次の日もかなり伸ばしたようです。

二番手はこれも地上波で放送されたアメリカ戦だったようです。ただこれは個人的には意外なほど効果が低いと思いました。NBA選手軍団との対決だったこともあり、今までNBAのみ観ていた層からも流入があるかと思っていたのですが、そこまで伸ばせなかったようです。

全体的な感想を言ってしまうと、代表戦はそこまで呼び水にならなかったのかなというのが正直なところです。私はテレビで観ていただけですが、あまりワールドカップに併せてBリーグを宣伝するような取り組みもなかったように思えたので、当然の結果なのかもしれません。

もしくはあれだけ報道があっても、やはり今までバスケに興味がなかった人を開拓するというのは難しいのかもしれません。逆を言えば、代表活動に注目していた人は、ほとんど皆さんBリーグ等は既にご存じの方ばかりだったのかもしれません。

いずれにせよワールドカップは終わり、ここからはBリーグがいよいよシーズンに入ってきます。この値はモニターし続けようと思いますので、シーズンを通してBリーグが新たな顧客をどう獲得していくのか、引き続き見ていこうと思います。

あ、そう言えば私個人はまだ経験していないのですが、チケットのシステムが結構問題になってしまっているみたいですね。既存のファンは何とかやりくりしてくれるでしょうけれど、この手の問題は新規顧客獲得には打撃が大きそうです。速やかに改善されると良いのですが。

最後になりますが、ワールドカップとても楽しかったです。

連続スリーポイント成功回数も調べてみた

前回の記事の続きで今度はスリーポイントの連続成功回数を調べてみたいと思います。

シューターが乗りに乗っているときの盛り上がりはすごいものがありますよね。入りだしたら止まらないというのはシューターに付けられる枕詞の最たるものですが、果たして2018-19シーズンに最も入りだしたら止まらなかったのはどの選手でしょうか。

前回の記事と同じですが、各選手の最高連続成功回数を求めてトップ20を抽出してみました。

こちらです!

名前 スリー連続成功回数
狩野祐介 10
篠山竜青 9
安藤誓哉 6
田口成浩 6
片岡大晴 6
晴山ケビン 6
橋本竜馬 6
金丸晃輔 6
安藤周人 6
ジェームズ・サザランド 6
ヘンリー・ウォーカー 6
ベンドラメ礼生 5
大塚裕土 5
アイラブラウン 5
内海慎吾 5
谷口光貴 5
橋本晃佑 5
遠藤祐亮 5
熊谷尚也 5
渡邉裕規 5

1位は滋賀レイクスターズのエースシューター狩野祐介でした。調べたところ2019/3/10の対秋田ノーザンハピネッツ戦で最後の5本を連続成功、次の3/13の対琉球ゴールデンキングス戦で最初の5本を連続成功させたようです。

2位はおそらくW杯で日本代表の司令塔となる篠山竜青で9本連続成功です。これは有名だと思いますが、2019/3/9の対ライジングゼファーフクオカ戦にて打った8本のスリーをすべて沈めました。続く対横浜ビーコルセアーズ戦でも最初の1本を成功させ9本連続となりました。

1位も2位もどちらも3月の出来事なのは面白いところです。

3位以下はちょっと離れて6本となりました。2019-20シーズンはスリーポイントシューターとして大きく花開いた安藤周人や、フリースローで他を寄せ付けない強さを見せる金丸晃輔も6本連続成功が最高となっています。

各選手の連続フリースロー成功数を調べてみた(金丸晃輔が異次元)

フリースローって不思議な存在でとても好きです。

ゲームの序盤ではフリースローは比較的退屈なプレーですが、接戦の終盤では最高に緊迫したプレーに変わります。あの緊迫感の中で決めきる選手達には尊敬しかありません。

さて、2018-19シーズンの中盤に日本が誇るスポーツ記録王のべこ。さんがこんなツイートをされていました(いつも参考になる情報ありがとうございます!)

金丸の54本連続成功ってとんでもないですね…正確無比過ぎてとても人間とは思えません(笑)このツイート時点で継続していた連続記録も結局45本まで伸ばしました。

「そう言えば富山グラウジーズの阿部もシーズン序盤に20本くらい連続で成功させていたな…」と思い出し、ついでなので他の選手もどれくらい連続成功させていたのか気になりました。この記事ではそれを見てみたいと思います。

以下は2018-19シーズンのB1選手を対象に、各選手最大のフリースロー連続成功数を調べ、そのトップ20を抽出したものです。

はい、どうぞ!

名前 FT連続成功数
金丸晃輔 54
ニックファジーカス 34
古川孝敏 30
片岡大晴 28
折茂武彦 28
ダバンテ・ガードナー 28
ジェフ・エアーズ 28
内海慎吾 26
ライアン・ケリー 26
並里成 25
阿部友和 24
川村卓也 24
ジョシュ・チルドレス 23
五十嵐圭 22
大塚裕土 21
藤井祐眞 21
辻直人 21
桜井良太 21
マーキース・カミングス 21
安藤誓哉 19

やはり金丸晃輔が異次元です(汗)54本連続はもちろん、45本連続も他を寄せ付けない大記録です。2019-20も彼のフリースローには最高の安心感が伴いそうですね。

2位は我らが日本代表のファジーカス。先日DAZNの取材にて彼のシュート練習に対する拘りが明かされていましたが、そういった努力の成果なのでしょう。

ランキングの上位には有名シューターが名を連ねるかと思いましたが、京都の片岡や内海、新潟のガードナー、琉球のエアーズや並里などが上位にランクインしているのは面白いですね。

もちろん予想通り古川、折茂さん、辻、川村、大塚、安藤誓哉などシューターとして定評のある選手も納得のランクインをしています。

ところでここまで書いていて気が付きましたが、金丸、ガードナー、川村の3人は2019-20シーズンはチームメイトでしたね。シーホース三河にはあまりフリースローを与えないよう、各チームはファウルに気を付けたいところです。

Twitterに強いチーム。Instagramに強いチーム。

バスケ情報のフォローの為にと私も一応Instagramのアカウントは持っているのですが、実際ほとんど開くことはありません。でもTwitterは隈なくチェックしていますし、バスケ以外の話題ではFacebookに投稿するのも大好きです。

語りつくされた話題ではありますが、そのようにユーザーによってどのSNSを好むのかの趣味嗜好はかなり違ってきます。よってブースターの年齢や性別によって各チームのSNSがどのように消費されるのかには違いが出てきそうです。

この記事ではB1各チームのTwitterとInstagramのフォロワー数を見てみましょう。上述のように各チームのブースターの年齢層や性別の分布に大きく影響されているかもしれませんし、各チームがそもそもどこに力を入れているのかの表れてくると思います。

Twitter

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千葉ジェッツと宇都宮ブレックスの両巨頭がそろそろ15万人に届こうかというところで争っています。それを追うのが10万超えの琉球ゴールデンキングス。次に10万人を超えてきそうなのが富山グラウジーズとレバンガ北海道というところでしょうか。

私は上述の通りTwitter界隈の人間なので、これらの数値を見てずっと「アルバルク東京と川崎ブレイブサンダースのフォロワー数が思ったより少ない」という印象を正直抱いていました。ではInstagramの方を見てみましょう。

Instagram

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アルバルク東京、川崎ブレイブサンダース、そしてシーホース三河がぐっと出てきましたね。千葉ジェッツと宇都宮ブレックスの差はTwitterよりも大きいのも面白いところです。あと秋田ノーザンハピネッツが随分下がったのも目立ちます。

私自身はあまりきちんとフォローしていないのですが、アルバルク東京、川崎ブレイブサンダース、そしてシーホース三河はクリエイティブに力を入れている印象ですし、もしかするとブースター層が若い傾向にあるのかもしれません。

比較しやすいように両方のフォロワー数をプロットしてみます。

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こう見るとやはりアルバルク東京、川崎ブレイブサンダース、シーホース三河、そして秋田ノーザンハピネッツが少しTwitterとInstagramのフォロワー数に少し偏りがあると言えそうです。今度真面目にこれらのチームのInstagramアカウントを追ってみたいと思います。

2019-20シーズン中にフォロワー数はどのくらい増加するのか

さて、各チームは2019-20シーズンの間にどれくらいフォロワー数を増やすことができるのでしょうか?そんな中の人たちの努力を追ってみるのも面白いと思いますので、2019-20シーズン中、シーズン後にそんな話題も扱えればと思います。

今シーズンはW杯の後にはじまりますし、来年の東京オリンピックに向けてバスケット界全体のパイが大きくなることも期待されます。その中で各チームは新しいファンのエンゲージメントを獲得できるのでしょうか?乞うご期待。