こういう親心はいつの時代にも存在していると思われるので、時事問題というカテゴリではいささか不適切だろうけれど、なんとなく最近話題になっていたのでまあここで。
まず極端な話をするけれど、例えばプロ野球で大活躍することを夢見ている息子を持っている親に「100万円払えば、あなたの息子を巨人の4番打者にしてあげますよ」と誘いをかけても、金を払う親はまずいないだろう。ビジネスの世界での成功を夢見る子供を持つ親に「200万円で大企業の社長の座にいますぐ就かせてあげますよ」と言っても同様だろう。なぜかと言えば、そんなことをしても実力や見識が伴わなければ意味がないという事がその親には明確だからだ。しかしこれが「100万円で教員採用試験に合格させてあげますよ」だとお金を出す人が出てくる。しかしそういう親は「教師になりたい」と願う子供の為を思っての行動をしている一方で、「教師なんて誰がなっても同じだし、そんな大した仕事ではない」とその職業を同時に蔑んでもいる矛盾に気付いていないのではなかろうか。
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セルビア大統領選雑感
エントリを書く程の知識はないが、ちょっと気になったので。と、これだといつも豊富な知識に裏付けされたエントリを書いているような言い回しだが。
セルビア大統領選が新欧米派であるタディッチ氏の勝利に終わり、極右派のニコリッチ氏が敗北したことでコソボ自治州の独立容認に向けた土台ができたようだと報道されている。
政府は、G8議長国として各国の立場を調整する必要から米、EUとの同時承認には慎重だが、3日にセルビアで親欧米派のタディッチ大統領が再選されて事態の平和的解決の芽が出てきたとみて、早期承認の検討に入った。
http://www.asahi.com/politics/update/0205/TKY200802050402.html?ref=rss
各国の立場というのは簡単に言ってしまえばロシアの立場の事で、ロシアとしては他の国の独立活動家を刺激する可能性のある今回のコソボの件は慎重に対処したいだろう。
先月の第1回の投票では4ポイント以上の差を付けてニコリッチ氏が勝利していた模様であるし、2004年の大統領選では9ポイント差で勝利したタディック氏であったが、今回の差は3ポイント以下となっており、流れから判断するならばセルビア国民は以前より右傾化しているのではないかとも読み取れるのだがどうだろう。もしそうだとすると、この時期に安易にコソボ自治州の独立を容認すると、極右派の活動家等を強く刺激してしまうことにもなりかねない。
結局民意が求めるのは経済効果か
宮崎県の東国原(ひがしこくばる)英夫知事は、橋下氏の当選に「応援していたので、自分のことのように喜んでいます。地方行政をとりまく環境は大変厳しいものがありますが、この難局に立ち向かう同志を持つことができ、互いに修練しながら地方の活性化に取り組んで参りたい」との談話を出した。
http://www.asahi.com/politics/update/0128/SEB200801280001.html?ref=rss
東国原氏の日々のマスメディア上での活躍は、相当橋下氏の今回の当選に寄与したと思うがどうだろうか。僕も含めてほとんどの人は宮崎県の経済関連のデータなんて見ていないと思うけれど(指標を見ても現実と一致しないというのは最近の日本でよくある話だが)、それでも「なんだか宮崎が元気なんじゃないか」という強い印象を僕らに与えるだけの活躍を東国原氏はしている。それを見て「ではうちも人気者で元気に」という流れはごく自然なことだろう。昨年友人を訪ねて滋賀に遊びにいったときに、友人が「うち(滋賀県)も人気者の知事が欲しいわ」なんて冗談を言っていたけれど、そういう会話は日本の至る所で交わされているだろうし、今後もいわゆるタレント知事(橋下氏は弁護士ですが)がもう何人か誕生するんじゃないだろうか。
しかし橋下氏も「大阪を元気にしたい」って訴えていた気がするが、結局元気って経済のことなんだろうか。きっとそうなんだろうな、と思いつつもこの間「バブルへGO!」という映画を見たのを思い出して、ああいった元気(あれは極端な例だけど)を人々が求めている訳ではないだろうしな、と思ったり、Always三丁目の夕日じゃないけれど、経済復興途中の日本が元気でなかったかと言えばそうでもないだろうし、一体どういうことが「元気が良い」ということなのか、それをじっくりと橋下氏には聞いてみたいものだと思った。今後出てくるであろうタレント知事にも問うてみたい。
ちなみに最近はほとんど見ていないけれど、僕は行列のできる法律相談所の視聴者だったので、丸山氏や橋下氏などの主力メンバーが同番組にレギュラー出演しないのは多いに残念だ。あとこれを書いていて思ったのだけど、島田紳介さんの人間プロデュース力って相当なものだと思う。丸山、橋下両氏をはじめ、あの番組でとりあげられて人気者になった人は数多い。島田氏の「人の魅力の引き出し方の上手さ」を示していると思う。
オバマ氏がサウスカロライナで圧勝
南部でどのような選挙結果になるかについては結構興味があったのですが。
選挙戦でオバマ、クリントン両氏は、過去の言動などを材料に激しい中傷合戦を繰り広げた。焦点の黒人票争奪では、黒人大統領誕生への期待や、ブッシュ政権時代からの変化を渇望する声を背景に、オバマ氏がクリントン氏を圧倒。CNNテレビの出口調査によると、黒人票の約八割を獲得し勝利の原動力となった。
CNNの調査によると白人の72%、黒人の61%が黒人大統領誕生の準備が整っていると回答しているようだが、オバマ氏が南部でここまで強いとなると、準備が整っているのかという質問に対しては控えめだったようだけれど、黒人大統領の誕生を期待する気持ちは以前からかなり大きかったのではないかと推測する。そしてこれは同時に今までそのような民意があまり大統領選出という行為に反映されていなかったのではないか、と。
とにかく次のスーパーチューズデーがどのような結果になるかが見物だが、
米大統領選の民主党指名争いで、ケネディ元大統領(63年暗殺)の長女キャロライン・ケネディさん(50)は26日、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)でバラク・オバマ上院議員への支持を表明した。元大統領は黒人差別解消に尽力したことでも知られる。
http://mainichi.jp/select/world/news/20080128k0000m030064000c.html
というニュースもあり、オバマ氏が勢いに乗った形で臨む形になるようだ。
政治は瞬発力
政治関連のニュースを見ているといつも思うのだけれど、政治というのは結局継続力とか持久力というよりも瞬発力が求められる世界である。悪く言えば場当たり的な対応というか、その場その場の対応というか。結局そういったものが選挙でのコアコンピタンスになるから政治かもそう動く訳で、そうさせているのは結局我々投票権を持った大人なんだろうけれど、見ていてあまり気持ちいいものじゃない。
プログラマでもよく先のことを考えず目先の事だけ考えてコーディングしちゃう方がいるんだけれど、それってその目先の問題だけに着目すれば結局「コーディングを素早く終わらせた」という良い評価になってしまう。でも政治もプログラムも後々色々な修正が必要になってくる面では同じである。先を考えたプログラムを自分は心掛けるので、政治化には未来を見据えた政治を心掛けてもらいたい。たとえ最初はそれで票が集まらなくても。難しいかなぁ。
自民党歴史的大敗
第21回参院選は29日午後8時で投票を締め切り即日開票された。開票はまだ続いているが、自民党は岡山選挙区で党幹部の片山虎之助参院幹事長が落選するなど、自民党の惨敗は確実になった。しかし安倍晋三首相は同夜、首相公邸で記者団に対し、選挙結果にかかわらず続投する意向を表明した。しかし、参院では野党が過半数を確保するばかりか、民主党が参院第1党になるのも確実な情勢だ。安倍首相は内閣改造などで人心一新を図り、挙党態勢を改めて整える考えだが、参院の国会運営の主導権を失ったままでの政権運営には困難も予想され、今後の政局は不透明になるのは必至だ。
選挙の結果なんてのはそのときそのときの水物だし、年金がどうのこうの、外交がどうのこうの言ってはみるものの、どこの政党に任せてもまああまり変わらないだろうというあきらめもある。しかしながら、やはり一党による長い支配体制が続いているというのは健全な状態とは言えないとずっと思っている。水でも何でもそうだが、流れの無いものはいずれ濁る。その意味では、今回の参院選の結果は喜ぶべきなんだろう、僕としては。
久間氏発言
あまりこの問題に関するニュースなどは見ていないけれど。ちょっと一言。
例えば会社の経営陣が社内の何かしらの制度(例えば報酬や評価の制度)を変更したとして、それに納得のいかない社員が人事部に辛く当たるという構図がよくある。でも皆、別にそれが人事部のアイデアではないということは理解している。人事部は経営陣の命を受けて動いているだけだと理解しているものの、やはり批判の矛先が人事部にいく。なぜか。お分かりだと思うが、経営陣にはモノが言えないからである。距離が遠いというのも勿論あるが、当然人事部に文句付けるよりもハードルは高い。
今回の件にはそれと似た構図を見た気がした。本当は皆アメリカに文句を言いたいのではなかろうか。でも強いアメリカにはモノが言えない。そこで久間氏がアメリカと同じ意見を口にした。ここぞとばかりに大叩き。普段アメリカにモノを言えないストレスを、モノが言い易い同胞の人間にぶつける。そういう構図じゃなかろうか。
別に久間氏の発言を擁護するとか、いかなる政治的な意見も込められていないのだが、原爆の問題を真剣に考えている方々は、久間氏を糾弾することで何を得ようとしているのかをもう少し考えてみるべきだと思うが。
しかし僕の記憶では、久間氏って多少右側の発言をする事で批判の対象に上がっていたような記憶が。
ワシントンポスト紙の「Shinzo Abe's Double Talk」を読んで
納豆捏造と「女性は機械」発言
どちらの問題についても、その問題自体についてはコメントはしないというか「まあ勝手にやってくれ」というのが今のスタンスであり、はっきり言って関心がない。
ただこの問題に顕著なのだが、ここのところのリアルの世界とネットの世界の関係について考えると、どうも僕が理想としていた「ネット言説」とも呼ぶべき(または呼びたい)世界は存在していない、もしくは構造化されておらず、Googleでも容易に辿り着けない位置にあるような気がしている。
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日本人の労働時間についての個人的な感覚
大西 宏のマーケティング・エッセンス : 日本人は働きすぎって本当でしょうか
前振りが長くなりましたが、OECDのレポートでは、単純に各国間の比較はできないという注釈はありますが、1990年あたりから日本の実労働時間は急激に減少しており、2000年あたりからはアメリカとほぼ同じ程度とはいえ、アメリカよりもやや労働時間は短くなっています。これって以前は結構話題になっていたはずです。
ホワイトカラー・エグゼンプションの導入を巡って、日本人の「労働」についての議論が様々なところで起こっており(例えば居酒屋とかでも)、個人的には色々と考える材料になるので中々楽しい。法案自体の良し悪しは僕の語るところではないが、こうした「変化」というのは少なくとも個々人の頭を一時でも働かせる力がある。
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